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20.がんでお悩みの方へ綴る《自然療法4:好転反応-後編》

さて、好転反応という表現は現代医療では使いません。自然療法の領域で使われる魔法の言葉です。先のブログで病状が明らかに悪化しているのに好転反応で押し切られた方を複数知っていると書きました。その中には悲惨な状態まで実質的に放置された方もおり、自分の施術を肯定するために好転反応という言葉で押し通したとしか思えませんでした。その言葉に乗せられてしまう理由は、魔法の言葉だからです。その人が信じる分だけ、強く大きく魔法にかかります。

現代医学以外で病気をよくしたいという気持ちが強いほど、この魔法の言葉にのめり込んでしまいがちです。だって、良くなりたいから。

なぜ好転という判断が下されたのかをある程度は説明できることが施術者の責任であると思います。ちゃんとした施術者であれば、あるいは自分の判断に少しでも揺らぎがあれば、医療機関の受診を勧めるはずです。何が起こっても好転反応だと答え続ける施術者とは一旦距離を置いた方が良かろうと思います。

属に言う「好転反応」は、前回の風邪症状の説明と同じように、体が治るための過程で起こる際の様々な症状のことです。マッサージを受けた後に全身が怠くなって動きたくなくなる事をよく経験しますが、これは好転反応と判断しても良いでしょう。その後に体調が良いと感じるからです。

翌日に痛みを伴う揉み返しがでたら「下手くそなんだ」と腕利きのマッサージ師さんが教えてくれました。揉まれてみて、それは同感です。力の加減が「強い・弱い」ではなく、筋肉を「破壊するか・ほぐすか」の違いです。揉み返しを好転反応とおっしゃる方もおられましたね。その点、皮膚を引っ張る整膚[せいふ]という施術は経絡の刺激と皮膚皮下+筋肉の血流循環改善にて病状が悪化することはないですね。

断食の時に出てくる宿便も好転反応と言えます。日本の現代医学的に宿便は存在しませんが、断食後に炭のカスのようなヘラヘラした物体を見た人も多いのでは? これは断食により生命の危機を感じた体が不要物を絞り出して腸から廃棄した毒素的な物体であると思われます。なぜ現代医学的には宿便がないかというと、医学には入院させて断食をさせる治療法が無いので、宿便が出る状況を医者は見ることがないからです。当然、医学書にも記載はございません。

単に見る機会を得られないだけで、医者はエビデンスが無いと言うのです。ミミズを見たことの無い人は「ミミズはいない!」と言うのと同じ程度の話です。私は不本意ながら他人の宿便というものを何人かから見ました(頼んでいなくても写真を見せてくれる)。やっぱりありますね、宿便。みんな同じ感じだから。再現性があったら、それは科学です。誰か成分分析をしてほしいものです。

ホメオパシーでも好転反応と言える症状が出ることがありますけれど、「好転反応」という四文字で一括りにするのには無理があるなと感じています。ホメオパシーとは、その方の治癒力が揺さぶられ、良くなろうとする動きしかないからです。故に、その方に近いレメディであればあるほどに、何も起こらないはずがないからです。何かが起こっても気づくか気づかないかということもございます。逆に、近いけれど少し遠いレメディの場合は余計な反応を見せることがあります。けっこう判断は難しいものです。
レメディを摂った後に何かを感じたり、逆に何も感じない人もおりますが、本人が感じないだけでホメオパスが見れば充分に変化していることも多々ございます。その為のやり取りが色々と必要になります。
 *私はいわゆるクラシカルホメオパシーの使い手です。その人に合った一粒を見つけることに全精力を傾けます。

ともかく好転反応は止まっていたものが動き出すというか、体が元の健康を目指し始めたときに起こる何らかの反応ですので、程度の問題は当事者がどう思うかありますし、病状によりましては医学的に確認しないと判断できない場合もあります。

まあ、先ずは良い方向に向かっているのかは施術者に相談をされた方がいいです。でも、皮膚に症状が出ると不安になります。見た目に自分でも分かっちゃうし、痒かったりすると悪化したと思っちゃいますものね。都度、相談されることがいいでしょう。

人は目先の分かりやすさを求める性癖があると思っておりまして、何かと分けがちになります。で、現代医療と自然療法を敢えて分ける必要はないのです。それぞれに得手不得手がありますので。ただ、双方の領域を総合的に判断できる方がなかなかいらっしゃらない問題がありますわね。。。世の中にはあちこちにおられます。その中でも私は珍しい存在だと言われますが、何がどう珍しいのかは分からないですけど。。

あっ、そうそう。好転反応は出なければならないと思っている施術者や受け手もいたりします。何らかの反応が出たとしても、許容できる範囲なのかどうかは1つの目安にはなります。好転反応という言葉に踊らされることなく、状態が良い方向に向かっているのか、その逆なのかは体調の変化である程度は分かるかなあと思っています。

繰り返しにはなりますけれど、大切なことですのでしつこく。

それなりに大きな病気、重たい病気をお持ちの方は色々やられてはいるでしょうが、好転反応であるか判断がつかない場合や、明らかに体調が悪い方に向かい続けていると感じた場合は医療機関で病状確認を行った方が良いと思っています。その結果を私らのような双方を知る者の意見を聞くのも一考かと思います。

ネットで好転反応を検索すると色々書いてございます。間違えや勘違いも見つかりますので、あくまで「参考」の域を出ないようにしてください。鵜呑みは禁物です。

つづく。。。

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