④ 伝えたいカピバラの魅力
カピバラの存在を知った2006年の夏の終わりから、時間が空けばカピバラ中心の生活。子供の頃に動物園に行かなかった反動と、新しい未知の世界を見つけた大人は、多少の小銭と車という移動力を手にしているからタチが悪い、休日がれば日帰りの出来るカピバラのいる動物園に滞在し観察と撮影の日々でした。閉園前には私だけカピバラの前にポツンなんてことも多く、まだまだカピバラの知名度は低く、見て名前が出るお客さんはごく少数、国内で飼育している園館は20代後半だったと記憶しています。
その活動の中で、動物園によってカピバラの飼育や展示の方法が違うことや、動物園全体の雰囲気が各園で異なることが分かってきました。
当時、市原ぞうの国や伊豆バイオパーク(現在のアニマルキングダム)は国内でれあいが出来る6か所内の2つで、初めて触った毛の硬さに感動し、ぞうの国では人生初の餌あげを体験。一つ500円の餌の入ったバケツから野菜ステックを顔の前にそっと差し出すとカピバラ達は無心で食べ続け、もっともっと・・・と今まで見たことのない甘えた顔でオネダリ、あたかも自分がカピバラ達の人気者になった気分になり結局は10回以上も売店に追加を買いに行ったこともありました。上野動物園や東武動物公園は違う種類の動物、バク・ラマやリスザル達と一緒にマイペースに暮らす姿が羨ましく、埼玉県こども動物自然公園では、アットホームに家族で暮らす様子が手の届きそうな距離で観察出来ました。そして最大のインパクトはやっぱり国内で唯一カピバラをお風呂に入れる伊豆シャボテン動物公園、気持ちよさそうな顔でまったりと入浴する姿は見ている私までも不思議と癒してくれて、開催時間中ずーと放飼場の前で観察をしていたものです。
長い時間カピバラの前で過ごす週末は、手にはメモ帳とカメラが必需品。写真の目的は綺麗に撮りたいというよりも見た光景をそのまま残す記録が最大の目的。子供の頃から本を読むのが大の苦手な私ですが、なんとか取扱説明書を半分読んだ結果、私の一眼レフカメラには撮影モードという誰でも上手に撮影出来る機能があり、写真全体にピントが合う風景撮影モードが私のお気に入りでした。この頃は一日に約300枚を撮影、少し気持ちに余裕が出来てカピバラだけを撮影するのではなく、カピバラに関係する全てのものを撮影しました。例えばカピバラが飼育されている施設全体、カピバラの事が解説されている看板や手書きのポスター、時にはオブジェ的なものまであり、魅力的な被写体が動物園には沢山ありましたから写真撮影にも熱がこもり気が付けば閉園時間なんてこともざらでした。
そんな日々が続き2006年の年末。残念ながら年末年始は動物園が休みの園が多かったり、普段よりお客様が多いので、「家にいる正月」にしました。休日にカピバラの前にいない時間は何時ぶりだろうか?と退屈な時間を過ごしている中で、思い付いた事がありました。この4か月で集めたカピバラの生態情報や各動物園の展示方法の違い、そして記録した写真をまとめてネットで公開しようと決心、即!正月明けには自己満足だけの情報基地が完成しました。それが今も続くホームページ「カピバラ大好き」です。このページを作るにあたり自分の中で2つ決めたことがありました。
1. 実名。
2. 批判的な事や悪口は書かない。
実名とはカピバラの名前ではなく私のこと。ネットでは匿名(ハンドルネーム)が当たり前でしたが情報や知識を発信していく上で、発言に対して責任が必要だと思い、発信した情報には逃げも隠れもしませんという意味で実名を使いました。もちろん未知な動物ですから、間違った情報や生態も出てくると思いましたが、その都度修正しアップデートする事が後に良いことだろうと決めました。
もう一つは批判的な事や悪口は書かないこと。動物園に行こうと計画していた人が偶然私の文章を読んで、気分を害したり、来園した時点で色眼鏡で見たりと印象が悪くなるのは避けたい、やっぱり動物園やカピバラは楽しくなくっちゃ!が大前提でした。何より人の感じ方はそれぞれ違い、ネットや雑誌などの紹介は参考程度、自分の目で感じ確かめる事が大事だと常に思っています。
カピバラ大好きホームページ http://capybara.eek.jp/