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「無目標」という目標があってもいい

はじめに—目標の立て方って意外と大切

大人・子どもを問わず、取り組んでいることが上手くいかないことで人生の張り合いが薄れている人を散見します。

勉強や趣味、仕事などが上手くいかないから、プライベートでも元気がない人たちです。

このようなシケてる状況に対して「目標の立て方を変える」ことで事態を好転させている人を沢山みてきました。

今回は【目標の立て方】について書いていきます!

目標達成ができず萎えてしまう人の特徴①—社会的基準

目標を達成できず萎えている人の特徴1つ目は「社会が設定した基準」を目標にしてしまっています。

具体的に見ていきましょう。

例えば、勉強の場合だと
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・小テスト100点
・定期テスト90点
・資格検定2級合格
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といった目標は「社会が設定した基準」が目標になっています。

定期テストなら90点取れば、多くの人が見て「凄い」と言われるからです。
資格や検定も同様に、合格した級によって「見られ方」がある程度決まってきます。
英検2級なら高校卒業程度の英語力を保持していると「社会的に」認められます。

自分の能力が高く、ちょっと頑張ることが出来れば合格基準に至れる場合には、あくまでも社会的な基準を目標を掲げて努力し続けた方が成長することが出来るでしょう。

ところが、この社会は残酷なもので、ちょっと努力すれば社会的に高い評価を得られる人もいれば、努力してもなかなか結果を出せない人もいます。

目標達成ができず萎えてしまう人の特徴②—習慣的

目標を達成できず萎えている人の特徴2つ目は「習慣」を目標にしていることです。

例えば、
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・朝6時に起きる
・1日5分ストレッチをする
・英語の勉強を2時間する
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といったイメージです。

目標を決めた当初は良いですよね。
「目標を決めて頑張っている自分、いいなあ」なんて自画自賛した経験をお持ちの方もいると思います。

ところが、3日坊主という言葉があるように、たいていの場合は続かないですよね!
出来ない自分に直面して、萎えるということが繰り返されます。

目標の捉え方を2つに分ける必要性

上手くいかないなあと思う時には、目標の捉え方を2つに分けることが有効です。

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1つ目は「逆算的な理想目標」
2つ目は「省察的な無目標」◀NEW!
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です。

今まで挙げてきた「社会的基準」と「習慣」はいずれにしても、
【できていない自分に直視するタイプ】の目標です。

理想を掲げるも、理想から逆算して自分の出来ている-出来ていないを決めるところが共通している「逆算的な理想目標」です。

新しく提案した「省察的な無目標」とは、
【できるようになった自分を振り返るタイプ】の目標です。

「無目標」というのがまたポイントになってくるんですね~(笑)

具体例を出しながら、もう少し詳しく話していきましょう!

漢字テストが苦手な中学生の話

私は塾講師も兼任しており、国語を教えているのですが、漢字に強い苦手意識を持っている中学生のエピソードが印象的なのでお話したいと思います。

塾の漢字テストには、人によってバラバラの点数目標があるのですが、どんな生徒でも少なくとも80点以上が合格の基準となります。

今回取り上げている彼は、練習プリントを律儀にやっても60点台が最高点です。

80点など取れそうにないと分かると、10分間の休み時間を利用した、ちょっとした勉強も放棄してしまうような状態です。

心理学的にも「自分が出来ないことには取り組む意欲が湧きづらい」と言われていますから、彼の気持ちはよく分かります。

手の届く目標したらどうかと、こっそり70点に下げたりしてみたのですが、結局はもっと点数が下がるという有り様です。

周りの友だちとの引け目を感じて、勉強から逃避するといった精神状況はむしろ悪化したようにも感じました。

そこで「点数も勉強の仕方も指定しないから、自分の中での変化に着目したら?」とアドバイスしてみたところ、効果はテキメンでした。

「そういえば、漢字テストを始めた当初よりも確実に勉強できるようになっている!」とか「偏(へん)の種類に着目するのが良い!」とか「しんにょうが綺麗になった!」という成長実感に着目したところ、漢字勉強も楽しめたようです。

通常なら1時間やっても多いような分量ですが、合計で6時間も勉強を積み重ねていたようです。

ただ、自分を振り返るだけでいい。

私自身も、理想の目標を掲げては「できない…」という状況に何度も陥っていますから、彼の気持ちがよく分かります。

なんなら25歳になった今でもよくあります(笑)

成長実感を持てないときには「自分の変化」を振り返ってみましょう。

自分では、ぜんぜん変化できていないとふさぎ込んでしまうような日々でも、振り返ってみると、確実に変化している自分に出会うはずです。

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・理想の目標には届いていないけれど、確実に語学力はついている。
・昔の自分とは別の関心が生まれて来た
・苦手な物事に取り組むときにはダラダラしてしまう。
・自分の出来なさを自覚することで、もっと人にやさしくなれている。
・そういえば最近、よく考えるようになったなあ~。
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などです。

自分の状況を振り返りながら捉えようとするとき、なぜか次に行動につながる活力が湧いてきたりします。

目標から逆算することでは絶対に出会えない、ただただ自分を振り返る中でしか辿りつけないタイプの目標なのです。

この現象を、私は「無目標」と呼んでいます。

おわりに—どんな過去も未来へ活きる

近しい知り合いに、3浪した人が2人もいます。
どちらも年上なのですが、年齢を差し引いても、非常に尊敬できる人たちです。

彼らは3浪という過去を滅多に話すことは無いのですが、確実に過去の経験を、現在の人格形成に昇華させて生きています。

もし、いま上手くいっていないとしても大丈夫です。
ご自身の状況をぜひ丁寧に振り返ってみてください。

どんな過去も気づかぬうちに自分を変化させてくれています。
そして、過去の経験は確実に素敵な未来をつくってくれます。

たとえ、その過去が今の自分にとって輝かしくないものだとしても、です。

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