児童養護施設職員の資格

児童養護施設職員になるための資格


児童養護施設職員になるための資格は、ぶっちゃけるとありません。


一番近い資格は保育士になるのでしょうが、それも、絶対必要というわけではありません。


保育士資格は短大卒相当の資格なので、学歴では4年生大学卒より評価基準が低いです。


児童養護施設職員が持っている資格で一番メジャーな資格は、おそらく児童指導員任用資格ではないでしょうか。


各施設の求人を見てみると、求める資格を記載している場合もあります。


しかし、実際に児童養護施設職員として法律で定められた資格はありませんので、問い合わせをして見ることをお勧めします。


施設は万年人手不足ではあるので、キャリアによっては興味を持ってもらえるかもしれません。


児童指導員任用資格


4年生大学で教育学部、法学部、心理学部などで取得できる資格です。一般教養科目や専門科目の取得が必須になります。大学生は、大学の学務課で聞いてみると良いでしょう。


卒業後2年間の実務経験を経て、任用資格から児童指導員資格を得ることができます。


4年生大学の学生は、この児童指導員の資格取得を目指しましょう。


ちなみに、私も心理学部を卒業し、児童指導員任用資格で入職しました。


施設によっては、教員免許でも採用されるところもあります。

無資格者は児童養護施設職員になれないのか


前述した資格は、あくまで、「持っていて有利になる資格」程度です。


資格を持っていても、人として魅力がなければ採用には至りません。


むしろ、弁護士や教員のように、資格がなければ働くことすら出来ない仕事に比べると、児童養護施設職員は入職ハードルが低いです。


有資格者と無資格者から同時に応募があった場合、採用基準は資格ではありません。もちろん有資格者の方が採用しやすい部分は否めませんが、絶対ではありません。


それより、誠実さや根気があるか、社会性や感受性が備わっているかの方がよほど大切です。

児童養護施設職員になってからが勝負


児童養護施設職員にこれといった資格がないことは、社会的な認知が低いことも理由の一つですが、私はこのことはむしろ歓迎されるべきだと思っています。


どの仕事でもそうですが、資格を持っているからといって良い職員になれるわけではありません。


児童養護施設職員になった後、先輩職員からのOJTを素直に受けることができるか、子どもとの関わりを誠実に報告することができるか、外部の研修や学びの機会を積極的に活かすことができるか、そういうことの方がよほど大切です。


東京都の児童養護施設職員の平均在職年数は、7年程度だと言われています。


20年以上のベテランが多少いるにも関わらず平均が7年ということは、それだけ早期に退職してしまう人が多いということです。


別のブログで離職が多い理由をお伝えしているので、そちらを参考にしてください。 

(参考リンク【児童養護施設職員の離職が多い理由】 http://cansawa.livedoor.blog/archives/10449589.html )


私が常々思うのは、児童養護施設職員になる前に、もっと自分のことを知ってからにして欲しいということです。

友人関係がうまくいかない人、親との関係がうまくいかない人、恋人とうまくいかない人など、自分が辛い気持ちだったからそういう人を支えたいと思う人が、一定数います。


せめて、本当に頼むから、その辛さを乗り越えて、自分で区切りをつけてから職員になってください。


そうしないと、職員になってから、辛いです。


子どもたちのしんどさを、まるで自分のことのように感じてしまいます。


自分の人生で決着のついていない人間関係がある人は、対人援助職に就くと本当に苦労します。


そういう困った関係が全くない人などほとんどいないでしょう。


せめて、人に笑って話せるようになるまでは、自分でケリをつけてきてください。

ケリがついていないけど、児童養護施設職員になりたいという方、相当の苦労を覚悟してください。


その覚悟、またはケリをつける作業、それこそ、私が思う児童養護施設職員の資格です。

誰でもなれるけど、誰にでもできない


そういう意味では、児童養護施設職員は、誰でもなれます。


私の知っている職員でも、異業種から転職してきた方はたくさんいます。


バスの運転手や食品工場勤務、電気工事士や住宅営業など、多種多様な施設職員と交流してきました。


その中には、とても魅力のある職員さんもいました。


まさに、本当の意味で人間関係の仕事なので、資格より人柄、その人の人との接し方が大きくもの言う仕事です。


他者視点、共感性、内省力が必要な仕事です。


そういう資格は、どこにもないのです。


軽い気持ちで、「子どもが好きだから。」と言って児童養護施設の職員にならないでください。


子どもに裏切られたり、騙されたり、暴力を振るわれたり、暴言を言われたりする仕事です。


それでもその子の苦しみや言動の根本原因を考えられる人が、続けられる仕事です。


誰にでもできることではないと思います。


だからこそ、私は誇りを持ってこの仕事をしています。

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