循環器内科をはじめからていねいに。

循環器内科医。自分の備忘録や書籍用として。

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最近の記事

CABGの考え方

多枝病変やDMがあるとCABGになるが、その場合のつなぐ血管などについて概説する。 まず解剖学的につなげる場所が限られていることを理解する。 LMT入口部に狭窄があるからLMT遠位部につなぐとかそういったことは困難で、バイパス先になれる場所とバイパスができない場所がある。 基本的には側枝もしくは抹消しかつなぐことはできない。 つなげるsegment:#4 PD, #4PL, #4AV,#8, 対角枝, #12, #14 つなげないsegment:#1-3, #5-7,

    • 【難易度3】Barlow type severe MRの治療方針

      45歳男性 健康診断でMRを指摘され紹介。 Dd/Ds 65/46でEFは54%、LAVI(左房容積係数) 40ml/m2、MADとBarlow type のsevere MRを認めた。BNPは20で、フルマラソンを走っても症状はなし。 ホルター心電図ではAfはなくPVCを3%認めた、冠動脈有意狭窄はない。経食道心エコーでは僧帽弁の弁葉が大きく、billowing prolapseを認め、収縮後期に吹くSevere MRを認めた。 治療方針検討目的に入院となる。 Barlo

      • 無症候性一次性僧帽弁逆流症 【意見が割れた症例】

        症例:40歳男性 病歴:10歳代でMRは認めないが、左室拡大Dd/Ds 66/50mmと左室拡大を認めていた。その後、20歳代でLVEFは保たれるが左室拡大Dd/Ds70/57と左室拡大を認め、billowing prolapseによるsevere MRを認めた。薬物治療としてΒ、ARNI、MRA、SGLT2を開始れたが、左室径は変わらず経過。マラソンをしても無症状なほど全くの無症状であるが、MitraClipなども視野に検討するため精査目的に入院となる。 問一 一次性MR

        • 急性心不全を受け持ったら【ER編】

          市中病院で循環器内科として受け持つ患者の病気は病院により多少は異なるものの、4割は心不全、3割は心筋梗塞/狭心症、1割は不整脈、1割は大動脈解離、1割はPE・DVT、1割は弁膜症や心筋症、残りは希少疾患などの精査となる。 循環器内科として必ず受け持つことになる心不全は循環器内科をローテートしたら必ず受け持つ病気となる。 入院した後の心不全の診療は初めて指摘された心不全かどうかで行う検査などが大きく異なるので。別物として分けて考えた方が理解し易い。 ERでの対応については