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懺悔

時おり、ふっと頭に甦る光景がある

子育てにおいて
特に幼い頃ほど
親の影響は大きいと思う

うちの子は虫が苦手だった
きっと今もそう

私は子供の頃から決して得意ではなく
夫もそうだと思うのだが
うちの子もやはり同じく
幼稚園へ行くようになっても
アリもカブトムシも触れないでいた

仲良しのお友だちは
カタツムリや、時に毛虫などもつまんできて
うちの子に見せてくれるのだが
明らかに困った顔をしているから
お友だちも悲しい
それをみる私も悲しかった

だから、
何とか虫なども好きになって欲しい、
と思った身勝手な私は
玄関先の散水栓の蓋の裏に
ナメクジがいたのを発見したとき
あれを思い付いた

※ナメクジに塩をかけると溶ける※

よく聞きますよね
実際に試したことが有る、無いにしろ…

言葉だけで知っていた私は
自分の子供時代にでさえ
試してみたことがなかったのに

『塩をかけるとナメクジが消えるんだよ』

そう伝えたうえで
経験もないのに
子供の目の前でやってみることにした

キッチンには粗塩しかなかったので
それを小皿に盛って外へ戻った
なめくじはゆっくりと動いていた

不安はあったが塩をひとつまみ振りかけた

かけた瞬間にシャッと溶けてしまうと
想像していたのだが
全く違う展開になってたじろいだ

シューシューと(音が出ていたかは不明)
体から煙のようなモヤのようなものが出て
なめくじの動きが少し早くなる

それはもう、
痛がって苦しんでいる姿に他ならなかった

最初は興味深い表情だった息子の
『ママー、やめてー!』
という泣き声が耳に残っている

私も既に全身から汗が流れていた

あれ以来そんなことはしない
もう、子供にワイルドさを求めることは無くなり

その光景がトラウマになったであろう息子は
小さな虫系が一番苦手な青年になった

ナメクジにも
息子にも
何とも情けなく申し訳ないエピソード

本当にすみませんでした😢

またナメクジの季節が始まった

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