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夢にまで見た雪の長崎バイオパーク

カピバラを飼育している動物園を巡り早いもので16年、回数で言えば1600回を超えました。自分の人生後半は動物園とカピバラで占められていると断言しても過言ではないのですが、そんなカピバラ通いをしていても、めったに見られない光景があります。それは「雪とカピバラ」。冬の雪が降っている時に動物園に行けば良いのでは?と思われるかもしれませんが、これが結構難しいのです。

雪に慣れている地方の動物園、例えば那須どうぶつ王国やいしかわ動物園などは自分が寒さに耐える服装や装備をして行けば比較的簡単に立ち会えますが、伊豆や長崎などは雪が降るチャンスが少ない動物園は、いざ雪予報が出て現地に向かおうとすると通行止めや最悪は動物園自体が臨時休園なんてことも多々あります。まして長崎バイオパークともなると東京に住んでいる私にとっては天気予報と睨めっこで飛行機や宿の予約をしなくては、なりません。

雪が降るバイオパーク、何時かは白い地面を撮影したい。

実は私、昨年の12月初旬にカピバラが露天風呂を満喫している姿を撮影したく長崎バイオパークに行ったのですが、滞在した全ての日が、ほっかぽかの晴天日和。カピバラ達はお風呂に入らず名物の薪ストーブにも近寄りもせず、偶に食事の時間やお客様が餌を手に持ち近寄ってくると立ち上がる程度で日向で寝ている姿を私もぼけーと見ている日々でした。その時に、「いつが一年で長崎は一番寒いのですか?」と園長さんに質問したところ、「1月の4週目あたりが毎年寒いよね」というお返事。仕事の関係でこの週は16年間で来園したことのない時期、今回はスケジュールを調整して初の試みで予約を入れてみたわけです。

そして、結果は、予想はズバリ的中!的中過ぎた。天気予報よりも地元に住んでいる方の経験は凄いものです。月曜日から金曜日までの4泊5日の滞在で、長崎バイオパークのお天気は、月曜日は晴天、火曜日は極寒・昼から雪、水曜日は豪雪で動物園は残念なことに臨時休園、木曜日は極寒、金曜日も極寒で雪がチラリ。水曜日は豪雪で臨時休園は残念でしたが、その前の日の昼からの雪は道路に積りはじめ交通を麻痺させたぐらい。バイオパークからハウステンボス駅まで送迎バスが出ているのですが通常では約1時間乗車して5時半に駅に到着するのですが、この日の到着は夜の10時になったとか。有料道路の封鎖、事故、積雪が重なり大変だったとのこと。ちなみにですが、日本各県で比較するスタットレスタイヤ・タイヤチェーンの保有率は長崎県はワースト2位とのこと、もちろん1位は沖縄県なんですけどね。

お客様を避けて一瞬のチャンスの撮影、それでもストーブの横に手が入ってしまいました。

さて、カピバラと雪、題名にもある様に夢にまで見た光景に遭遇した訳ですが、私が勝手に想像した風景は雪が深々と降っている放飼場にカピバラの頭に少し雪が積もりちょこんと地蔵様の様に座っている様子を頭に描いていたのですが、実際はストーブの小屋にべったり。お風呂も3頭程度。よく考えれば当たり前、普段もカピバラは雨に当たるのも好まず屋根のある場所や軒先に避難する性格の持ち主、なので寒く冷たい雪は一瞬の食事時間以外は屋根のあるストーブ小屋に避難なわけです。

ここでカピバラやバイオパークに詳しい方なら、寒くてストーブが人気ならば露天風呂も盛況になるのでは?と思うかもしれません。私もチャンス!と思ったのですが、ここで盲点。私もあまりにも寒くてカピバラと一緒にストーブの小屋の椅子に座り、のんびりと体を温めカピバラをなでたりと至福の時間を過ごしたのですが他のお客様も一緒な訳で、ぽかぽかオアシスは一度座ったら離れられない&立ち上がれない魔力。カピバラとストーブの火を囲み会話やスマホを楽しむ姿はキャンプで焚火をしているかの様で、長いお客様だと3時間も微動だにしない方もいらっしゃる程、カピバラにもお客様にも寒い日には最高な施設「ストーブ小屋」なんだと実感しました。

お風呂は人気薄、ストーブのぼかぼかとお客様からの餌には勝てませんね。

その反面、ストーブ小屋はお客様とカピバラが満員御礼、お風呂は入浴してくれるカピバラは少なく撮影は少し残念な結果となりましたが、思った通りに行かないのがカピバラと写真の楽しさでもあり難しさでもあります(笑)。

長崎バイオパーク https://www.biopark.co.jp/