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バレエ感想:トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団2024年東京公演


ずっと昔から見てみたかったトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団の公演を見に行ってきました。英語の感想はこちら🗽✨

座席指定が出来ないのは販売機会の損失で、本当にもったいない!

まず最初に言いたいのですが、公式サイトに掲載されているどのチケットサイトから購入しようとしても座席指定が出来ませんでした😭
会場スタッフに確認したところ、当日券であっても座席指定は出来ず、発券しないと座席が分からないと言われて驚きました。今の時代に自由席でも無いのに、座席指定が出来ないだなんて有り得ません。これだけの注目を集めながらもチケットが完売しなかった理由は間違いなく、座席指定が出来なかったことも大きな理由だと思っています。S席は手数料込みで10,000円超えでしたが、この金額を出して座席が当日ガチャなのはハードルが高すぎます。
トロカデロの公演は昔から座席指定が出来ないという情報も頂き、もし今回座席指定が出来ればもっと沢山のファンが公演に足を運ぶことが出来たのではないかと思うと、残念でなりません。次回はチケット購入時に座席指定ができるようになることを願っております。

トロカデロ東京公演(Aプロ)感想

今回は座席指定ができないので行くか迷っていましたが、Twitterで色々な方に勧めて頂き、今回初めて見に行きました。結論としてめちゃくちゃ楽しかったので、行って本当に良かったです!

私が見たAプロ(2024/06/08夜)公演では、白鳥の湖やパキータなど、トロックス(トロカデロのメンバー達のこと)の魅力がギッシリ詰め込まれたステージを見ることが出来ました。

第1部では「白鳥の湖の」オデットとの出会いからコーダまでが演じられましたが、予想通り超コミカルだっただけでなく、オデット役のダンサー(コレット・アディ)のポールドブラがとても美しくて驚きました。「4羽の白鳥」には日本出身のショウヘイ・イワハマさんがいらっしゃいましたが、コミカルで柔軟性もすごくて、面白かったです。王子役のアンドレア・ファブリさんは なんとエストニア国立バレエ団にもいたことがあるダンサーで、立っているだけで美しかったです(ヴァリエーションは歩くだけでした😂)

第2部はガラ形式で、オリジナル作品から黒鳥のパドドゥや瀕死の白鳥なども披露されました。黒鳥のパドドゥではなんとワガノワ出身のタカオミ・ヨシノさんがオディールを演じたのですが、これが本当に凄かったです。回転やジャンプが素晴らしいだけでなく、ポーズの一つ一つやポールドブラがとても綺麗で、アチチュードなどはマリインスキーのヴィクトリア・テリョーシキナのような美しさでした。フェッテの時は手をアロンジェにしながら華麗なトリプルを見せてくれましたが、こちらは以前映画化されたボリショイのマリア・アレクサンドロワを彷彿とさせる美しさで、完全にヨシノさんが男性ということを忘れ、ミステリアスな魅力も相まって惚れそうになりました。

トロカデロといえば「瀕死の白鳥」が有名ですが、ロバート・カーターによるスワンは最初に出てくる時から羽を撒き散らしながら出てきており、今にも死にそうな貧弱さには見えませんでしたが、素敵でした😂(あの羽はどういう仕組みなのでしょうか😂)

3幕は全員総出で「パキータ」を踊りましたが、これがまた超面白かったです。
主役のパキータはフィリップ・マーティン・ニールソンが演じましたが、手足が細くて長く、ウリアーナ・ロパートキナの踊りを相当参考にしたんだろうなと思いました。
黒鳥が素晴らしかったタカオミ・ヨシノさんはヴァリエーションを踊りましたが、ポールドブラや上半身の動きは繊細で女性らしいのに、アントルラッセやグランパデシャなどは男性ならではのダイナミックさも披露して下さいました。

印象に残ったダンサー達

どのダンサーも個性的で素晴らしかったですが、やはり日本人キャストのショウヘイ・イワハマさんとタカオミ・ヨシノさんは特に印象に残りました。
イワハマさんは柔軟性があって足がバコーンと上がるだけでなく、常に楽しそうだったのが印象的でした。
ヨシノさんはテクニックが素晴らしいだけでなく、上半身やポールドブラが本当に美しく、プロフィールを見たらなんとワガノワ出身!美しくて当然ですね。本当に素晴らしかったので、いつかぜひ世界バレエフェスティバルやバレエアステラスに出場してほしいです。

ステージネームや幕間のアナウンスに大爆笑

さて、トロックスではそれぞれのダンサーが男性役を演じる時と女性役を演じる時はステージネームを使い分けています。
具体的に説明すると、私が今回大ファンになったタカオミ・ヨシノさんは女性役で出演されるときは「ヴァーヴァラ・ラップトッポーヴァ」、男性役で出演されるときは「ボリス・ダムコップ」というステージネームを使います。

https://trockadero.org/company/dancers/takaomi-yoshino/

当日のキャスト表にもそれぞれのステージネームが記載されるため、初めて行く方は公式パンフレットと照らし合わせながら確認しないと誰が誰だか分からなくなると思います😂
このステージネームが大爆笑で、ヨシノさんのLaptopova(ラップトップ…👩‍💻😂)もですが、他にもLegupsky(レッグアップスキー🦵)とか、Marx(マルクス、もちろん共産主義出身という設定😂)とか、始まる前から笑わせてくれます😂

ダンサー達のステージネームだけでなく、会場アナウンスも大爆笑でした。
「ダンサー達はこの円安の機会にプチプラコスメを一生分買い占める気満々です」とか、 「休憩時間、お手洗いは大変混雑しますので、ぜひグッズ売り場へ行ってください」とかとにかく面白くて、こんなに面白すぎる休憩時間は初めてでした😂
中でも日米で有名な某野球選手を揶揄したブラックジョークは「これこそアメリカンジョーク」という感じで、流石だと思いました😂

結論:次も絶対行くし、おすすめ!

トロックスは男性がトゥシューズを履いて踊るだけのコメディバレエ団だと思っていましたが、そんなレベルではなく、超バレエが上手な男性陣がポワントも履いて、新たな表現を追及しているバレエ団だと思いました。

私は次も絶対行きたいですし、気になっている方は絶対に行った方がいいです。楽しいだけでなく、本当に上手なので心の底から感動できると思います。
(どうか次回は座席指定出来ますように…🙏)

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