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バレエ感想㊵「ダンス・ヴァンドゥⅡ」牧阿佐美バレヱ団


バランシンの「ルビーズ」ついて

私は一番好きなバレエの一つがバランシンの「ジュエルズ」なので、いつか見てみたいと願っていた演目です。
実際に生で見れて本当に良かったと思ったのですが、通常のバレエだとデメリットになり得るダンサー達の足音もリズムに合ってて、あたかもそれも一つの演出のようでした。

特にメインのの大川航矢さんが見事で、躍動感に溢れ、ストラヴィンスキーの音楽の重厚さも軽快さも見事に表現していたのが印象的でした。ジャンプは客席まで飛んできそうなレベルの軽やかさで、まるで音楽を見ているかのようでした。

2日目のリード代役には上中穂香さんがインしたのですが、この配役にビックリ!
なぜ驚いたかというと、ルビーのリードダンサーは例えばオペラ座のマリ=アニエス・ジロやマリインスキーのコンダウーロワのように背が高い女性が踊ることが定番だからです。上中さんは150cmくらいの非常に小柄なダンサーなので「リードカップルじゃなくて、リードダンサー!?牧バレエ正気か!?」と配役表を二度見してしまいました。

私のイメージしてたリードダンサー。推定身長180cm
推定身長177cm

高身長の女性が演じるイメージが強すぎて「どうして小柄で可憐な上中さんをチョイスしたのか?」と思っていたのですが、上中さんが踊り出た瞬間あまりの毒の強さにこの配役に納得。思わず「うわ、この人超強そう…。すごく強そうな姉ちゃんだし、ルビーのあくどさにピッタリやん!」と思いました。おそらく気が強そうで、勝ち気な感じで、ルビーの踊りのクセの強さを出せる人が上中さんしかいなかったんだろうなぁと感じました。

ちなみに最近知りましたが、穂香さんは新国立劇場バレエ団の上中佑樹さんのお姉様とのことで、ルビーを踊っている様子を見て、間違いなく上中姉弟の関係は穂香姉さんがめっちゃ強いだろうなと思いました😂

他のダンサー達もストラヴィンスキーの軽快なリズムをよく表現していて、とても楽しそうでした。思わず目が行ってしまったのが美人で爪先がとても美しい織山万梨子さんです。顔も踊りも綺麗だし、こんな方にもっと出てきて欲しいです。

大川アクテオン、光永さん、アルルの女について

「ダイアナとアクテオン」については大川さんが異次元で、大川さんが踊っている部分だけ重力が無いかのようでした。トゥールザンレールした後に540とかもはや理解が追いつきませんし、あれが現実だったのかどうかもよくわかりません😂
今後牧阿佐美バレヱ団の舞台で、上中穂香さんという可憐でテクニシャンなダンサーと一緒にこの2人がどんな踊りを見せてくれるのか、本当に楽しみです。

「飛鳥ASUKA」のパドドゥは2日目に踊られた光永百花さんがとても良かったです。ちなみに私のTwitter仲間に光永さん推しがおり、どんなダンサーだかずっと気になっていました😊

アルルの女では、プティの振付だけでなく、作曲者のビゼー、オーケストラの力もすごく、素晴らしい作品だと思いました。これをバレエにするローラン・プティは天才だし、最初に主人公達が客席に背中を向けているのがとても印象的でした。日本で見れることに感謝です。

床!

ルビーズでは高橋万由梨さんだけでなく清瀧千晴さんも滑っており、危なそうだなと思っていましたが、アクテオンで大川さんが、ファランドールで水井さんが滑って手をついており、彼らの技術だからあたかも振り付けの一部ように見せていましたが、相当滑るんだなと感じました😨
本当に危なくてダンサーが怪我をしないかヒヤヒヤしました。(高橋さん…😭早く良くなりますように😭)

世界のオオカワはやはり凄かった!

日本のバレエ団は大川航矢さんや直塚美穂さんなど海外勢の帰国をきっかけに足を運ぶようになりましたので、今回も大川さんの配役を待ってからチケットを買おうと楽しみにしていました。
アクテオンか?バランシンか?とワクワクしていたら、まさかの両方…!
貧乏会社員なので正直チケットを2枚買うのはキツいですが、大川ファンなら片方しか買わないというチョイスは出来ないですし、牧の配役担当よく分かってるなと思いました😂

大川アクテオンは軽やかで楽しそうで、ルビーズは重々しい音楽も、軽快なリズムも、全ての音を身に纏って踊っているようで本当に素敵でした。
こんな素晴らしいダンサーが日本で踊ってくれていることに感謝です。次も絶対に大川さんの回を買いますので、牧のご担当者様、よろしくお願いします!

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