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バレエ感想㉜「くるみ割り人形」Kバレエ初日その②

Kのくるみ割り人形はセットが豪華だとずっと聞いてましたが、その通りでワクワクする内容でした。

パーティ前に門前で雪遊びをしている男の子たちがたくさんいますが、うまく綿を使い溶け残った雪を表現しておりとても寒い様子が伝わってきます。
そして外のシーンからパーティのシーンへは、なんと大きな扉が開く形で移り変わります。熊川哲也さんならではの半円形のセットはゴージャスです。

そして戦いの前に音楽が盛り上がるシーンで、クリスマスツリーの豪華なセットが上左右から出てきて、クリスマスツリーの中に迷い込んだかのような気分になります。この時点では王子役の山本雅也さんはまだくるみ割り人形の設定なのですが、人形らしい動きがとても上手でした。

戦いが終わった後の雪のシーンも凄まじかったです。雪の王と女王の堀内將平さんと小林美奈さんは氷のようで一切笑いません。聞いたこともないくらい早い雪の音楽で高難度の技を正確に繰り出していました。
雪のシーンは最後に紙吹雪が出てくるのですが、まだダンサーは踊っています。たくさんの紙吹雪が床に舞い散っており、コールドが動くたびに水面のように広がって、視覚的にもとても印象的でした。そして沢山の紙吹雪の中で滑らずに正確に踊るKバレエのダンサー達の技術力に脱帽です。

2幕のお城のセットも立体感が凄かったです。おとぎ話のセットは正面から見たらゴージャスだけど、サイドから見たらペラッペラということがよくあります。ですがKバレエのセットは熊川監督らしく立体的に見えるよう制作されており、重厚感があります。

2幕は音楽や踊りの順番が通常のくるみ割り人形とは違うので、初見だと驚くと思います。衣装の色合いもハロウィンのようで独特です。しかしこれが沢山の人に愛される熊川ワールドなんだろうなと思いました。

最後に、個人的に気になる部分が一つだけあり、それは音楽が改変されていることです。例えば最初にネズミが蠢くシーンを入れるため、知らない音楽が入っていたり、パーティのシーンで音楽が繋ぎあわされているなどの気になりました。
2幕も花のワルツが最初に踊られたり、眠れる森の美女の音楽が流れたり、事前に知らないと戸惑うことも多いかもしれません。もちろん熊川ワールドの醍醐味なのだと思いますが、くるみ割り人形大好きな私には、いきなり知らない音楽や眠れる森の美女が流れてきたりなど、かなり戸惑う点が多かったです。

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