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IMJものがたり38 「オーシャンズ11」と「ミックスサラダからミックスジュースへ」

 ロイヤルクライアントの顧客満足度をさらに上げるために、グループ横断でクロスセルの動きを推進していった。

 ウェブインテグレーションのお客様にモバイルグループが追加提案に行く。その逆も然り。
 IMJグループが、ウェブもモバイルもセットトップボックスもワンストップでトータルソリューションを提供すれば、必然的にIMJにとって顧客売上がアップする。

 こうしたクロスセルの中から、新しいロイヤルクライアント候補が出現するなど、良い兆しも芽生えてきた。

この動きを加速するために、4つの人事戦略を走らせる。

 ひとつめは、カンパニー制のリニュアル。
 それぞれが大きくなりすぎた4つのカンパニーを11ユニットに分けて、担当執行役員を七人増員・抜擢し、現場まできめ細かく目が届く体制に変更。

 グループ総会のプレゼンテーションでは、この11ユニットを「オーシャンズ11」と命名(笑)。
 この体制変更には、対外コミットした数字に対する責任をより明確にする意図もあった。

 同時に、IMJネットワーク(システム開発)と演劇ぶっく社(後に、『カメラを止めるな』を大ヒットさせた会社)、BBB(IMJものがたり27に書いたネットフリックスを目指した動画配信アグリゲーター)の株式を売却。

 グループシナジーが薄くなってきていたり、他社にマネジメントしてもらった方が成長できるという判断だった。

 2つめはシャッフル人事。
 「文化とナレッジは人が運んでくる」を体現するために、ウェブとモバイルの担当役員をスイッチしたり、ウェブのエースプロデューサーをモバイル事業に出向させたり、CCCコミュニケーションズの1ユニットをIMJの広告事業部に組織ごと移管したりした。

 共有イメージは「ミックスサラダからミックスジュースへ」。
 個々の野菜がボウルに個体として入っているのではなく、混ざり合い、溶け合ってもっと新しく美味しい価値を提供する組織になろうと呼びかけた。


 3つめは、特殊ミッションチームの編成である。
 女性ユーザーを多く抱える顧客に、女性ならではの視点でソリューションを提供する女性だけの組織FEEDを新設。

 リーダーに、このFEEDを着想した生え抜き・2度の出産・育休・子育ても経験しながら仕事を続けてくれるという「新しいライフスタイル」のモデルになるような若井美穂さんが就く。

 また、コカ・コーラ社のネットマーケィングを専門に手がける久田チームの設置も、その後業績的にIMJを支えていく存在になるだけでなく、久田くん自身がIMJを背負う経営者に成長していく。

 動画配信ソリューション国内最高峰とも言われた職人の集まり・福崎チームは、IMJグループナンバー1の「一人あたり売上&利益」を計上する生産性の高いユニットになり、後に事業部から一事業会社に昇格していく。

 さらに、これまた後にIMJの屋台骨となるMTL(マーケィング・テクノロジー・ラボ)も、(6代目?)経営者となった加藤圭介くんの提案で設置した。

 こうして振り返ってみると、この時に新設設置した「エッジの効いた特殊ミッションチーム」が治外法権的に自由に動き回り、次のIMJの成長エンジンになっていったのがよくわかる。

 現場に近いところ、お客様に近いところに、権限を与え、管理しすぎず、思い切って自由にやってもらうのが、やはりIMJには合っているのだと思う。

 この13期は決算期を9月から3月に変更するため、半期(6ヶ月)決算という変則期だったが、結果的に半期決算としては過去最高の業績を叩き出した。

 痛い一年を乗り越え、事業の再整備ができ、新しい息吹も感じはじめたこの後、ライブドア事件が起こり、リーマンショックを迎えることになる。


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楽しんでもらえる、ちょっとした生きるヒントになる、新しいスタイルを試してみる、そんな記事をこれからも書いていきたいと思っています。景色を楽しみながら歩くサポーターだい募集です!よろしくお願いします!

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リクルート、福岡ドーム、メディアファクトリーを経て、映画プロデューサー、ベンチャー経営者、政治家、作家に。

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IMJの社長に就任したのが21年前、退任したのも11年前になるので、その記憶がまだあるうちに、その時考えていたことをまとめておこうと思う。 元メンバーにとっては懐かしい思い出話、現役組には社史の一コマ、ベンチャー企業家にとっては少しは経営のヒントになることがあるかもしれない。

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