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【介護業界の事業承継について】解決の糸口はM&Aに有り!?わかりやすくお伝えします

現在、日本は「高齢化社会」と「少子化」という2つの問題を抱えています。
高齢化と少子化に歯止めが効かず、今度もさらに加速していくと思われます。
そして、それに伴い介護事業のニーズが高まっているのです。

今後も介護事業は、社会に必要とされる重要な事業となっていくことでしょう。

「これからの介護業界は、需要がますます増えて安泰だ!」

このように考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
残念ながら、楽観的な考えで生き残っていけるほど甘くはないのが現状です。

とくに介護業界の事業継承は、大きな課題となっています。
後継者がおらず、介護事業を存続させることが難しいからです。

そんな中、介護業界では「M&A(事業の売買と合併)」が、盛んに行われています。

本記事では、介護業界における事業継承の解決策の1つ「M&A」についてお伝えしていきます。

本記事で分かることは以下の通り。

介護業界のM&Aの動向
介護業界のM&Aの実例
M&Aを行う買い手と売り手のメリット
M&Aを成功させるポイント

介護事業でのM&Aを検討される方の参考になれば幸いです。

介護業界のM&Aの動向

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介護業界では、業界の抱える課題や、様々な原因により積極的にM&Aが行われています。

ここからは、介護業界でのM&Aの動向を確認していきましょう。

①後継者が増え、事業の継続が増えている。
介護業界では、後継者不足が深刻な問題となっています。

介護施設では24時間365日、利用者の方が入居されています。

他業種に比べ、経営者の負担が責任が重くのしかかるので、事業を継承しようとする人が少ないのが現状です。
そういった後継者問題の解決策として、M&Aが行われています。

また、事業で培われたノウハウが後継者問題により失われてしまうのは大きな損失です。
そこで、M&Aを行うことでノウハウを継承することができます。

さらに、買い手が上場企業であれば従業員の賃金や雇用問題の解決にもつながります。

以上の点から、介護業界ではM&Aが増えているのです。

②他業種から介護業界への参入が増えている
高齢化社会により、介護業界の需要は大きく伸びています。
今後も需要は伸び続けていきます。

介護事業は「成長産業」と言えるでしょう。
成長産業ですから、他業種がぞくぞくと参入するようになります。

実際、今後の事業の先行きを不安視する「警備会社」や「不動産」といった企業が、介護事業に参入しています。

メイン事業1本ではなく、需要が高い事業をすることで相乗効果を期待できます。
また、最近は医療機関も介護事業に参入しています。

理由は、医療機関は国が推進している2つの目標を達成したいからです。

1、入院患者の在院日数を減らしたい
2、在宅医療を普及したい

ところが、現実問題として患者の家庭事情や在宅医療の整備があります。

その結果、入院患者の在院日数と在宅医療の課題をクリアできていないのです。

そこで、受け皿として介護事業への参入をしているわけなのです。
今後、さらに介護業界へ他業種の参入が増えていくと予想されます。

介護業界のM&Aの実例3選

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ここでは、実際に介護業界のM&Aの実例を見ていきましょう。
いかに、介護業界のM&A需要が伸びているかが感じられるはずです。

①損保ジャパン日本東亜ホールディングス株式会社
損保ジャパン日本東亜ホールディングス株式会社は、2016年にか「株式会社メッセージ」を子会社化しました。

株式会社メッセージは、「サービス付き高齢者向け住宅」を主力としています。

また、損保ジャパン日本東亜ホールディングス株式会社は「ワタミの介護」を買収しました。

これにより、介護業界2位に浮上しました(2017年)

②ソニー・ライフケア株式会社
ソニー・ライフケア株式会社は、2017年に「株式会社ゆうあいホールディングス」を完全子会社化しました。

ゆうあいホールディングスは都内に有料老人ホーム、28拠点に介護事業を展開しています。

これにより、電気事業が上手くいかない時期に、大きな利益を生み出しています。

メイン業務が不振の際、他事業で補填することはM&Aの大きな強みですね。

③株式会社ツクイ
株式会社ツクイは、デイサービスや通所介護サービスの人材派遣を行う会社です。

ツクイは、2018年に「ヒューマンライフ・マネジメント」の株式を取得しました。

ヒューマンライフ・マネジメントは在宅医療の支援や訪問看護、医療部門やヘルスケアに独自のノウハウを所有しています。

ツクイがM&Aを行ったことで「訪問介護サービスの更なる強化」、「医療に関するノウハウの取得」が可能になりました。

これにより、業界内でのデイサービス事業の強化が図られたのです。

介護業界におけるM&Aによるメリットとデメリット

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M&Aにはメリット・デメリットがあります。

買い手と売り手の視点から、確認していきましょう。

買い手のメリット
介護業界でM&Aを行う買い手のメリットは以下のとおりです。

人材不足の解消
事業のエリア拡大
新しいノウハウの獲得
行政からの許認可獲得

介護業界の抱える大きな問題は「人材不足」です。

介護に限らず、どの業界も人材不足ではあります。
ですが、需要が拡大し続ける介護事業は特に人材不足に悩まされています。

求職者が少なく、さらに離職率が高いことから慢性的な人材不足に陥っているのです。

そこで、M&Aをすることで「人材不足」を解消することができるのです。

人材不足を解消できれば、需要の高い介護事業は大きな飛躍の可能性を秘めています。

売り手のメリット
介護業界でM&Aを行う売り手のメリットは以下のとおりです。

介護スタッフの負担が減る
介護スタッフのスキル向上
後継者問題の解決
収益の増加
売却益の獲得

特に、後継者問題の解決は大きなメリットです。

介護事業が上手くいっていても、後継者がいなければ廃業に追い込まれてしまいます。

実際に、後継者がおらず廃業する介護事業者は数多く存在します。

M&Aをすることは、事業を長く続けるための解決策と言えるでしょう。

介護業界のM&Aを成功させるために大切な3つのポイント

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介護業界でM&Aを成功させるためには、以下のような押さえておくべき大事なポイントがあります。

1、現在の事業状況をしっかりと把握しておく
2、どのような入居者が多いのかを確認する
3、介護事業の売却価格には、施設の不動産価値が大きく関与する

介護事業のM&Aで特に気を付けるべきは、「どのような入居者が多いのか?」を把握することです。

例えば、入居者の多くが「介護度の低い」という有料老人ホームは、収益性が低くなります。

有料老人ホームの収益は「家賃収入」と「介護保険収入」の2つからなっています。
介護度が低いと、介護保険サービスを利用しない人が多くなります。

介護保険サービスを使わない人が多いと、収益性が下がってしまうのです。
収益性が低すぎると、M&Aの利点を活かしきることができません。

M&Aをする際は、施設の入居者の属性をしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

本記事の内容は以下の通りです。

介護業界のM&Aでは、「事業後継の増加」「他業種の参入」が起きている
介護業界のM&Aでは、買い手と売り手の両方にメリットがある
介護業界のM&Aを成功させるには、特に「入居者の傾向」を確認する必要がある

お伝えしてきた通り、介護業界の需要は今度ますます高まっていきます。

その一方で、人材不足や離職率の高さに加え、後継者問題が大きな課題です。
これらの問題を解決する1つの選択肢が、M&Aなのです。

ぜひM&Aを活用し、介護事業を末永く継続していただければ幸いです。

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