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「その車に何年、愛情を注ぎますか??」

毎週土曜の楽しみとしている、とある車系ラジオ*のメッセージテーマが「1台のクルマ、何年乗りますか?」でした。

結論から言うと「人それぞれ」になるのはご想像通りなのですが。

車を乗り続ける・乗り換える事により起きるドラマや、その選択に至る考え方など、聞いていて面白かったです。

この回の放送を聞いて、本メディアでも「保有年数」にフォーカスした内容を書きたいと思い立ったので、本記事をアップします。

※FM岩手 Driving Pleasure(土曜11:00~11:55)

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•筆者はラジコ(エリアフリー)で聞いてます。

◾️日本の現状を見てみると...

新車にナンバーが交付(初度登録)されてからの経過年数を車齢と表されます。

過去データになりますが、2019年度時点の平均車齢は8.65年*でした。

つまり新車購入された方が次の車に乗り換えるまで、平均して約9年間、その車を保有しているという事になります。

また、この年数は年々増加している為、2022年現在では更に長くなっているのでしょう。

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*画像引用:日本自動車工業会発行「日本の自動車工業2020」P.12よりhttps://www.jama.or.jp/industry/ebook/2020/book_j/book.pdf

この背景としては、2つ理由が考えられます。

まず1つ目は、車自体の高寿命化です。

技術の進歩により、昔に比べて壊れにくい車が作られる様になりました。

データ上にも表れていて、前述した車齢同様に車の平均使用年(初度登録から廃車になるまでの期間)も、年々増加傾向となっております。

昔から一つの指標として「10年10万キロ」がよく言われますが。

現代の車は、そのボーダーを超しても十分使用できる性能がある事が証明されていますね。(もちろん、ユーザーが定期的なメンテナンスを行う前提ですが)


そして2つ目は、車両価格の上昇です。

昨今の車の進化は著しく。特に近年の車は衝突安全技術(セーフティ性能)と先進技術(運転支援技術)がふんだんに盛り込まれています。

そのため開発•製造コストも増加し、車両価格も上がってしまいます。

いまや軽自動車・コンパクトカーですら、オプション代を入れてしまうと200万円オーバーが当たり前の時代。

おまけに2022年現在、新車のみならず半導体不足の影響により中古車価格も高騰気味。

高い買い物である以上、ユーザーも乗り換え検討が従来以上に慎重にならざるを得ないという社会的流れが、保有年数の増加につながっていると思われます。

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昨年の日本カー•オブ•ザ•イヤーに輝いた日産ノートシリーズ。エントリーグレードでも新車価格は約219万円となる(税込•オプション無し)。

◾️物持ち長い人が苦労してしまう現実

いくら高寿命化が進んでいるとはいえ、車も機械である為、長年使用する事で修理や部品交換が必要になります。

それも、使用年数が長引くほどに修理箇所&メンテナンス料金が増える傾向が多くなります。

日頃から定期点検を心がける事で、消耗品(オイル,ワイパー,ブレーキなど)はユーザー側でも対応可能です。

しかし、ディーラーや修理工場でしか対応出来ない高額メニューも当然あります。

その為、高額な修理費を払って乗り続けるより、タイミング良く乗り換えようと踏み切る人が多い傾向になるのですね。


また一般的に旧車と呼ばれる車種の場合、新品パーツが製造廃止となってしまい、メーカーから購入出来ないというケースもあります。

各専門ショップなどが販売しているリビルドパーツor中古パーツで対応は出来るとはいえ、旧車を購入検討している方は、パーツの流通状況・入手ルートもチェック必須です。


さらに2014年から税制が変わり、初度登録から13年以上経過したクルマの場合、自動車税が増税されるようになってしまいました。

「環境性能も向上している、現代的なクルマに乗ろう」という政府の方針も、カーボンニュートラルが掲げられている現状、理解も出来ますが。

古き良きクルマへも憧れを持っている者としては、残念の内容でもあるのが正直な感想です。


そして使用年数が増えると、当然リセールバリューも減少します。絶大な人気を誇る絶版車、マニア垂涎(すいぜん)のコレクターズアイテム、世界的に有名なプレミアムカーなどは例外と考えますが。

日常使いの車の場合は、下取り額にガッカリというケースも可能性大です。

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根強いファンを持つ日産のスポーツカー•フェアレディZ。画像は1972年式の初期型モデル。名車と呼ばれるモデルは、年々価値が上がっています。〈画像引用:カーセンサー〉

■"相棒"との絆は、数値では測れない

ここまで読むと「1台の車を長く乗る=デメリットばかりじゃんっ!」と思われる方が多いはず。

事実、ユーザーの負担が増えるのは否めません。

では、1台を長く乗る事の良さとは何なのか?


それは数字では表せないロマンではないかと、筆者は考えております。


日常的に車を使っている方なら、使用年数の数だけ、車と一緒に過ごす時間が生まれます。

その時間の中には、日常の喜怒哀楽、ドライブ先での思い出、人生の転機などなど、沢山のドラマが起こります。

本来、移動手段の1つのツールでしかないはずなのに。身近な存在だからこそ、人と共に苦楽を共にできるのも、車の良さなんだと思います。

このスバルのCMには、そんな1台の車とのストーリーが凝縮されていました。この様なドラマを愛車と綴っていけたら最高ですね。

〈動画引用:株式会社SUBARU〉


また車好きな方も、車にあまり詳しくないという方においても、共通している事があります。


それは「相棒と呼べる車に出会えるか?」です。


「長く乗り続けたい」


「動かなくなるまで、ずっと乗っていたい」


「これこそ、私の愛車」


と、思えるようなクルマと出会う事によって、その人のカーライフは劇的に変わります。

現在クルマを所有している人も、これから車の購入を検討している方も。

ぜひ、素敵な愛車遍歴を作り上げていってほしいですね。

■終わりに

筆者個人の話になってしまいますが。

先日、新車購入から15年目を迎えた妻の愛車が、7回目の車検を無事に終えて戻ってきました。

そのクルマを一目ぼれで選んだという妻。

「いまだにカッコいいと思うし、飽きる事なく、ずっと気に入って乗っていられる」とのこと。

実は家庭環境の変化もあり。今回は車検を通さずに、乗り換えを検討していたのですが。

「無理に乗り換えなくてもいい。気に入っている愛車だからこそ、長く乗っていたい」

という妻の意見を受け入れ、車検に踏み切りました。

それに比べて筆者はというと、最初の車は5年、2台目は3年。そして現在の3台目は4年目に突入したばかり。

気に入った車に、15年乗り続けるという妻のこだわりの大きさは、とても尊敬しております。私も見習うべきでしょうね笑

そして同時に。

長い時間、1台の車へ大きな愛情を注ぎ続けれる人が近くにいる事が、一人の車好きとしても幸運だとも思っています。












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