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バレエ感想「バレエの妖精とプリンセス ヨーロッパ名門バレエ団のソリストたち」横浜公演


「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」に引き続き、「バレエの妖精とプリンセス」横浜公演に行ってきました。出演者はディアナ・コシェレワが抜けた以外はほぼ同じメンバー構成の予定でしたが、何と当日に直塚美穂さんが降板!
モスクワ国際コンクールで銅賞を取ったこともあるコシェレワは前から注目していましたし、私は2021年の「ロシアバレエガラ」で直塚さんのローズアダージオを見たことがきっかけで直塚ファンになり、3年ぶりの彼女のオーロラ姫をすごく楽しみにしていたのでさすがに泣きました…。まずは直塚さんの体調が早く良くなることを心から願っています🙏

直塚さん降板を受けて玉突きでキャストが変更になった結果、何と東京公演とほぼ変わらない配役となってしまいました。「同じ配役だし、私は何のために来たんだ…」と見る前はガッカリしましたが、幕が開くとダンサーたちの気合いが凄まじかったです。同じ配役だからこそダンサー達の工夫や細かなアップデートも理解することができ、とても見応えがありました。

横浜公演での演目について

①「レ・シルフィード」
1幕では「レ・シルフィード」のみが上演されました。
詩人はボリス・ジュリーロフ、シルフィードのソリストはオリガ・チェルパノワ、カロリーナ・バストス、ニノ・サマダシヴィリ、デュオは三浦のぞみさんとマリナ・マタ・ゴメスが踊りました。
そして何とコールドのダンサーも12名参加しており、美しかったです。もちろんマリインスキーやボリショイの公演を思い出すと、手や顔の向きなどは完璧に揃っていたとは言い難いです。ですが色々なバレエ団からメンバーを集めた中で、よくここまで統一感を出したなと感心しました。
ちなみに参加していたメンバーはヨーロッパ各国から来ており、所属バレエ団はざっとこんな感じ。凄いなぁ、よくこれだけ集めたなぁと感心しました。ちなみに以前話題にしたレダさんは客席から見て一番右側で踊っていることが多かったです。
🇵🇱Nika Afonina, 🇵🇱Anastasia Bilokon, 🇱🇻Anhelina Bosenko, 🇨🇭Leonie Gailloud, 🇩🇪Ana Gonçalves, 🇩🇪Marina Mata Gómez, 🇵🇱Anna Shmatchenko, 🇸🇰Diana Spita, 🇭🇷Agnese Stanvanelli, 🇭🇷Helena Troha, 🇭🇷Leda Šeparović, 🇭🇷Valentina Štrok, 🇭🇷Paulina Žanetić

個人的にとても素敵だなと思ったのは東京公演でも印象的だったカロリーナ・バストスです。最初に出てきた時は若干の硬さを感じましたが、明るくて舞台の空気が一変させるような素敵な踊りが印象的でした。ニノ・サマダシヴィリも華やかさがあり見にきている子どもたちが憧れずにはいられないようなオーラがありました。
オリガ・チェルパノワはカロリーナやニノに比べるとなんとなく存在感が薄いような気もしましたが、とても綺麗でしたし、消え入るような妖精を演じていたという意味では面白い役作りだったと思います。
そして詩人のボリス・ジュリーロフですが、この方は上半身やポールドブラがとても優雅で、ふんわりとした腕の使い方を見て「ああ、ロシアバレエを見れた」と嬉しくなりました。

②「眠れる森の美女」よりローズ・アダージオ
まさかの直塚美穂さん降板により、東京公演でも見たニノ・サマダシヴィリのオーロラ姫を再び見ることになりました。
結論として急な登板であり1幕のレ・シルフィードが終わってすぐの出演だったからなのか、疲れているのかなと感じました。オーロラ姫のような初々しさは感じられませんでしたが、アチチュードでバランスを取る時に男性陣の手を鷲掴みにせず、ただ乗せているように見せている優雅さは健在でしたし、誰もが注目せずにはいられない華やかさが印象的でした。
4人の王子も東京公演と一緒で、ソーレン・サカダレス、ラファエル・ヴェドラ、パーヴェル・サーヴィン、ルカ・アブデル=ヌールが演じましたが、全員踊りが美しく、オーロラ姫への演技やアピールも細かい部分まできちんと考えられていて見応えがありました。

③薔薇の精
東京公演からかなりパワーアップしたと思う作品の一つが、スラニスラウ・ウェグリジンとマリナ・マタ・ゴメスによって踊られた「薔薇の精」です。
実は東京で見た時はショッキングピンクの衣装が強烈すぎてLGBTQのパレードを見ているような錯覚に陥りました。しかし横浜公演では同じ衣装/キャストによって踊られているにも関わらず、薔薇の軽やかさや高慢な雰囲気がよく伝わってきて、これだけ短い期間で全く違う作品のように見えて驚きました。少女も夢みがちな雰囲気が出ていてとても可愛かったです。
おそらくですが、横浜公演の方が踊りの美しさや軽やかさだけでなく、薔薇の精も少女もキャラクターをどう伝えるか、観客に何を伝えたいか考えて踊られていたのかなと思いました。とても素敵でした。

④「白鳥の湖」より第2幕アダージオ
元ボリショイで現在はドイツのバイエルンで踊っているエルビラ・イブライモワとオランダ国立バレエ団のルカ・アブデル=ヌールのアダージオは双方の思惑が噛み合っていない様子を感じましたが、これはこれで面白かったです。
あくまでも私の想像ですが、イブライモワは音をたっぷり使ってロシア仕込みのラインの美しさを最大限アピールして観客に白鳥の美しさを見せたかったのかなと思いました。しかしジークフリートを演じたルカ・アブデル=ヌールはラインの美しさだけでなく、短いアダージオの中でジークフリートの感情など演技的な面をもっと観客に伝えたかったのでは無いかと感じました。
どちらが正解というわけではなく、その踊りの見せ方はダンサーによって違って当たり前だと思います。イブライモワもルカもプロなので綺麗にまとめ上げていましたが、今回は短いアダージオのみでしたので、もう少し見てみたかったなと思ったのが本音です。

⑤「人形の精」よりパドトロワ
これはとっても良かったです!
今回フェアリードールを踊った三浦のぞみさんが本当に素敵でした!テクニックが抜群に強いだけでなく、明るくてピエロたちがお人形さんの気を引きたい気持ちがよく分かる様なとてもかわいいフェアリー・ドールでした。先日の「ラ・シルフィード」も明るい様子が印象的でしたが、今回のフェアリー・ドールも彼女に合っていてとても可愛かったです。色々な役を踊りこなせる素敵なダンサーだと感じました。
そして今回特に良かったなと思うのがピエロを演じたラファエル・ヴェドラとソーレン・サカダレスで、東京公演の時から美しい踊りとコミカルな演技で笑わせてくれましたが、パワーアップしていました!前回は笑いを取りつつもその演技はパドトロワを踊る3人で解決していましたが、横浜公演ではフェアリードールの取り合いのアピールをする際に、観客にアイコンタクトを送ったり、観客に向けて熱烈に自分の良さをもっとアピールしようとしていたり、観客をフェアリー・ドールの世界に引き込もうとしていると感じました。もちろん演技だけでなく2人とも踊りも綺麗で、ヴェドラとサカダレスはおそらく身長が2m近くあり、通常このくらい高身長のダンサーは木偶の坊のことが多いのですが、踊りでもしっかり見せてくれて大満足でした。
そしてカーテンコールでも最後の最後まで、カーテンが閉じる瞬間まで前屈しながら手を振ってくれ、とても楽しかったです!

⑤「ジゼル」第2幕のパドドゥ
これも実は東京公演で同じものを見ました。オリガ・チェルパノワは相変わらず美しくて、消え入りそうなジゼルでした。アルブレヒトを演じたウラジスラフ・バセンコは前回よりも演技面の表現をもっと強めたのかなという印象を受けました。表情等は前回よりも苦痛に満ちており、かなり色々な部分を修正してきたなという印象です。
この2人のパドドゥは美しいのですがジゼルというストーリーもあってか、華やかさが目白押しの今回のガラではインパクトに欠けるなと感じました。ですがオリガさんの抜群のテクニックはいつか別の演目でも見たいなと思いましたし、この短いパドドゥで最大限の表現を見せてくれたのはありがたいなと思いました。

⑥「くるみ割り人形」第2幕パドドゥ
このパドドゥはマリインスキーなどでよく上演されるワイノーネン版をベースにしつつも、ガラ向けにより盛り上がるように改変されていると感じました。例えばアダージオの最後にマラーホフ版のようにバレリーナがアチチュードからアラセゴンに足を上げてゆっくり回転しながらキープするような見せ場がありました。またコーダではくるみ割り人形ではあまり見ないようなグランフェッテがあったり、グランパクラシックのように男性が対角線を移動するような振り付けが取り入れられていました。まぁマリインスキーの場合は王子に加えて、花のワルツのソリスト達4名もアダージオを一緒に踊るので改変は当たり前なのですが😂
東京公演でも見たボリス・ジュリーロフとカロリーナ・バストスによるパドドゥでしたが、圧倒的な技量を見せてくれたカロリーナは間違いなくラストを締めくくるにふさわしいダンサーだと思いました。そしてボリスは相変わらず上半身が美しく、女性を美しく見せるダンサーです。

「カナの婚宴のエピソード」を思い出させてくれた

欠員が出たことによりダンサーたちの気合いも相当入ったからなのか、東京公演よりも横浜公演の方が見応えがあって驚きました。踊りもパワーアップしているだけでなく、お客さんにどう楽しんでもらうかというダンサー達の工夫を感じました。例えば前述した通り、ウェグリジンは薔薇のキャラクターが際立っており、ヴェドラとサカダレスのピエロは観客をより一層巻き込むよう工夫されていましたし、カロリーナやニノは前回にも増して存在感抜群でした。
この手のツアーは大体一番観客が集まる東京公演がハイライトで、それが終わると若干気が抜けても不思議では無いです。ですが今回のダンサー達は気を抜くどころか、東京公演よりもずっといい踊りを見せてくれました。「いい踊りを見せたい」「観客に満足して帰ってほしい」と観客のことを誠実に考えてくれていると感じ、嬉しくなりました。

聖書のヨハネ福音書に「カナの婚宴」というエピソードがあります。結婚式で葡萄酒が足りなくなってしまった際に、キリストが水を葡萄酒に変える奇跡が書かれていますが、その葡萄酒が元々出されていたものよりも上等でそれを飲んだ人が「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、 酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」と言います。

今回のガラはもちろん東京公演も良かったですが、横浜公演はさらに良いものとなっており、後からもっといいワインを出したというカナの婚宴のエピソードを思い出しました。まさか地方公演でハイライトの東京公演以上に良い公演が見れるとは思っておらず、とても満足度が高かったです。

ルカ・アブデル=ヌールさん(Luca Abdel-Nour)

横浜公演でローズアダージオの水色王子様とジークフリートを演じたルカ・アブデル=ヌールは踊りが美しいだけでなく、演技性が高いダンサーだと感じました。例えばローズアダージオで王子を演じる時はオーロラをじっと見つめ、恋している様子を表現したり、薔薇の香りをかいで良い匂いであることを伝えようとしていると感じました。「白鳥の湖」ではオデットを探る様子や、彼女の悲しみに心を寄り添わせようとしている様子がよく伝わってきて、いつかルカさんの全幕を見たいと思いました。
以前からオランダ国立バレエ団を見に行きたいと思っており、去年見て感動したジェシカ・シュアンとオリガ・スミルノワを見たいと思っていましたが、絶対にルカさんが出る日も見たいと思いました。

ちなみに私は最近のローザンヌを見ていないので知らないのですが、ルカさんはローザンヌで人気がでた日本のバレエファン達の間では結構有名な存在みたいです。そんな早くから注目しているだなんてみんな見る目あるなと思いました。

よく調べたらYoutubeで見たことあるダンサーが沢山!

今回のガラ、最初はイブライモワと直塚さんくらいしかわからなかったのですが、色々調べると以前Youtubeで見たことがあるダンサーが沢山出ていて驚きました。

ボリス・ジュリーロフは2021年のロシアバレエガラで見るまで知らないと思っていましたが、以前ユリア・ステパノワが大好きでずっと見ていたこのパートナーがまさかのボリス!ユリアの柔軟性に目を奪われていましたが、こんな重要なことを見落とすだなんて…。

そしてクリスティーナ・シャプランが好きでよく見ていたこのビデオにも映っていてビックリ!クリスティーナの後ろの黒い長袖シャツにシマシマレッグウォーマーのハンサムさんがボリスです。カッコいい💕

そしてディアナ・コシェレワのこのビデオも懐かしい!
ちなみにディアナはデニス・ローチキンと同じグジェリという民族舞踊学校の出身です。きっとクラシック以外にも色々踊れるはずなのでもっと色々な姿を見てみたいです。

他にもボリショイの来日公演で見たこともあるエルビラ・イブライモワのクラスレッスンも懐かしい。ボリショイのダンサーというとチホミロワみたく結構前に出てくるイメージでしたが、イブライモワはいつも後ろにいるんですよね。

バイエルンに移籍してからも後ろにいる…。ボリショイのダンサーは前に出てくるイメージなのでなんか意外です。

ルカ・アブデル=ヌールは日本のバレエファンのイメージだとローザンヌの印象が強いみたいですが、私にとってはこちらのイメージの方が強いです。オランダ国立バレエ団のこのビデオシリーズはカテリーナ・ミクルーハや山元耕陽さんなど日本で知名度のあるダンサーが出演していたので、そちらにばかり注目していましたがルカさんも出演していたとは…😲

スタ二スラウ・ウェグリジンはなんとDancediaryに出てる!Dancediaryもロイヤルのダンサー達のビデオが沢山あって、もちろんチャンネル登録していますが、彼も出ていたんですね😊

そしてカロリーナ・バストスはバイエルンのワールドバレエデーのビデオの一番最初の解説で出てきていて、この女性がカロリーナだったのかと今更ながらビックリ!
ちなみにこのビデオでローレッタ・サマースケールズと一緒に司会をしているのがラファエル・ヴェドラです。日本で見たことあるローレッタばかり注目していたので、今更ながらこちらもビックリ。

カロリーナとヴェドラは人気があるからか、よく映像がアップになっています。

他にもスロバキア勢はプリンシパルの上中えりなさんのビデオによく出てきており、オリガ・チェルパノワはヌレエフ版「白鳥の湖」のファーストキャストなのかな。

三浦のぞみさんも、えりなさんの最新のビデオに出てきていて楽しく拝見しました!本当に可愛いし、ぜひ次はえりなさんもきてほしい!

そして以前も出したレダ・シェパロヴィチさんのビデオも。5年くらい前にセルボ・クロアチア語を勉強を始めた時に、バレエ関連のビデオないかなぁと思って探していた時に見つけましたが、可愛すぎて映像ばかりずっと見続けてしまった思い出が😂

そんな感じでよく調べたらみんな実はYoutubeで見たことある人ばかりで驚きました。

光藍社の担当者の発想が面白い

今回の「バレエまつり」と「妖精とプリンセス」については光藍社の担当者の発想が凄いなとずっと思っていました。美しいロシアバレエを見たいという日本のバレエファン達のニーズに光藍社がかなり工夫して応えた、担当者のセンスが光る公演だったと思いました。

戦争が始まりロシアのバレエ団が来日できなくなってからも、さまざまなバレエ団が来日しています。しかしやはりロシアバレエの美しさというのは独特なもので、その美しさを再び見たいというファンはとても多かったと思います。大っぴらにロシアのバレエダンサー達を招聘できない現状で、ヨーロッパにいるロシアバレエの教育を受けたダンサー達を呼ぶというのは形を変えたロシアバレエガラでもあり、「ロシア」と銘打たずにこれだけ観客のニーズを捉えた公演を企画するとは、上手いこと考えたなと思いました。

「バレエまつり」の記事にも書きましたが、今回は光藍社だけでなく、現在ハンガリー国立バレエ団で活躍するボリス・ジュリーロフの人脈でダンサー達を集めたと聞きます。ボリスの人脈や企画力に活路を見出し、プロジェクトを遂行させた光藍社の発想は今までの公演で類を見ないものであり、非常に興味深いです。

ボリスはダンサーとして華々しい経歴を持ち、ロパートキナにもパートナーに指名されたことがあります。ロパートキナはパートナー選びが非常に厳しいことで有名で、最初はボリスが高身長で美しいから指名されたのかなと思っていました。
しかし石井久美子さんのビデオを見ていると、もっと美しくお客さんに伝わりやすく踊るよう助言するだけでなく、直塚美穂さんが「黒鳥を演じていることを忘れてしまった」など久美子さんも気づかなかったような細かい部分を指摘しており、踊りだけでなく人の気持ちにも機敏な方なのかなと感じました。
今回のガラでもどのようなダンサーに何を踊らせるか、そしてどうお客さんに踊りを見せていくか、色々な調整があったと思います。これだけ個性の強いダンサー達が上手くまとまったのはボリスの気配りあってこそだと思いますし、そんな彼を見出しリーダーに指名した光藍社担当者の慧眼には感服しました。

日本のバレエダンサーの状況は今後厳しくなっていくのではと思った

これは私の妄想ですが、今回かなり集客に苦戦した中でもこれだけの美しさとレベルの高さを見せてきたダンサー達を見て、いつか日本のダンサー、特に男性ダンサーの仕事は減っていくのではないかと思いました。

もう少し詳しく説明すると、日本バレエ界の状況というのは結構特殊です。海外では国からの補助が手厚く、バレエダンサー達の生活は仕事としてきちんと成り立っていると聞きますが、日本では実質ほぼフリーランス状態です。バレエダンサー達はダンサーとしてだけでなく、講師や別の仕事も行っている上に、発表会などでお教室の生徒さんのパドドゥ相手役を務める仕事もかなり多いと聞きます。
特に男性ダンサーにとって発表会のパドドゥの相手役はそれだけでかなり稼げるような貴重な機会だと聞きますが、業界の男女比的に圧倒的に男性が足りないため、大した実力のない男性ダンサーでも発表会の出演依頼は多いと聞きます。

何が言いたいかというと、今まではでは男性バレエダンサーであれば大手バレエ団に所属できなくても発表会のゲスト等で収入を得られていた人は多いと思います。しかし今後そこに海外からのダンサー達がビジネスチャンスとして参入してくる可能性もあると思います。例えば今回ようなガラ公演で来日するついでにお教室のゲスト出演をいくつか引き受けるという可能性もゼロではないでしょう。

今まではバレエ界も閉鎖的な社会でしたが、現在はSNSも発展しており、海外留学経験者も増えているため語学に抵抗が無い女性陣が大勢いると思います。お教室も集客のためにステータスのあるゲストを呼ぶようになる可能性もあり、いずれ海外のダンサー達がお教室の発表会に出演するようになることは十分あり得ると思います。世界的に不況が続き、ダンサー達が職を求めて世界中を動くようになった現在、今までは閉鎖的なおかげで安定していた日本バレエ界に海外ダンサー達の参入があってもおかしくないでしょう。

こんなことを書くと「また頭のおかしいバレエファンが妄想垂れ流している」と言われそうですが、これは現実に民間企業ではすでに起き始めている現象です。顧客が日本人で日本向けシステムだからと安心し切って営業活動を怠っていた日本企業は、どんどん外資に負け始めています。海外から日本にビジネスチャンスを求めてやってくる人は企業であってもダンサーであっても、バイタリティが全然違います。民間企業の流れがバレエ界に波及するのも時間の問題ではないかと思いました。

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