見出し画像

市場シェアVS顧客シェア

一般的”シェア”という言葉を使うと、該当の市場の中でどれだけ多くの人から選ばれているか?を示します。

例えば缶コーヒーのシェアというと、缶コーヒー市場もしくは清涼飲料水市場のなかでどれだけ”多く”売れているかを示すことになります。

この指標のことを経営学では「市場シェア」と呼びます。

市場シェアが高いということは、大衆向けに広まっているということになります。

車でいうと、トヨタは市場シェアが非常に高いですね。

一方で、「顧客シェア」という指標もあります。

これは、ウォレットシェアという別名もあるように、特定の人のお財布のどれだけを自社で占有しているか?を示すものです。

缶コーヒーで例えると、とある人が1年間で飲む缶コーヒーのうち、どれだけの割合を自社の缶コーヒーが占めているのか。です。

市場の中でどれだけ多く選べれているのかではなく、特定の人からどれだけ好まれているのか。というような尺度になります。

車でいうと、MAZDAやSUZUKIなど、大衆向けではないけれどもコアなファンがガッチリついているようなブランドは、顧客シェアが高くなる傾向があるでしょう。

ということで、「より多くの人に好かれること」と、「とある人により深く好かれること」という2軸でマーケティングは考える必要があります。

前者はマス・マーケティング的発想のため、市場が成熟して消費者のニーズが多様化している現在、こちらの戦略を真っ先に採択するには非常にリスクとコストが掛かります。

大企業は母数を取らなければ採算が取れないので、主に大企業は市場シェアを見据えています。社内起業やM&Aにより、顧客シェアを狙いそれを大企業の財力によって市場規模を広げていくという戦略も昨今見られるようになってきました。

が、資産が限られている中小や個人にとっては顧客シェアを狙ってコアなファンを掴んでいくことが大事。

SNS全盛期に、フォロワーの数の多さで評価を下そうとしているのは、市場シェア的発想。フォロワーの質の深さで評価を下そうとするのが顧客シェア的発想。

どっちが良くてどっちが悪いという話ではなく、自分はどっちの指標で戦っていくべきなのかの見極めは大事なんだろうなと思います。

ネット上では市場シェア的発想でフォロワーが多い人に光が当たりがちですが、フォロワーが多い=価値がある。ということではなく、フォロワーが多い=大衆的である。というだけですから。

勝ち目の薄い競争に参戦して辟易してしまわないように、自分がやってて本当に楽しいことに注力していきたいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?