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バレエ感想ジョン・クランコ版「ロミオとジュリエット」東京バレエ団

ユルゲン・ローゼの舞台衣装が本当に美しい

東京バレエ団「ロミオとジュリエット」を見に行きました。ジョン・クランコ振付作品の全幕を見るのは初めてですが、とにかく舞台衣装が本当に美しくて驚きました。
マクミランやヌレエフ版など他のバージョンのロミオとジュリエットでは、ジュリエット達が赤、ロミオ達が青を着ることが多いですが、クランコ版ではジュリエット達キャピュレット家はが青と黄色がベースで、ロミオ達モンタギュー家が赤ベースです。

下の写真は左がロミオ、右がティボルト。いずれも両家のベースカラー(赤系、黄色系)が使われていることがわかります。

ちなみにロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオを通称「3馬鹿トリオ」はまさかのみかん色!シュツットガルトバレエ団は赤を着ますが、今回の東京バレエ団の衣装はオーストラリアバレエ団からのレンタルということで、まさかのオレンジです!

赤や青の使い方が素晴らしく、例えば赤一色と言っても、鮮血のような赤、暗い色合いの赤、レンガ色のような赤、ピンクっぽい赤、紫みたいな赤、朱色、限りなくオレンジに近い赤など、同じカテゴリーの中で様々な色合いを生み出して使っています。下の写真のようにみんな赤いマントでも色合いが微妙に違うのをお分かりいただけるでしょうか。赤系と一言で言ってもとにかく色彩が豊かです。

https://romanlazik.com/galleries/romeo-and-juliet-romeo-ch-john-cranko/

赤だけでなく、青や黒など他の色の使い方も素晴らしいです。特に黒の使い方については、事前に舞踏会のシーンで黒ベースなのに多彩とは聞いていましたが、予想以上の美しさに圧倒されました。
この写真だとうまく見えませんが、左にいる金色の衣装をまとったパリス以外の登場人物はここで黒ベースの衣装を着ています。しかし、ただのベターっとした黒ではなく、黒と金糸が一緒に織られたような生地から作られたダンサーの衣装は動くたびに色合いが変わって見えますし、前列右から2番目のティボルトの衣装は黒ですが茶色いリボンやパールが細かく縫い付けられていてとても豪華です。黒ベースなのに重厚で荘厳で美しく、これだけの迫力の衣装はなかなか見れないと感じました。
左のパリスは上から下まで金色ベースなのですが、トップスはキンキラですが、タイツはベージュ地にゴールドのラメのような控えめな色合いで、ブーツは少し暗めの金色であるなど、金単色でもグラデーションの使い方が素晴らしく、のっぺりして見えないのは流石です。

左からパリス、ロザリンド、キャピュレット、キャピュレット夫人、ティボルト

ちなみにジュリエットの衣装は白ベースです。登場時はキャピュレット家のベースカラーの一つである黄色の服を着ていますが、舞踏会以降は白を着ます。もちろんただの白ではなく、金糸やパールで細かな刺繍がされた豪華な衣装で、とても美しかったです。

ちなみにロミオとの結婚式では、モンタギュー家のベースカラーである赤茶系の衣装を着ています。これはロミオに染まるということを衣装でも表しているのかもしれないと感じました。ちなみに最後の墓場シーンではロミオは青を着るので、やはりこれは相手の家に染まると言うことなのでしょうか🤔

https://romanlazik.com/galleries/romeo-and-juliet-romeo-ch-john-cranko/

とにかくどの衣装も美しく、舞台セットもゴージャスで、見応えがありました!

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