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理論家まとめ⑤アルバート・バンデューラ

カナダの心理学者
1925年12月4日 - 2021年7月26日

機会遭遇理論

バンデュラは、「偶然は予測されずに起こるが、いったん起こると予定されていたことと同じように、通常の連鎖の中に組み込まれて、人間の選択行動に影響を与える。」として、要因をまとめている。

キャリアコンサルティング 理論と実際 5訂版

社会的学習理論(社会認知的キャリア理論)(SCCT)

社会的学習理論は人間の行動を包括的に説明する理論。
「直接的経験による学習」に加え、「モデリングによる学習=観察学習」を提唱した。

①直接的経験による学習
スキナーのオペラント条件づけの考え方に基づくもの
②「モデリング」による学習=観察学習
モデリング(観察学習)とは、他者の行動を見たり、真似することで学習する方法で、代理学習ともいわれる。以下の4過程があると提唱。

モデリング(観察学習)の過程

💡バンデューラモデリングの注保運動

①注意過程
モデルを見つけ、注意を向ける
②保持過程
モデルをイメージや言語で記憶に留める
③運動再生過程
留めた記憶を実際の行動に変換する
④動機づけ過程
習得した行動を実行するか決める

ボボ人形実験

子供たちを実験群と対照群の2つのグループに分け、実験群の子供たちにはおもちゃの部屋で1人の大人が風船のように膨らませた「ボボ人形」に乱暴しているのを見せる。対照群の子供たちには普通に大人が遊んでいるのを見せる。その後各グループの子供たちを1人ずつおもちゃの部屋の中に入れ、その様子をフィルムで撮影する。

結果、実験群の子供たちは対照群の子供たちに比べて目に見えて攻撃的だった。この実験からこどもは明らかな強化を与えなくてもモデルの行動を自発的に模倣することが分かった。

自己効力感

社会的学習理論では認知的要因の役割が強いとされていて、その中でも自己効力感が最重要視されている。

行動に移すには結果予測と効力予測(自己効力)があって、「◯◯すれば~になる」というだけでなく、「自分は◯◯できる」と感じられることが大切だということ。

つまり、自己効力とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していることになります。

そして、自己効力の知覚は以下のの三次元に沿って変化する。
・大きさ:難易度順の課題を解決できる能力
・強さ:課題を確実にできそうかという確信の程度
・一般性:課題に対する自己効力がどのくらい一般化できているか

自己効力感の高い人は、以下の特性を持つ。
・粘り強く努力して多少の困難に直面した際にも耐えることができる
・自分の能力を上手く活用してより一層の努力を重ねることができる

自己効力感を高める4つの方法

SCCTでは、人の認知に大きく影響するものは、4つの情報源(遂行行動の達成、代理的経験、情動的喚起、言語的説得)とされている。

遂行行動の達成:自分自身の成功体験
代理的経験:モデリング、人がやってるのを見て「自分もできそう」
言語的説得:言葉による説得、褒められたり励まされたり
情動的喚起:身体や心の中で起きた生理的・感情的変化(例:リラックス状態だと高まり、緊張状態だと低下)


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