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コアラの飼育のはなし

オーストラリアを象徴する動物でありそのかわいらしいビジュアルで動物園などで大人気の「コアラ」の飼育についてお話します。

キュランダ・レインフォレステーションや同じグループのケアンズシティのドームなど私たちが運営する動物施設ではコアラを飼育していますが、コアラの飼育について細かく規定しています。今回はその規定の一部をご紹介します。

好き嫌いが多い

コアラの餌はユーカリ。これは広く知られていますがコアラは毎日400g〜1000g、体重の約10%に当たる分量のユーカリを食べます。
あまり知られていない事実としてユーカリには約800の種類が存在しています。そのうちコアラが食したことが記録としてあるものが約70種類。
ただそのユーカリ全てをコアラがもれなく食べる・・・訳ではないのです。そして困ったことに個体ごとに好みのユーカリの種類があります。つまり、、

コアラの
はなちゃんはユーカリAとBしか食べない。たまーにEを食べる。
さくらちゃんはユーカリBとCしか食べない。
さとしくんはユーカリDとEしか食べない。ただFはその間につまみとして食べる。

というようにコンスタントに食べる種類とたまにつまみたいものなどが個体によって異なり、何種類ものユーカリを用意する必要があるのです。
この愛らしい美食家?(毒性のある葉を食べているところもその要素がありますね笑)の彼らの胃袋を満たすのは至難の業なのです。

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大好きなユーカリに埋もれる幸せ

ユーカリの保存

その保存もまたひと手間かかります。ユーカリは新鮮なものを用意しており、保存期間は最大1週間。しかし通常は2,3日を基準に常に新しいものと入れ替えています。スプリンクラー完備の屋内倉庫あるいは冷蔵庫に保管し
葉がみずみずしい状態を維持しています。

専用のユーカリ畑

レインフォレステーションには現在16頭のコアラが暮らしているのですが、食事のために年間500-1000本のユーカリの木が必要になります。その確保のため、レインフォレステーションでは専用のユーカリ畑を保有しています。ユーカリの木はコアラたちが食べる前に植樹してから約5年は育てなくてはならないので、コアラの赤ちゃんが生まれるなど頭数の変化も想定しながら畑の管理を行います。

検診

やせすぎ、太り過ぎが無いよう、毎週体重を測り体を触って肉のつき具合などを飼育スタッフが確認します。また半年に一度獣医の検診があります。

飼育舎のデザイン

飼育舎についても例外ではありません。
雨風から守られていることはもちろん、日差しの強いケアンズでは十分な日陰があることなども重要なポイントです。また、コアラ1頭につき1株のとまり木があるようにする規定もされています。(それなのにみんな同じ木で寝てたりしますが笑) 

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快適なポジションでスヤスヤと眠る

ぜひ会いに来てね!

飼育スタッフが愛情が伝わりましたか? ぜひコアラたちに会いにケアンズへお越しください。

CaPTAグループでコアラに会える施設

ケアンズワイルドライフドーム ケアンズシティ(カジノの上)

レインフォレステーション キュランダ

ワイルドライフ・ハビタット ポートダグラス

新型コロナウイルスの影響で2020年10月現在日本からオーストラリアへ観光にお越しいただくことは難しい状況ですが、落ち着いたらコアラに癒されにケアンズでお待ちしています。

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