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② 出会いからカピバラの沼へ

前回、カピバラに旭山動物園にて出会ったというよりも、チラッと見たお話を書きました。北海道旅行は久々の休暇、都会を忘れて大自然に囲まれて楽しく癒されました。動物園は楽しかったけど旅全体からすれば7.8番手の思い出でした。

それから経過する事、旅の事はすっかり忘れ忙しい日常に戻った9月、旅から約2か月後の我が家。風呂上がりに洗面台の上に置いてあった妻が旭山動物園で購入したカピバラのイラストが入っている緑色の巾着が目に入り「この変な動物って何だっけ?」と妻に聞いたのでした。その時、急にもう一度見てみたい、旭山動物園で見たマイペースで動かない変な顔と胴体の動物はを、しっかりと見てみたい気持ちが、じんわり程度です脳内に染みてきたのです。

妻の購入した巾着

そして、この頃、急に趣味を持ちたいと思う気持ちが強く、北海道で楽しそうにカメラを構える人々を見たのが発端か、そうだ!カメラを買おう!カメラだ!と。私、思い立つと直ぐに行動に移したい将軍で全く下調べもせずヨドバシカメラの店員さんに「安くてよく写る一眼レフカメラをください」とお願いすると、今思えば純粋な店員ではなく、週末によくいるメーカーから派遣された応援店員だったのか、あまり当時メジャーではないオリンパスのE-300というカメラにレンズが2本付いているセットを10万ちょっと薦められて即、購入しました。

E-300 後で気が付いたんだけど、他のカメラと形が違う

気になるカピバラはというと、ネットで調べてみると意外に近い動物園、上野動物園で飼育展示している事が分かりました。次の休みの日、内心は大人の中年男が一人で動物園に行くなんてありなのか?と思いながら新品のカメラを首から掛けてゲートを潜ると、あれ意外とおひとり様がいる事に驚きとほっと安心。目的のカピバラを探すとバクとラマと一緒の展示場にお結びのようなフォルムで動くことなく座っていて、偶に立ち上がったと思ったらフラフラと散歩し置いてある草を食べては、元の位置でぼーと座っている光景に、なんとも魅力的で他の動物にもお客様にも動じないマイペースなヤツ。なんとも羨ましく、なんとも不思議で、あの生活に憧れる反面、あの顔とフォルムは不細工だろぅと思いつつ、愛嬌があるかなと変な魅力に取りつかれた感じで、初めて使うカメラで200枚程撮影して帰宅しました。

さてと、本日の成果は?と撮影したデータをパソコンに取り込み開いてみると、ほぼ全てがピンボケやブレた写真で見れた物じゃなく唖然。写真=簡単かつ、中年男性の趣味が見つからない人の趣味だと思っていただけに、それも出来ない事に呆然。今思えば取扱説明書の導入部分だけ読んで家電気分で撮影に臨んだのがバカな話で、ちゃんと読めばオート設定や撮影対象を決める簡単に撮影するモード設定などあったのに、そのダイヤルさえ知らずに挑んだのだから仕方がないのだけれでも・・・それが逆に、上手く出来ないことが、経験と知識で少しずつ上達していく面白さに、写真を撮る面白さにハマっていく切っ掛けなのです。

上野動物園撮影したブレブレカピバラ

そして、本日のモデルさんのカピバラに関しても知りたい気持ちが少し芽生え、帰宅してネットで検索してみたら既にカピバラに注目してホームページを作られている方が数人いらして、何処にいるのか、ネズミの仲間、草食動物など生態に関しての情報が掲載されており、一行読むごとに興味深く頷くの繰り返し。ただ、その生態情報は頻繁に追加される訳でなく、なぜだか、もっと知りたい他に情報はないのか!という気持ちが強くなり週末に新しい動物園に行ってはカピバラを観察する事はもちろんのこと、看板や解説ポスターから知識を得るのが楽しく行ける範囲のカピバラがいる動物園を訪ね始めました。


この当時、既に私は30代半ば。ネットも成熟しブログという新しい分野が注目され、仕事や情報で分からない事は「ググれ」と人々が当たり前の様に言い使い始めた時代、なんでも情報は簡単に即!手に入る世の中。

それなのに、それなのに、写真撮影はというと簡単に上達せず経験が不可欠、そしてカピバラは新情報を求めて足で稼ぐ、まるで時代に逆行しているかの様な作業と時間に、すごく面白さを感じカピバラと写真撮影の沼に、ずぶずぶと沈んで行くのでした。

※ググれ=Googleで検索すること。