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「三菱・4WDスポーツ」の新たな系譜となるか?

エクリプスクロス・試乗レポート

走りの良さから、各メディアにて高評価を得ている三菱・エクリプスクロス。

2020年末のマイナーモデルチェンジで追加されたPHEVモデルに試乗。
「三菱・4WDスポーツの再来」と期待される注目の1台。試乗レポートをお送りします。

試乗協力店
東日本三菱自動車販売(株) 宇都宮総合グランド店
https://www.east-mitsubishi-motor-sales.com/tenpo/QE/

■エクリプスクロスとは


パジェロやアウトランダーなど、クロスオーバーSUVを得意とする三菱自動車が、2017年に発売したコンパクト・SUVです。
今回追加となったPHEV(プラグインハイブリッド)は、システム自体はアウトランダーPHEVの物を流用し、基本的にモーター駆動で走ります。

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アウトランダーPHEV(画像引用:三菱自動車(株))


しかしエクリプスクロスではセッティングが異なり、4WDシステム「S-AWC」の乗り味が大幅に進化。
三菱を代表するスポーツカー「ランサーエボリューション」を彷彿とさせる走りのキレ味を有していると言われ。往年の三菱ファンからも期待されている1台です。

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 ランサーエボリューション

(画像引用:三菱自動車(株))

■スタイリッシュ且つ個性的な外観&利便性の良い内装。


・外観レポート
上部にある切れ長のポジションライト、サイドガーニッシュに内蔵されるヘッドライトからなるフロントセクション。大型のグリルながらも、各部の造形によりシャープな印象を受けます。

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外観全体も、クーペSUVにふさわしいスタイリッシュさです。
試乗車の通り、オプションパーツを装着すると、更にスポーティーさが増します。

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・内装レポート
内装はブラック基調にシルバーのアクセントで、シックなイメージ。
インパネ造形自体は、従来の車と変わりはないです。

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しかし、メーター表示が違います。アナログメーター内に、モーター/エンジンの出力を表示する”パワーメーター”を装備しています。表示がデジタルではないのは先進性を感じない分、ドライバーが馴染みやすいと捉えたいところです。

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リアシートもクリアランスはしっかりあります。身長183cmの私がドライビングポジションをとった状態でも、普通に座れます。リクライニング機能もあり、頭上も拳0.7個分の隙間はありました。(正直、これで長距離は厳しいかな?)

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・その他
PHEVの為、電源として活用できます。トランク内に1500Wのジャックがあり、電子レンジやドライヤーが使用可能。エンジンで発電可能な為、非常時やアウトドアにも使えますね。

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■モーターでも、走りの楽しさを実感!


今回の試乗では、S-AWCの走行モード違いで検証を実施。

まずは一番使用頻度が高い”Normal”モード

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(画像引用:三菱自動車(株))


EV走行が主体となる為、走り出し・加速感はスムーズ&静か。流石EVです!
また、ハンドリングも車格にしては軽快です。
これは、駆動用バッテリーをフロア下に配置した事による低重心化が、大きく効いていると思われます。

そして、今回の最大のトピック”TARMACモード”

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(画像引用:三菱自動車(株))


これはPHEVモデルのみに設定され、”1番走りに振った”モードとなります。
TARMACモードにした瞬間、最初に感じるのは”トルク感”の増加です。
EVならではのスムーズな加速に、さらに力強さと鋭さが増したイメージです。
一般道から環状線の合流時には、まるでワープするかの様な。そう錯覚させる程の加速のキレを体感しました。

また、ハンドリングもよりダイレクトになります。
TARMACモードの低速運転時には、若干の”ハンドルの遊び”を感じていたのですが。
面白い事に、速度を上げれば上げるほど安定感&応答性が良くなっていきました。
それも、かなりクイックなステアにも正確に応答してくれる為、ライントレース能力も高いです。


ディーラー担当者さん曰く「モーターと連動したパワステ制御を採用している」為、前述の特性になっているのだと思われます。

以上の実感より、メーカーカタログで「TARMACモード=乾燥ワインディング路向け」と表記するのも納得できました。
勾配路でのスムーズな加速、ダイレクトなトルク感。そして連続コーナーを綺麗に走り抜けれそうなハンドリング。
普段、峠・ワインディングを好む私から見ても、必要な要素が揃っていると感じます。
「峠で走らせてみたいー!!」と終始思っていました。(笑)

気になる点といえば、足回り。いずれも不満とまでは思いませんが。


まず、サスペンション。全体を通してスムーズさはあるものの、段差のいなし方については改善の余地ありと思います。


そして、ブレーキ。PHEVモデルでは、車両重量が1.9トン前後となります。個人の運転の仕方によりフィーリングは変わりますが。

私の感覚では、軽いタッチではなく、早い段階で深くまでブレーキを踏まなければ、狙ったラインで止まれないと思いました。

■三菱のNEWスポーツカー復活に期待


かなり楽しい1台でした!

EVならではのスムーズさに加え、ダイレクトな走りも楽しめる。
まさに「SUVのS(スポーツ)」を強く意識できる車です。


ぜひ三菱は、この車で確立した技術を「スポーツカー」として再現してほしいものです。三菱ファンが求めるのは、そこかなと感じます。

また、EVモデルのインフラ関係については、まだまだ不明点が沢山あると感じています。

実際に私も、今回の試乗担当者さんに詳細をお聞きしましたが、まだ疑問点が残る結果となりました。
この車を気になっている方はインフラ面についても、ディーラーさんと詳細を確認しながら検討する事を強くオススメします。

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