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【数字とデータで見るキャリコン 】第15回試験結果の概要&傾向と分析(2)

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 今回は前回のコラムの続きになります。第1~15回キャリアコンサルタント試験の傾向と分析をお伝えします。これから出てくる全ての図表の出所は、厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」の資料を元に筆者作成(2020.12.16アクセス)です。

3.第1~15回キャリアコンサルタント試験の傾向と分析

(1)学科試験(第1~15回)の試験結果

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 第15回の学科試験は前回(第14回)と比べると受験者数が1.8倍で合格者数が2.0倍となっています。合計(第1~15回の集計)にある合格率と比較しても割と高めでした。もう少し視覚的に分かりやすくするためにグラフにしてみましょう。

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 以前コラムでもご紹介しましたが、魔の第4回と第9回の合格率が特出して低いですが、第5回以降は上がって下がっての繰り返しです。事前予想では前回合格率が下がったので、今回は上がるだろう(試験の難易度は下がる)と言われていましたが、その通りの結果となりました。この傾向が続くなら次回の第16回は難化すると思われます。

(2)実技試験(第1~15回)の試験結果

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 第15回の実技試験は前回(第14回)と比べると受験者数が1.7倍で合格者数が1.6倍となっています。合計(第1~15回の集計)にある合格率と比較しても難しかったと考えられます。もう少し視覚的に分かりやすくするためにグラフにしてみましょう。

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 実技試験の合格率は以前の70%前後で高止まりしていた時期は終了し、第11回の74.7%を天井にそれ以降は低下傾向にあります。今回の試験結果でも学科試験と比較すると受験者数の伸び率より合格者数の伸び率が低く、今後も実技試験の難化は継続されると思われます。ただし厚労省側の都合として合格者数を増やさなければならないというノルマ(キャリコン10万人計画)がありますので、一定の「合格者数」は今後も排出するはずです。

(3)学科、実技試験同時受験者(第1~15回)の試験結果

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 第15回の学科・実技同時受験者は前回(第14回)と比べると受験者数・合格者数ともに1.85倍となっています。合計(第1~15回の集計)にある合格率と比較しても4%ほど高めでした。しかし合格率が前回の試験と小数点第一位まで全く同じというのは偶然なのでしょうか。何か見えない力を感じざるを得ません。もう少し視覚的に分かりやすくするためにグラフにしてみましょう。

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 以前コラムでもご紹介しましたが、同時合格は学科試験の合格率に左右される側面があります。なお、コラム(1)でも前述した通り、同時合格(ストレート合格)=初受験ではありません。つまりこのデータには複数受験者が含まれているということです。単純にグラフを見ると第10回以降は50%を超える高い合格率を維持しているように思えるため、一見すると初受験でも2人に1人は合格する簡単そうな試験だと油断してしまいます。でも実態はもっと厳しいはずです。これを知ったうえで周囲の受験生をみていただくと初受験のストレート合格者が稀有な存在であることが実感できると思います。これがこの試験の罠なのです。

まとめ

・学科試験:第16回は難易度は上がるかもしれない。
・実技試験:今後も難化傾向は続くと思われる。
・学科、実技試験同時受験:初受験者の合格は難しい。

以上です。今後も受験生の皆さまに少しでもお役に立てる情報をお伝えしていこうと思います。(ジャン・一)

引用・参考文献

厚生労働省「キャリアコンサルタント試験結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consultant01.html (2020.12.16アクセス)

厚生労働省「キャリア・コンサルタント養成計画について」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000052927.pdf (2020.12.16アクセス)

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