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かぴばら書店 店主の奮闘日記(2024年6月25日)

さて、今回は久しぶりの更新になります。

今日はいつもおなじみのお客様がいらっしゃいました。
だいたい、1,2か月に1回のペースでコンスタントにご来店くださるお客様なんですが、お会いするたびに人生のステージがいろいろと変化されていて、そんなお話を聞くのもお店をやっている一つの楽しみです。
今日もお客様に合った選書を、ということで本を選ばせていただきました。


いつもどんな観点で本を選んでいるのかについて今回は書きたいと思います。
かぴばら書店を始めた当初は、お客様についていろいろと質問をしたりして、なるべく深くお客様のことを聞いて理解をしようという思いが先走りすぎていました。

その結果として、たくさんお客様に質問して理解をした上で、本をお薦めしていたのですが、それだといかにもお客様が選びそうな本をお薦めしてしまうということに気づきました。

普段どんな本を読んでいますか?趣味は何ですか?何が好きですか?など根掘り葉掘り聞けば、大体そのお客様の趣味に合ったものが出てくるわけなんですけれども、せっかくお店にご来店くださってるからには、自分ではなかなか選ばないような本をお薦めした方が面白いんじゃないかと思ったわけです。

むしろ最近は、何かのヒアリングめいた質問よりも、雑談のような会話をすることで、こちらもインスピレーションやその場の発想などで思いついた本をお薦めするようになりました。

もちろん全く当てずっぽうでお客様にとって面白くなさそうな本をお薦めしてはよくないですので、多少の質問はするんですけれども、ある程度こちらの思いつきといった要素を加えることによって、偶然の本との出会いを楽しんでいただけたらと、そんな気持ちでやっております。

そんなふうに本を選ぶスタンスを替えてみると、お客様の方から「これは自分では絶対選ばないですね」みたいなコメントをいただけることが増えてきました。
そうした方が、得てしてお客様にとって大きな気づきなったりということもあるので、この「対話を通じた選書サービス」の面白さを感じたりもします。

お客様によっては本の感想をご来店のたびに話してくださる方もいらっしゃるのですが、むしろ本の話は脇に置いといて、雑談がメインになるお客様もいらっしゃいました。
そこは割と「人に応じた接客を」ということで、なるべく目の前のお客様に合ったスタイルで選書をするように心がけています。

「お客様に合わせた選書」は、サービスとしての義務感というよりはむしろな店主としての自分を楽しんでいるところがあって、お客様とのちょっとした会話の中から、こちらも人生が変わる大事なヒントをときにもらえたりもするのが、この商売の面白いところです。

……ということで今日は選書についてちょっと書いてみました。

皆さんも、「自分ではいかにも読まなさそうな本を他人からお薦めされたい」という気持ちがわいてきたら、ぜひ「人生のヒントが見つかるかぴばら書店」へお越しください。

素敵な読書ライフが深まりますように。
かぴばら書店 店主 高橋浩一


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