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日本社会を自律神経からマーケティング①〜身の丈ビジネスの着想点

あの3月11日の翌朝、私は道端の縁石に腰掛けてぼんやり街を眺めていました。
「もうこの間までの世界は戻ってこないんだなぁ。」
そんなことを頭の中でつぶやいていた。極度の緊張感と高揚感の後の安堵感の中にあったのだと思います。
私には3月12日という日も特別な日です。あの日のことを思い出せたから、その後に続く社会の流れが理解できるようになってきたのです。

その時、僕はある居酒屋の店長をやっていた。3月11日14:46、一人の外国人スタッフは自分の店で仕込みをし、もう一人の女性スタッフは他店の応援に出ており、僕も自身の店のある街から二駅の場所にいたりと全員バラバラでした。
発災後、一人で仕込みをしている外国人スタッフが心配で必死に歩きました。応援に出していたスタッフには現場の店長を信じて「むやみに動くな」と伝えるために必死にSNSで発信しながら。一瞬一瞬の状況を読み、判断するのは職務上慣れていたけど、その時のプレッシャーは相当なものだったことを今でも覚えています。

緊張の後には弛緩が起きる。まるで人間の体が自律的に交感神経の活性化から副交感神経の働きへと移っていくように。これは一個人に起きる理りだけではなく、社会の移ろいにも同様の作用が働いていると言えるのではないでしょうか。
翻って近年の様々な極端な事象、事件はこの社会の自律神経とも言うべきバランス調整機能が失調してしまったのが原因なのではないでしょうか。貧富の格差、情報の格差、思考力の格差、どんどん極端になっていく。そして価値観の単一化と同調圧力。この社会の未来はどうなっていくのでしょうか。
このシリーズでは、50歳になり「身の丈ビジネス倶楽部」を稼働させるにあたり、その起源となる自分の考えを書き残していこうと思います。

〜人間が自律神経によって健康な状態を保つシステムを持っているように、その人間が構成する社会活動にも自律神経のような作用が働いている。そんな見方をしてみたら、様々な出来事をより客観的に見られるかもしれない。
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