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IMJものがたり42 CCC取締役就任・社外取締役の役割は?


 蔦屋書店やTポイントを経営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CC C)の社外取締役に就任したのは2005年。

 TSUTAYAのオンラインビジネスを強化するために、よりIMJとの連携を深めて行くという増田宗昭社長の考えだったと思う。

 何より私が嬉しかったのは、時には大株主として、時にはIM Jの社外取締役として私の経営ぶりを見た上で、CCCの取締役に選任してくれたことである。

 
 東証一部上場、年商3000億円超、社員数3000人超、店舗の従業員を含めると1万人以上はいたと思われる企業のコックピットの景色は、ITベンチャー経営で見ている景色とまるで違うものだった。

 
 予実管理の方法や起案から決済に行くまでの流れ、そこで交わされる情報の質、毎回の取締役会はメモの宝庫で、持ち帰ってはI MJの経営に活かしていた。


 この時、CCCの経営体勢は既に社外取締役が過半数を占めるオープン・フラットなガバナンスになっていた。
 私と同じ社外取締役として席についていたのは、角川書店の角川歴彦会長、楽天の三木谷浩史社長、ザ・アールの奥谷麗子社長、MKSパートナーズの松木伸男代表など、錚々たる顔ぶれ。


 稀代の企画マンでもある増田宗昭さんのパワポによるプレゼンテーション(見られたことがある方はわかると思うが、本当に美しいプレゼン資料であり、かつワクワクします)にも、忖度なくダメ出ししてボツ案になることもあった。

 この時に教えてもらった社外取締役の役割は、「オプションを出すこと」と「O Bを回避する」こと。


 「オプションを出す」とは、執行部の起案に対して、社外取締役それぞれの知見と視点で、「こういう情報もある」「こういうやり方もできる」と選択肢を広げることだ。
 同じ企業、同じ仕事、同じ風土で仕事をしていると思考回路も似てくるので、立ち位置や環境・バックボーンが違う人が新たな視点を持ち込むことは経営の意思決定の質を上げる上でとても重要だ。

 もうひとつは、「(ゴルフでいう)O Bを回避する」。

 大株主であり創業経営者の意見は絶対になりがち。常勤取締役や社員が言っても跳ね返されるし、聞いてもらえないこともある。

 しかし、オーナー経営者が時に暴走すると経営を揺るがす失敗をする。それを止めるのが社外取締役の大事な役割でもある。
 そういう意味では、増田宗昭社長を遠慮なく止めることができる社外取締役が選任され、しかも取締役会の過半数いる体制は、安全装置が機能するガバナンスだったと思う。

 その後、CCCとTBSがTBSドラマなどのコンテンツを発売・販売するDV Dメーカー「TCエンタテインメント」
https://www.tc-ent.co.jp/company/
をジョインとベンチャーで立ち上げる。

「樫野、エンタメとか映画とか強いから、その会社の取締役もやってくれ」
と増田さんに言われ、毎月の赤坂通いもスタート。

 最初の頃の作品「花より男子」のDV D ボックスは定価25000円くらいで発注が10万を超えていたと記憶しているので、一作品で約25億円もの売上。
 大ヒットテレビドラマの凄まじさを感じたものだ。

 実は、この時IM Jエンタテインメントは「のだめカンタービレ」のドラマ制作の準備に入っていたのだが、とある事情で制作できなくなり、「花より男子」が疾風のごとく駆け抜けて行くことになる。
 

 あの時、あれがこうなっていれば、あの作品はこうなっていたかも・・・
 そんな複雑な気持ちで、「花より男子」の爆売れを取締役として見ていた(笑)。


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リクルート、福岡ドーム、メディアファクトリーを経て、映画プロデューサー、ベンチャー経営者、政治家、作家に。