物流はいつから始まった? 〜前編〜
このテーマに興味がある人、世の中におるんかい!
とは書きながら思ったものの、調べていくと実は結構奥深いことに気づいて取り上げてみることに。
普段の生活ではまず浮かばないこんな疑問がふと気になったのは、自分が会社を作って物流とがっぷり四つに組んで向き合うようになってからだ。人に物流のことを説明する機会が多くなるにつれてその起源についても自然と気になるようになったという感じかなぁ。自分自身も企業の物流部門やコンサルティングファームで物流領域の支援をしていた時にはあまり疑問に思わなかった。当たり前過ぎて疑問に思わないですよね?
でもそういえばいつから物流ってあるのだろう。
色々と調べては見たのだけど、結論から言ってしまえば、その発祥時期は不明。
なんやそれ。
と思ったものの、でも考えてみたらそりゃそうだと納得。物流って人間の根源的な営みと切っても切れないものだから発祥はと言われてもそりゃ人類誕生の頃なんじゃない?むしろ動物でも昆虫でも物流してんじゃない?多分、という結末に行き着くよなと。
じゃあいつなのか。
遡りまくると、人の物流の歴史はやっぱり人類の起源にまで行き着いた。
初めて二足歩行をした一つの説にプレゼント仮説がある。オスがメスの気を引くために両手におそらく巣の材料となるような木の枝や木の実といったものを抱えてきた粋なやつが現れた。そしてそいつがとにかくモテた。結果そいつが子孫を多く残すことに成功し、二足歩行遺伝子がより濃く受け継がれていったという説。
出典:日本モンキーセンター
運んでる運んでる。物流してますよ。
そして物流できるやつはモテたという圧倒的事実。
なんて素晴らしい世界だったんだ。そう言われて見ればこのチンパンジーもえらく男前に見えてくるじゃないか。ネギとりんごらしきものを運んできてやがる。なんて粋なんだ。そして口にくわえているのは何だ?厚揚げか?だとしたら粋に拍車がかかる。
類人猿が物流していた事実は分かった。では人間が物流していた記述はどこからでてくるのだろうか。
紀元前700年頃のローマ史を読んでみると、塩を運んだ、とか牛に荷をひかせた、とか記述があるし、これは間違いなく物流してたことが読み取れる。おそらく古代ギリシアでも当然のように物を運んでいたので紀元前2000年から、つまりその歴史は4000年以上になるということ。すんごいな。
そして4000年の間に物流は進化を遂げていく。
より多く運びたい、短時間で運びたい、楽に運びたい、、そりゃ自然な流れだ。
そしてその進化を促進したのは歴史的に常に戦争であった。
どういうことかと言うと、つまり、必要なものを必要な時に必要なだけ必要な場所に送り届けるための技術、これが発達するのだ。最前線の兵士に必要な食料・武器・医薬品を届けなければならない。それも正確な時間に必要な数だけをロスなく届ける。そのニーズが物流を進化させた。
こうなってくると、ここからあそこに、量も時間も関係なく取り敢えず持っていく”物流”とは明らかに異なる活動となる。そもそも運搬する距離が大幅に伸び、かつ自分では行くことができず第三者にお願いするする、という概念も含んでくるわけだ。
これらをロジスティクス、日本語では兵站(へいたん)と呼ぶ。
物流にマネジメントの概念を加えた活動に進化した瞬間だ。
つまり、物流は我らが人類の祖先も行っていたが、ロジスティクスとなるとこれはおそらくどこかのタイミングで明確に歴史があるはずなのだ。
一体どこなんだ。
そこでロジスティクスの語源を調べてみた。
ギリシャ・ラテン語系の計算や数学の意味で用いられるロジスティコスやロジスティカに求める学者もいるが、軍事用語としてのロジスティクスはフランス語を語源とし、ロジスはロッジング(宿泊)やクオーター(兵士の宿舎)を意味する言葉である。その戦略的重要性を指摘したのはジョミニであり、「ロジスティクス」の用語を用いた
出典:http://www.office-lon.jp/logistics_history01.html
つまり、フランス語を語源としているのだ。
そうか、フランスなんだな。そしてなんだか重要人物らしき名前が出てきているじゃないか。ジョミニ、貴様は何者なんだ。
次はジョミニについて調べてみよう。
後編に続く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?