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[レヴォーグSTI Sports R EX]車移動を喜びに変える「Rのマジック」って、何だ?

「エンジンは車の心臓じゃない。むしろ、脳みそだ。」

という、某有クルマ漫画のセリフを思い出しました。

現在のスバルにおけるパフォーマンスモデルとは、2.4リッター水平対向ターボエンジン(FA24)+新開発のスバルパフォーマンストランスミッション(SPT)が搭載されたクルマを指すことでしょう。現行ラインナップでは、2台存在します。

1台は、スバルを代表するパフォーマンスモデルであり、スポーツセダンとしても高い完成度を誇る絶対的存在・WRX。

そしてもう1台は、利便性とスポーツ性能を合わせ持ったツーリングワゴン・レヴォーグ。

2020年11月に2代目へとフルモデルチェンジが行われた現行レヴォーグは、1.8リッターターボエンジンのみで発売されました。

そして先日、2.4リッターターボを新搭載したSTI Sports Rグレードが待望の追加登場っ!

はたして、新しいパワーユニットが、レヴォーグにもたらすものとは?

STI Sports R EX(アイサイトX搭載車)のレビューと、既存のSTI Sports EX(1.8リッターモデル)との比較記事をお届けします。


・試乗協力店:栃木スバル 宇都宮店
https://www.tochigi-subaru.jp/

※記事内 画像引用:株式会社SUBARU
https://www.subaru.jp/legacy/outback/

※参考:WRX S4試乗記事https://note.com/car_barn/n/n0b2fcd83f2cf

※参考:レヴォーグ 1.8 STI Sports 試乗記事https://note.com/car_barn/n/nb0aa067d145d

■待ってました!ハイスペックver.

レヴォーグという車の血統は、かつてスバルに存在したレガシィツーリングワゴンという車から始まっています。

道幅の狭い日本国内においても扱いやすい車体サイズ。物の積載が出来て、日常生活における利便性の高さを実現するワゴンボディ。そして、スポーツカーに匹敵する動力性能の高さを有しており、長距離移動も楽にこなせるグランドツアラーとしての役割。

この3つを集約した「ツーリングワゴン」というカテゴリーを定着させ、さらに国内において多くのワゴン好き&スバル好きを生み出したのがレガシィでした。

そのツーリングワゴンとしてのキャラクター性を、現代に継承したのがレヴォーグになります。

2014年より発売された初代モデルは、レギュラー仕様で経済的な1.6リッターターボと、ハイオク仕様でパフォーマンス性能が高い2.0リッターターボの、2種類のエンジンが用意されていました。

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<いまだに高い人気を誇る初代•レヴォーグ>

しかし、2020年から発売されている現行モデルは、全グレードがレギュラー仕様の1.8リッターターボに統一されて登場。

この1.8リッターモデルも、スムーズな加速+モードセレクトによるキャラクター変化を楽しめるなど、日常域において不満なく使用できる仕上がりではありましたが。

従来のスバル車らしい"走りごたえ"を求めるユーザーとしては、どこかパンチの無さを感じていたのも事実。

そして、約2年の時を経ての2.4リッターモデルが満を持してデビュー!

往年の「かっとびワゴン」のイメージを色濃く持つユーザーや、パフォーマンス性の高いワゴンモデルを求めている人には、まさに待望の登場といえます。

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<最大馬力=275PS,最大トルク=375N•mを発生する新搭載のFA24エンジン>

■パフォーマンスワゴンのあるべき形に

2.4リッターターボ+SPTを搭載した、STI Sports R EX(以下:2.4STI)に試乗。
走行前に、一通りの内外装をチェックといきたいのですが...

残念ながら、内外装の違いは既存のSTI Sports(以下:1.8STI)と99%同じでした。

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1%の違いは、メーター内のマルチインフォメーションに、WRXと同じブースト計が追加されたぐらいでした。

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まぁSTI Sportsというだけで、一般グレード(GT,GT-X)とは一線を画したスペシャリティはありますが。
せめてエンブレムぐらいでも、特別装備が欲しかったなー…

諸元表で1.8STIと比べてみても、エンジンスペック以外の変化は、車両重量の50kg増&最低地上高の5mm減のみで、他は全く同じ。

視覚的なインフォメーションの薄さにより、2.4STIのファーストインプレッションは「レヴォーグにWRXのエンジン・ミッションを搭載しただけ」と、割とあっけない印象です。


しかし、そんなあっさりの印象も置き去りにするぐらい。

一度アクセルを踏み込めば、なんとも劇的な乗り味の違いを実感します!

走り出しから、いかにもエンジンがタイヤを回そうとするトルク感が伝わってきます。
さらにアクセルを踏み込んでいけば、トルクフルで鋭い加速を実現。

1.8STIでは実現できない、ダイレクトな加速フィールを体験する事で初めて”別の車である事”を実感します。

パワーユニットが、車の性格をこんなにも変えてしまうとは。

当たり前ではあるけれど、改めて実感した瞬間でした。

そして同時に、この2.4STIが現行レヴォーグの完成形の1つとも思いました。

電子制御ダンパーによる、フラットで安定感のある足回り。素早い応答性を見せるダイレクトなハンドリングなど、1.8STIの持つスムーズさはそのままに。

加速性能の向上により、スポーツカー好きも唸るダイレクトさが追加となり。まさにパフォーマンスモデルと呼んでも遜色ない、格別なツーリングワゴンが誕生したとも言えます。

■趣向性?実用性?どっちを選ぶ⁇

では、今回試乗した2.4STIと既存の1.8STIは、どの様な線引きが出来るのでしょうか?

筆者なりの見解を述べると、2.4STIは趣向性重視の人向け・1.8STIは実用性重視の人向け、となります。

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前述の通り、2.4STIはトルクフルな加速フィールが最大のメリットです。車のキャラクター性にもうまくマッチしていて、個人的にはこのエンジンがデフォルトでも良いと思えるくらい、トータルバランスの高さを感じられます。

街中での落ち着いた運転はもちろん、サーキットやワインディングでのアグレッシブな走りまで。走りごたえがのある車が好きなユーザーさんには、ぜひオススメしたい1台です。

ですが、車両価格は約70万円高く。エンジンもハイオク仕様なのもあり。コスト面では1.8STIより高くつくのも事実です。

それも踏まえ、普段使いにおいては1.8STIにアドバンテージがあります。

確かに、2.4STIを経験した後に1.8STIに乗り換えると、加速の”モッサリ感”を覚える事でしょう。

しかし、加速性能は決して悪いわけではなく、スムーズな加速特性は、むしろ扱いやすいです。

また、モードセレクトでSports/Sports+を選択することで、2.4STIほどではないにしろダイレクト感のある乗り味を楽しむ事もできます。

なによりレギュラー仕様で経済的なのが利点です。

どちらのグレードも完成度が高いクルマである以上、最終的な決めてはランニングコストになる事でしょう。

ですが、2.4STIの持つトルクフルな加速フィールは、何気ない運転を喜びに変えると言っても過言ではない。とてつもない魅力を持っています。

レヴォーグに興味のある方は必ず体験してみてください!

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