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君津市坂畑の林道・古道 Part1 林道編

君津市最奥の駅である上総亀山駅から比較的お手軽に歩いていける林道がありますが、この辺は古道や廃林道が交差していて面白いです。


林道入口

上総亀山駅から徒歩10分弱亀山湖畔にある坂畑集落の中心地。ここには旧小学校や郵便局があります。今回探索する林道の入り口には比較的立派な山神社があります。個人的にとても好きな神社ですが今回は省略。

なお、この林道には名前がついていません。この奥には人が暮らしているので、命名規則上生活道路としての側面が優っているのかもしれません。

山神社

山神社を横目に進むと耕作放棄地に小さな畑が点在するエリアがあり、さらに進むと杉林に突入します。人のいない杉林で周囲に野良仕事をする人もいないため、鳥の囀りが少ない冬はとても静かです。

杉林
看板は市が設置したヤマビル注意喚起のもの

1号隧道

杉林を進むとすぐに現れる一つ目の素掘りトンネル。100m以上あります。
※1号から6号まで出てきますが実際の名称はわかりません。便宜的にこう呼んでいます。

落石注意看板
長いトンネルに天井に打ちつけた杭に電線がぶら下がっています

2号隧道

抜けると間髪入れずに現れる二つ目の素掘り。こちらは短め。

二つ目の素掘り
短いといってもそれなりの長さ
そして電線がぶら下がっています

基本的に尾根筋にあった古道を踏襲しつつ、法面を補強して車が通れるようにした林道が延々続きます。

尾根道

最初の分岐。下では鶏が飼育されているそうで注意喚起看板がありました。

旅人は左側が正解
おそらくハンターのお供の猟犬に襲われたものと推測します。

あとはしばらく道なり。途中、舗装路が整備される前から使われていた古道が残されています。これは別記事で触れます。

古道から林道を見下ろす

道中、謎の穴がいくつかあります。ほとんどは崩落していますが、これはいかにも何かありそうなものでした。
黒っぽく変色しているのは煤でしょうか。炭窯として使われていたのかもしれません。

壁面に空いた横穴
ツルハシ痕が残る壁面は天井を中心に剥離していますが、煤が付着した当時の壁面が残されています

3号隧道

三つ目の素掘りトンネルもすぐ辿り着けます。開口部が崩落したのかやや不恰好なシルエット。壁面には無数の落書きがありました。
君津市の岩質はほとんどが目の粗い砂岩で、このような穴を掘るのに極めて適しています。この落書きも近くで拾った木の棒で削ったのかもしれません。

開口部
落書き
榎本さんと美香さんがいます

ちなみに、この山は車で入れて人気も少ないということで格好の不法投棄スポットになっています。おまけに道路は尾根筋に通っているため、いくら捨ててもゴミは谷底に落ちていきます。さながらゴミ箱の様相ですが、咎める人もいないので捨て放題になっていました。

ブラウン管テレビ

4号隧道

4つ目の素掘りトンネル。意図的に天井を高くした形状になっているのが他にないかもしれません。

開口部
内部
真ん中でUターン

5号隧道と十字路

4号を抜けると十字路に出ます。林道としては真っ直ぐ走ればよく、原山松本家旧宅地跡まで行くことができます。
左側は現役の民家があるようで今も往来があります。ポツンと一軒家でも紹介されたそうです。道中の電線はこのお宅に電源を引き込むものだったんですね。

十字路
この看板で怯むわけにはいきません
おそらく1号隧道より長い
地質の関係で、地面から膝下よりちょっと高いくらいの高さだけ崩落している

トンネルを抜けると旧な下り坂となります。道中には湧水。

谷底へ流れる水源

6号隧道

車で行ける範囲にある最後のトンネル。縦長です。

縦長トンネル

行き止まり…?

5・6号隧道と急激に坂を下っていくとやがて行き止まりにたどり着きます。
通り抜けができない方は民家へ繋がっているので入ってもしょうがないとして、右側の意味深なバリケードが気になります。
全面通行止めと書いてある割には人1人通れる謎のスペースが開いていました。

左は民家
全面通行止め…?
周り込もうとする探索者との格闘の跡

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行った日 : 2022/12/03

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