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[ホンダ・シビック]欧州車にも負けず劣らずな、上質さを手に入れたスポーツハッチバックが完成

9月に発売となり、好調なセールスを記録しているホンダ・シビック。メーカー予想に対して、3倍の月受注(約3000台)を記録し、購入層の約23%が20代であるというのも、注目すべきトピックと言えるだろう。

老若男女から高い支持を受け、幸先良い幕開けとなった11代目シビック。果たして、その魅力とは何なのだろう⁇

上位グレード・EX(CVT)の試乗レポートをお届けする。

試乗協力点

ホンダカーズ栃木中央鹿沼インター店

画像引用元:本田技研工業株式会社

◾️まさに「爽快」という表現が似合う、気持ち良い乗り味

国産Cセグメントの中でも、高い存在感を放つホンダ・シビック。

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低いフロアとホールド性の良いシートが備わる運転席に座り込むと、さながらコックピットの様なドライバーズポジションとなるのが、スポーティーさをより際立たせている。

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低いフロアは低重心化にも繋がる

そしていざ走り出すと、上質且つナチュラルな乗り味に、自然と爽快さ=走りの気持ち良さを実感できる仕上がりに驚かされた。

その理由は、プラットフォームとエンジンが織りなすトータルバランスの良さが、ストレスフリーと表現したくなる走りを実現しているからだ。

特に今回のプラットフォームの完成度は、凄い!サスペンションの味付けは"固すぎず・柔らかすぎず"の絶妙なラインを捉えており、街中に存在する路面段差のショックをしなやかにいなし、どこまでもフラット感が続いていく。

そのシルキーさに、高飛車な表現にはなってしまうが「まるで、高級車に乗っているのか」と錯覚してしまうほど、良い意味での違和感を筆者は感じいた。同時に「シビックでここまでやるのかっ!」とも思っていた。

さらにコーナーリングについても、直進時のシルキーさを損なう事なく軽やかな姿勢変化を見せる。EPS制御を改良したステアリングも、クイックへの反応が良い。車外からの無駄な入力がないのでドライバーは不快感に構える事なく、実に自然体の状態で運転できるだろう。

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エンジニアの努力が光る、新規プラットフォーム

そして、搭載されている1.5リッター・直噴ターボエンジン(L15C)も乗り味に欠かせない存在だ。スペック上はごく一般的な数値なのだが。ターボ過給&最大トルクが低〜中回転域に設定されている事により、かなりレスポンスの良い加速を見せる。

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L15C:最大馬力182PS,最大トルク240N・m

特に発進から60km/h(常用域)までの抵抗なくスムーズな加速は、だいぶ好印象だった。さらにCVT車にはドライブモードセレクトも装備されている為、シーンに合わせて特性を選択出来る。とはいえ、一般道においてはノーマルモードでも必要十分な加速性能&アクセルレスポンスの良さは有している。

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シフトレバー下に備えるセレクターにて操作

(ECON・NORMAL・SPORT)

またサウンド&トルクが増すスポーツモードを速度域が上がる環状線区間で試してみたのだが、アクセルをあまり踏み込まなくとも、期待以上の鋭い加速フィールだった。これならば高速道路の合流など、急加速が求められる場面でも余裕のある運転が出来るだろう。

正直、この完成度の高さには舌を巻かれた気分だ。

欧州車に負けず劣らずな、心地よい乗り味。そして、最新の運転支援システム(ホンダセンシング)も搭載されている為、安全性も確保されている。

国産Cセグメントの中でも、一歩先を行く仕上がりとなっていた。

特にこだわりはなく、普段の移動手段として一般車を求めているユーザーには強くオススメ出来る1台と言えるだろう。

◾️洗練されながら個性が散りばめられたデザイン

ロー&ワイドに構えたハッチバックスタイルのボディが、スポーティーさを醸し出すエクステリア。先代モデルに比べスムージングがかかった事で、よりスタイリッシュなデザインへと進化したのが新型の特徴とも言える。男女問わず受け入れやすいスポーティースタイルと筆者は一目見た時に感じた。

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また試乗車同様、オプションのエアロパッケージを装着する事で、よりスポーティーさを際立たせる事が可能だ。

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各スポイラー&ウイングが備わるOPパッケージ

そして新型シビックでは内装デザインも一新され、かなり質感の高い車内空間が表現されている。初見の際は、その上質さに驚かされたものだ。

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最近の主流である水平貴重でスッキリとしたインパネ周りは、落ち着き感があって良い。また、ガラス面積を大きく取ることにより、車格にしてはかなり広い視界が展開されているのもプラスポイントだろう。

インテリアの中で斬新さが感じられるのが、エアコンアウトレットのパンチングメタルカバーだ。これはエアコンアウトレット自体を隠すのと同時に、メタルのアクセントを追加する事で質感の向上が図られている。新型車において、独自性の高い新たなギミックを採用してくる点が、ホンダらしいとも言える。

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余談だが、ドリンクホルダーの増設などエアコンアウトレットを使用したアフターパーツの追加が不可能となるのは、一応述べておこう。そもそも、ここまでハイクオリティなデザインとなると、パーツを追加して景観を損ねたくなる気さえ起きなくなる様な仕上がりだった。

◾️車としての完成度は、死角なし。それでも…

インプレの項目にて、我ながらベタ褒めというぐらい上質な乗り味に驚かされた、新型シビック。

"普段の移動手段としての車"を考えた際、ストレスフリーとも思ってしまうぐらい、魅力的な要素が詰まっていた。

では、逆に欠点は何なのだろう。

物理的な欠点を1つ挙げるなら、エンジンがハイオク仕様のみしか存在しない事だろう。環境性能も高く、燃費はカタログ値:16.3km/L(実質は12km/Lと予想)と、純エンジン車且つハイオク仕様でリッター2桁は、悪くないと言える。しかし、車社会の地域で生活している身としては日々のランニングコストを考える上で、目を背けられない項目ではある。

そして、フィーリング面での欠点として、失われたダイレクト感について最後に記述しておこう。

筆者もそうなのだが、車に「走りの楽しさ」を求めるドライバーからしたら、どこか物足りなさを感じてしまったのが正直な感想でもある。

滑らかな足回り、スムーズな加速感、最新の安全装備。どれも確かに"移動手段としての車の価値"を高めるには必要不可欠な要素でもある。

しかし、スポーティーイメージを持っているキャラクター故に。もう少し「車を操っている感覚」を味わえる仕上がりとなっていたら、尚良しだったかなー?と考えてしまった。

とはいえベースとなるエンジン車がここまで完成度が高いと、来年発売予定となるハイブリッド&タイプRも、かなり仕上がりが楽しみだ。

ぜひ、この11代目シビックの完成度の高さを、多くのドライバーに体感してほしい。





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