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「お金」と「価値」の問題

こんにちは、師之井景介です。
人生も中盤戦を迎え、私も老後について考える機会が増えてきました。考えるばかりで具体的な行動を起こしているわけではないのですが。

老後、安心して生活を送るためには2000万円の資産が必要になる、という金融庁の報告に皆が騒然としたのがいつのことだったか忘れましたが、印象に残ったせいか、未だ記憶に新しい話です。何だか暗澹たる気持ちになりますよね。

Twitterなどでも、老後苦しみたくないから安楽死の施設を作ってほしい、というような発言を目にする機会が、以前よりも増えたような気がします。

この社会では何をするにも金が必要で、欲しいものを買うだけで税金を取られるし、仕事をして金を稼げば稼いだだけ、やっぱり税金が巻き上げられてゆく。

財務省によれば、引き上げられた消費税は、社会福祉や少子化対策のために使われるそうですが、彼らはちゃんと仕事をしてるんでしょうか。

税金なんかいくらでも払ってやるからよ、老後2000万持ってない人でも、不安なく生活できるような国にしてくれませんかね。一丁前に金を吸い上げておいて、安楽死の施設を作ってほしいとか言わせてんじゃねえよ。

さて、前置きが長くなりましたが、本日はお金の価値について書きたいと思います。

例えば、あなたが謎の黒服集団に拉致され、たった一人で一年間、砂漠に覆われた無人島で生活を強いられることになったとしましょう。

その時、無人島への所持品として以下の2つの選択肢を与えられたら、あなたはどちらを選ぶでしょうか。

A. 現金一億円の札束。
B. 現金100万円。ただし無人島へ行く前に好きなものを購入して良い。

さて、皆さんならばどちらを選ぶでしょうか。

当然、Bじゃないでしょうか。

金額としては100倍の差があるにも関わらず、この状況下でAという選択肢を選ぶのはあまりに無謀です。普通の人間にとって、無人の砂漠では札束など何の役にも立ちません。つまり価値0。

一方、100万円を上手く使って必要なものを用意できれば、砂漠で一年間生き延びることも、決して難しくはないでしょう。

無人島、しかも砂漠という極限状況において、100万円で用意したサバイバルグッズと一億円の札束の間には、価値に無限の差が生まれるのです。

あれ? そもそも価値って何?

価値
①物事の役に立つ性質・程度。
②「よい」といわれる性質

広辞苑

では、お金そのものが持つ価値とは何なのか。

お金というのはモノとの交換が可能だからこそ意味があり、皆がこの交換可能性を認識することで、初めてモノに相当する価値として機能するわけです。人間の顔と数字が書いてある紙や、画面上に表示された数字のやりとりで、服や食事や車や家が手に入るなんてよく考えたら奇妙な話ですが、それというのも、お金が表す数字には価値がありますよ、という暗黙の了解があってこそです。

言い換えれば、交換が不可能となった状況では、お金はただのゴミとなります。それは無人島の喩えからも明らかですね。

お金というのは、人類全体で行う壮大なごっこ遊びと言ってもいいのかもしれません。貨幣や数字を価値あるものに見立てて、時にはラグビーか何かのように、皆でそれを取り合ったり、羨んだりしている。

もしもです。

2000万円あれば生活できるから、と頑張ってお金を貯めた先で、ごっこ遊びをしてくれる「皆」がもういなくなっていたら。

そのとき我々は、いったい何にお金を使うのでしょうか。「皆」がいなくなった世界では、もはや食事を得ることも、介護を受けることもできません。そして我々は、汗水たらして働いて得た数字の羅列を握りしめ、安楽死の会場へと歩いてゆくんでしょうかね。

けれど我々は実際、お金は価値そのものではない、ということを見失いがちです。根本的な不安の原因は、お金がないことそれ自体ではないはずなのに、お金さえあれば何とかなるような気がしてしまう。これもまた、我々にかけられた一つの呪いなのかもしれません。

お金そのものよりも、我々が望む価値そのものを見据えて行動する必要があります。

老後楽しく生活するためには、何よりもまず、生活の場となる社会が存続していなければならない。未来を担う若い世代が、幸せにのびのびと生きていなければならない。

日本が突き進む絶望的な少子高齢化の中で、私に何かできることはあるのか。それを今、考えています。私自身にはあいにく子どもはいないけれど、できることはあると思っています。

泥団子を寿司に見立てて、死ぬまでおままごとを続けたいものですね。
しかしそれ以上に、泥団子などなくても寿司を食べる方法がたくさんある世界にしたいものです。

今一つまとまりを欠く記事ですが、本日はこの辺で。お読みいただきありがとうございました。

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