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「個性的な車を探している、あなたへ」並行輸入車という選択肢の提案

並行輸入車という選択

「個性的な車に乗りたい・他の人とカブらない車が欲しい・希少な車を所有したい」などなど。

クルマを検討する際、このように考える人も居るのではないでしょうか?

もちろん、どんな車にも個性はあります。それに芳香剤1つ付けるだけで「あなたらしさ」は追加されます。

しかし今回は「車自体の個性」にフォーカスして、そのような車を探している人・これから探したい人に向けて、「並行輸入車」という選択肢について記事をお届けします。

(表紙画像引用:Response.jp)

■「輸入車」にも種類がある!


言葉通り、外国から輸入して国内で販売されている車が「輸入車」として扱われます。
ですが一口に輸入車と言っても、いくつかの種類に分けられるのをご存じでしょうか?
ここではクルマ選びの一つの知識として、輸入車の種類について触れていきます。

・線引きは”型式”と”販売店”


それぞれのクルマには車名と車両型式が設定されています。
例えば日産・GT-Rだと、型式は「DBA-R35」です。

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型式名のR35と呼ばれる事も多い「日産・GT-R」(画像引用:日産自動車(株))

型式とは、クルマが公道を走る際に必要となる保安基準が満たせていると、"国が認可した車"だと識別する役割があります。

この型式が国に登録されているか・いないかで輸入車の種類は分かれます。


また販売店も、メーカー系ディーラーなのか、輸入車専門の業者なのかも重要です。


この2点を前提に、輸入車の種類は以下に分けられます。

①正規輸入車

・外国メーカーのディーラーで販売されている、もっともポピュラーな輸入車の種類。
・販売車両は、前述した車両型式が日本に登録されている車。
→保安基準や装備が、日本仕様になっている。
・販売ルートとしては、海外メーカーと契約した正規インポーター(輸入元:ほとんどはメーカーの日本法人)を経由し販売されています。
・メリットは”安心”
→正規インポーターは販売+メンテナンスの契約をしている為、部品調達&点検整備を国産車同様にディーラーで受けられる。

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メーカーの日本法人が正規インポーターとなり、国内で販売されている輸入車が多数。

(写真引用:Response.jp)

②並行輸入車

・正規インポーターを頼らず、業者が直接買い付け・販売を行っている車。
→つまり、日本では未発売のモデル・グレードは全て並行輸入車となります。
・前述の"車両型式"が、日本で登録されていない輸入車となります。
→輸入後は保安基準に適合させる整備が必須。→既に国内販売されている車両は、この整備がなされている状態。

③逆輸入車

・並行輸入車の中の1つの種類です。
・日本国内で海外向けに生産され、海外に出荷された後、再び日本に輸入されたモデルとなります。
→MADE IN JAPANでありながら、装備や仕様が外国向けになっている。
・同じ日本メーカーの車なのに、ディーラーで販売されていないモデルの為、基本的には並行輸入業者に頼る事になります。
・メーカー系ディーラーでも整備が受けれるかは、要相談(後述)

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後述するインフィニティ・Q60も日本生産だが、海外出荷後に日本へ輸入される逆輸入車扱い  (画像引用:ベストカーWEB)

ちょっと複雑な輸入車の分類

自動車の各情報サイトでは、主に前述の①~③の用語が出てくると思います。
しかし、この呼び方は法的な呼称ではなく一般的な呼称であるという事も合わせて覚えておきましょう。
(正式呼称や法的用語については、内容が複雑になってしまうので割愛)

今回の記事では「個性的な車選び」をテーマにしている為、②並行輸入車&③逆輸入車について記事をお届けします。


■並行輸入車のメリットと、私的オススメ3車種


さて、ここから記事の本題に触れていきます。


並行輸入車を手に入れるメリットとは?


それは「日本で発売されていない、個性溢れる車に乗れる」だと筆者は考えます。


同じ日本車でも、海外モデルにしかないボディタイプ(クーペ、コンバーチブルなど)や特別装備(外装パーツ)などが存在します。

ライフスタイルに合わせた車や、自分の理想とする仕様を手に入れる事も、場合によっては可能となりますね。

また日本国内であまり走っていないという事で、クルマ好きな方々から注目を集めれるのも1つの要素です。(筆者は正直、注目は受けたくない派ですが。)

さてここで、日本メーカーの並行輸入車・逆輸入車の中で筆者がオススメしたい車をご紹介します。


① トヨタ・カムリTRD

(画像引用:ベストカーWEB)

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日本ではラグジュアリーイメージが強いトヨタ・カムリ。しかし北米ではレースカーのベースに使われるなど、スポーツイメージが強いらしいです。
そして2020年。北米トヨタが発売したモデルがカムリTRDです。
注目なのは外観デザイン。専用のエアロパーツ+程よいローダウンにて、レーシーなスポーツセダンとして仕上げられています。

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また、見た目だけに留まらず。内装に加え、ボディや足回りにも補強が入る事により、かなり走りの面でも楽しい1台に仕上がっていると言われています。

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国内モデルでは減少気味のスポーツセダン市場に、一矢報いる存在と言えますね。

② インフィニティ・Q60(スカイラインクーペ)

(画像引用:ベストカーWEB)

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キムタクさんのCMでもお馴染みとなっている日産・スカイラインの現行モデル。


国内ではセダンのみの販売ですが、北米では日産のアメリカ向けブランド・インフィニティにてクーペモデルも存在します。

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日本発売のスカイライン・セダン


現行のセダンでも、過去モデルに比べてかなりシャープ且つスポーティな造形となった現行スカイライン。

クーペでは2ドアとなる事で、更にスポーティさが際立ちます。また数値的にも、セダンに比べてロー&ワイドとなっています。

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走行性も、パワフルなエンジン+電子制御の足回りを搭載しているので、常用域から高速域まで楽しめそうな1台です。

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また、このQ60も含めたインフィニティの車両は、日産のアフターパーツ販売&レーシングチーム活動で実績がある「インパル」が代理店となり、購入が可能となっています。
他のインフィニティ車両を見てみたい方は、以下のリンク先よりチェックしてみるのもオススメです。

インパルHP

http://www.impul.co.jp/garage/IMPUL_INTERNATIONAL.html

③ スバル・アセント

(画像引用:ベストカーWEB)

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現在、オリジナルラインナップに3列シート車を持たないスバル。
「スバル車が好きだ。でも、ファミリーユースな車は無いのかな?」とお考えの方へ。
実は、あります!それがスバル・アセントです。

パッと見は、フォレスターと瓜二つですが。シート数が増えた事により、アセントの方が一周り大きいです。

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内装については、グレードによって2列目シートがキャプテンシートorベンチシートが選べるなど、ユーティリティ性も高い1台です。

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走りの面でも、スバル・グローバル・プラットフォームの採用+2.4リッター・ターボエンジンの搭載など、サイズ・重量をものともしない動力性能が与えられていると予想されます。

また輸入販売を行っている株式会社ロッキーさんが、アセントの詳しい解説をしてくれています。気になった方はぜひチェックしてみてください。

株式会社ロッキー アセントページ

http://www.rokkey.co.jp/newcar/acar/subaru_ascent/ascent.html

■気になるのは整備性


前項で紹介した車以外にも、スペシャリティ溢れるモデルが多い並行輸入車の世界。


しかし、物事は表裏一体。魅力的な並行輸入車を所有するには、デメリットが伴う可能性も考えられます。


まず、一般的に考えられるであろう内容を書きます。

・ローンや保険の適用に、工夫が必要となるケースがある。
・正規輸入車と、保証の条件が異なる。
→特に並行輸入の中古車だと、保証が無い場合もありえる。
・修理&メンテナンス、部品調達などについて。各ディーラーによって対応可能・不可能が分かれる。→専門のショップなども探さないといけないケースあり。 
・部品調達に手間と時間が掛かる場合あり。
・・・etc


上述の通り、複数の問題が考えられますが。

大事なのは、購入前に販売店などと相談して、1つ1つをクリアにしておく事だと思います。

そして、メンテナンス関係について。

せっかく手に入れた車なのに、不調が起きても修理対応してくれる場所が無いなんて、大問題です。

1つの情報として、前項で紹介した車の各種ディーラー・代理店に相談した時の回答を載せます。

某トヨタディーラー(カムリTRD)&某スバルディーラー(アセント)

・対応できる整備なら、引き受ける事は可能。
・パーツの取り寄せも、可能な部品なら対応できるかも。
→しかし、国産車に比べて確実に手間・時間(+お金?)掛かると見込まれる。
・車体コンピューター(CPU)関連については、整備不可能もありえる。
→対応する故障診断機が無い場合あり。

インパル(Q60・スカイラインクーペ)

・整備対応について
→近場なら、インパルに来てもらって対応。
→遠方なら、その地域の提携ディーラーにインパルから整備依頼を出す事も可能。
・仮にディーラーで対応難しいと判断された場合は、インパルから並行輸入車協会所属のショップに連絡してもらえるケースもある。
・CPU関連については、整備難しいケースもありえる。
・各種ショップ間のコネクションなどで対応してもらえる可能性もある。

各社の回答で共通項は以下です。
(1)整備前にディーラーに相談して、対応可能か確認。
(2)CPU関連はブラックボックス(対応厳しいケースあり)

前述の繰り返しなってしまいますが。
やはり購入前に、アフターケアについても販売ショップやメーカー系ディーラーと相談して、少しでもクリアにしておくのが重要と言えますね。

■確かに手は掛かるかも...それでも感じる魅力

魅力的な車が存在する並行輸入車の世界。
クルマ自体の個性が強い分、実際に乗った際には特別な優越感を味わう事が出来るでしょう。それが魅力であり、所有する喜びに繋がると思われます。

そして強い個性の裏では、維持する努力が必要なのも、各種取材を通して確かに感じました。

しかし、手が掛かる子ほど可愛いという様に、クルマにも同じ事が言えると筆者は思っています。

それに、世間一般的に「そんな手間が掛かるクルマに乗るのは、いかにも車好き」という意見も聞きますね。確かに...そうだと思います。

でも、別に車に興味を持たない人でも、選べる権利はありますよね。

車もファッションと一緒で、ファーストコンタクトで「これだっ!」と思ったものを検討してみるのが大事だと、私は思います。「かっこいい」「乗ってみたい」と思った、その直観に従うのもアリと考えています。

そして、購入して維持をしていく1つ1つの過程を通して「車って楽しいじゃん」と思ってくれる人が、一人でも増えてくらたらいいなぁ。と思っています。

余談ですが、この記事を書きながら並行輸入車の魅力に一番触れたのは、私自身かもしれません。


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