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269 昔の面影を残す鉄道の要衝・鳥栖駅

この週末は、九州を旅しました。

博多方面からも熊本方面からも、長崎方面に鉄道で移動する際必ず通らなければいけない町が佐賀県鳥栖市です。

こちらは新幹線・新鳥栖駅。

今は九州新幹線の新鳥栖駅ができたため、本州や熊本方面から来る人はこちらを利用することが多くなりましたが、西九州新幹線が完成しておらず在来特急が博多から武雄温泉まで走るため鳥栖駅はいまだに熊本方面と長崎方面の分岐点として重要な役割を担っているのです。

というわけで鉄道の要衝、鳥栖駅に来ました。要衝の割には小ぶりな駅舎。1903年に移築開業してから120年にわたり使われている年季の入った駅です。この地域に空襲があった際にも焼失せずに現在まで使用されています。

西側にしか駅舎がなく、駅東側の住民にとっては不便なようでいったんは橋上駅舎に建て替える方針が決まったようですが、費用が掛かりすぎるということで撤回されて今日に至っています。こういった古い駅は鉄道ファンとしては残してくれてありがたい限りなんですがね。

かつては貨物駅もここにあり、今以上に活気を見せていました。鳥栖機関区の跡地にはサガン鳥栖のホームグラウンド

駅前不動産スタジアム。
企業名とはいえストレートなネーミングです。
駅の軒下にはつばめの巣がいくつかありました。さすが鳥の栖(すみか)、鳥栖ですね。


駅舎の隅にはうどん店があり駅弁まで売っています。大きなターミナル駅以外でこういった施設が残っているのも鉄道の要衝ならではだと思います。かしわうどんは鳥菊の細切れを甘辛く煮たものをトッピングしたうどんで北部九州の定番です。

改札をくぐって左手に線路に沿うように長い通路があります。建て替え前の苗穂駅もこんな感じだった記憶がありますが、このような通路のある駅は近年ではなくなりました。

この先に鉄道のまち鳥栖の歴史を紹介するパネルが展示されています。

九州最初の鉄道が引かれた1889年、鳥栖駅も開業しました。
九州で一番古い駅のひとつです。大正時代の写真なんですが、今の駅舎と形が同じ。手はくわえられていますが当時の建物が今も残っています。

ずっと向こうまでギャラリーは続きます。130年も続く鳥栖駅の歴史はそんな数枚のパネルだけでは語りつくせません。ゆっくりと時間をとってながめたいものです。

ホームに上がってきました。柱もかなり年季が入っています。こういう塗装のはがれかけた柱のある駅、結構好きです。

リレーかもめ9号が発車していきました。頻繁に特急が走るようになった博多―武雄温泉間は黒いかもめと称される787系、昭和から営業を続けるハイパーサルーン783系、白いみどり885系の3種類の列車が混在していて下調べしないで乗ったらどの車両が来るのかわからずわくわくしてきます。

乗車位置を示すマークも西九州新幹線開業であたらしくなりました。肥前鹿島どまりとなった長崎本線の特急は「かささぎ」と命名されました。

佐世保行きの「みどり」のうち、武雄温泉で新幹線に接続するものは「みどり(リレーかもめ)」で、そうでないものはただの「みどり」。みどりなのにかもめ。ややこしや…。

最近は利用者減で地方の駅ではかなり少なくなったホーム上のそば屋。ここではまだ健在です。さすがは鉄道のまち、鳥栖です。

かしわうどんを頂きたいところなんですが、朝食をがっつり食べてしまったあとだったので泣く泣く断念。

汽車のマークがうれしい。

ですがこのまま何も買わないのは惜しい、と名物かしわめしを買いました。
今後、移動先でこちらを頂く際に中身をご紹介します。
「おてもと」をこんな漢字で書くの初めてみました。そもそも「沓」の読み方わかる人少ないよね。

そんなこんなで鳥栖駅探検をしていたらわたしの乗る「ハウステンボス・みどり11号」がやってきました。こちらは「(リレーかもめ)みどり」ではありません。ハイパーサルーン783系でした。

建物に古き良き国鉄時代の香りを色濃く残す鳥栖駅。車両はJRのものに置き換わりましたが特急のほか普通列車もデザイン性が高いうえ種類も多く見ていて飽きません。入場券で構内に入り時間が許す限り構内探検を楽しむのもいいと思いますよ。



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