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105 思い出の札沼線

202056日に部分廃止された札沼線。

札幌の一つ先、桑園駅から新十津川駅までを結んでいましたが、先端部の北海道医療大学駅から先、新十津川駅までが廃止されました。

札沼線は私にとって思い出の路線。

高校を卒業して北海道の大学に入学する際、面倒を見てくれた叔父の家に行ったときに初めて太平駅まで乗り、

独り暮らしを始めて住んだのは沿線の新琴似駅付近。通学に地下鉄を利用している時期もありましたが、好んで札沼線を利用していました。

このころの札沼線は全線非電化。札幌近郊の高架化もまだされていませんでした。今は立派な新琴似駅は昔ながらの古い木造駅舎。太平駅は国鉄で多くあった仮乗降場から昇格したばかりの板張りホームでした。

大学3年のころ、この路線に「学園都市線」という相性が尽きましたがしっくりこず、今もわたしは札沼線と呼んでいます。こちらの名前のほうがこの路線の歴史に触れることができて好きなのです。

今は見違えるほどに立派な都市型路線に成長した札幌近郊の札沼線。一方、北海道医療大学駅より先は超のつく閑散路線。30年まえでさえ浦臼駅から先、新十津川までは1日3往復しか走っていなかったのが、廃止直前の時期には1往復。もはや何のために走っているかわからない状態であり廃止は必然の流れでした。

前置きが長くなりましたが、今回は2018年の夏、廃止になってしまった札沼線の駅を何駅か訪ねた記憶をたどっていきたいと思います。

石狩月形駅

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月形町の中心駅でここまでは走る列車も6.5往復ありました。ただこことて通勤・通学時間に札幌方面に向かう列車はゼロ。どれだけの人が日常的に利用していたのか疑問です。バスで岩見沢まで出るのが現実的でしょう。

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ここは列車交換もできる駅。キハ40どうしが行き交います。

豊ヶ岡駅

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札沼線の中でも特に周辺に人家がないのがこの豊ヶ岡駅。秘境駅として有名になりました。開業当時は周辺に炭鉱がありましたが閉山、住む人がいなくなりました。少し傾いてしまっている危なっかしいホームが印象的です。

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月形町が建てた木造駅舎。ホームに比べると立派ですが待っている人はいません。

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何せ家から見下ろせばこんな感じ。今まで駅が残っていたのが不思議なくらいです。

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待合室まで舗装された道路はありません。クマが出てきそうな場所です。実際クマはいませんでしたが、大きなハチがいました。夏の北海道ローカル線の旅の敵は虫。気をつけないといけません。

浦臼駅

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浦臼駅は浦臼町の中心駅。1997年にふれあいステーションとしてリニューアルされています。歯医者さんがここで営業しています。

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いよいよここから新十津川方面は1日1往復だけの運行になります。906発ってどうしてこの時間?と思ってしまいます。

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浦臼駅前からは1日数便奈井江駅までバスが出ています。但し平日のみの運行。滝川駅までも出ていますが今年大きく減便されました。ここから公共交通機関で札幌に出るのは月形乗り換え当別までバス、そこから札沼線のようで鉄道があったとき以上に不便です。

鶴沼駅

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浦臼駅の一つ先の鶴沼駅。ここまでくると学校なんてないので「学園都市線」がすごく嘘っぽいです。小さな待合室が併設されています。

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2018年の訪問の時はここから浦臼駅まで歩いたんですが、途中に道の駅つるぬまがあって食事が楽しめます。じゃがもちおいしかった。浦臼温泉もあるんですが、ここに来る人は100%車。そりゃ11往復の鉄道ではこないでしょう。

新十津川駅

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終点、新十津川駅。夏休みの時期ということもあってご覧のような混雑でした。11往復しか走らない区間の終着駅とは思えないほどの賑やかさ。2両編成の列車が満員だったのでそりゃそうでしょう。いつもこのくらい乗っていたら、と思うんですがね。

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始発にして最終の列車は1000発。日本一早い終電です。近くの保育園の子たちがお見送りしてくれるのが名物でした。

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終着駅で折り返しを待つキハ40-402。もうここに列車が来ることはありません。

かつて1度だけ冬にここに来たことがありますが、そのときは石狩川を渡り函館本線滝川駅まで歩きました。遠いは遠いんですがやろうと思えばできてしまうくらいの距離。実際ここからバスで滝川駅に向かった人も多く、函館本線があれば十分というのが実情でした。

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北海道ではその後も夕張支線、日高本線の廃止もあり、留萌本線、根室本線の富良野ー新得間も廃止に向かって協議が進められています。新幹線が札幌までくれば小樽ー長万部も廃線となるでしょう。西日本、東日本でもローカル線の廃止論議が進められて行きそうです。鉄道はオワコン、と安易に切り捨てせずその地域の今後の発展のために鉄道は必要なものなのか、住民の脚をどう確保するのかをしっかり検討したうえで交通インフラ整備を進めていってもらいたいと思います。

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