マルチリンガルが考える外国語学習のコツ

私は英語圏への留学経験がない純ジャパです。
大学生の頃にアラビア語圏へ1年間留学したことはあるので海外経験がゼロではありません。
英語の保有資格はTOEIC970点・英検1級・通訳案内士です。検定資格はありませんがアラビア語と韓国語も英検2級程度、他にも複数の言語を2~3ヶ月ずつ勉強した経験があります。

留学時代に学んだことはたくさんありますが、
 
「相手の母国語を話せば、相手が喜んでくれる」
 
という気づきを得たことが一番の成果でした。
 
アメリカ・イギリスなどの英語圏の場合、「英語は話せて当然」という雰囲気があります。
英語が全く話せなかった頃にアメリカ旅行でバスに乗ろうとしたときの話です。
どうやって払うのかバスの運転手に聞いたのですが、何と言っているのか全く聞き取れず、教科書で散々勉強した「Pardon?」を使うものの、結局聞き取れず、舌打ちをされながら、「お金はいらないから早く乗れ」的な身振りをされるという苦い経験をしました。
 
非英語圏に留学した際、私は英検3級程度のアラビア語しか話せませんでした。
しかし、大学でも、バスでも、アラビア語を話すときは相手が聞く耳を持ってくれ、こちらが言わんとすることを理解しようとしてくれたことを今でも覚えています。
 
アラビア語も英検2級程度の実力がつくと、大学の図書館で隣になった人やスーパーのおばさんから「え、あなたアラビア語できるの!?」という反応をもらえるようになりました。
それまでは、参考書を買い漁って「検定試験に合格するため」の勉強をしていました。しかし、英語よりレベルの低いアラビア語でも相手と楽しくコミュニケーションできた!という経験をしてからは、純粋に「もっと話せるようになりたい」という気持ちが芽生え、検定試験の勉強はやめました。

※検定資格はモチベーションの維持・実力の見える化などベンチマークとしては極めて有用なので否定はしていません。ただしテクニックで乗り越えられる部分も多く、TOIEC900点・英検1級だから英語を流暢に話せるというわけではないと考えています。

検定試験のための勉強をやめた後、アラビア語のレッスンはもちろん、友人と話すときでも「これはアラビア語でなんといいますか?」「英語の●●はアラビア語では何といいますか?」というフレーズをたくさん使うようになりました。
 
「英語が話せるようになったと実感するのは、英語で夢を見るようになったとき」という言葉がありますが、私は同意します。
それまではアラビア語を話すとき、まずは日本語で言いたいことを考えて、それを頭の中で翻訳してから発言するというプロセスをたどっていました。しかし留学の終盤「日本語を介さなくても、言いたいことがアラビア語のまま浮かぶ」という感覚を覚えました。
 
このとき、今まではリーディング・リスニングの「インプット」に重きを置きすぎて、スピーキング・ライティングの「アウトプット」の学習がおろそか、アラビア語をアラビア語のまま理解するというレベルに達していなかったことに気づきました。
 
以降、外国語を話すようになるためのコツは、「これ外国語でなんというのだろう?」を繰り返すこと、と確信しました。
 
このほか、マルチリンガルの端くれだからこそ気づいたこともあるので、英語のプロとは少し異なった観点で今後、学習のコツを発信したいと考えています!

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