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91 山陽道の宿場町で日本初のアルベルゴ・ディフーゾに泊まる・岡山県矢掛町

矢掛(やかげ)という町のことを初めて知ったのは3月のこと。

旅を考えるセミナーに参加した際、今、アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)というものが話題になっていて、その発祥の地、イタリアのアルベルゴ・ディフーゾ協会から日本で最初に分散型ホテルとして認定されたホテル、矢掛屋 INN & SUITESがこの矢掛町にあると知ったからでした。

アルベルゴ・ディフーゾについては過去にnoteでもいくつか記事を書いています。とくに58番の記事では矢掛屋 INN & SUITESのご紹介もしました。

紹介はしてみたものの行ったことのない矢掛屋 INN & SUITES。そしてその矢掛屋は山陽道の古い街並みの中に分散して建っているといいます。


古い街並み大好き。


そして日本で初めて認定されたアルベルゴ・ディフーゾとはどんなものなのか、是非泊まってみたい。


そう思うといてもたってもいられず、


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来てしまいました、矢掛町!

小田川に沿うように古い街並みが続いています。江戸初期に宿場町として開かれ、以来山陽道を行く多くの大名がこの町で旅装を解きました。

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江戸時代からの建物の間を抜ける狭い小径も遺されており何とも風情があります。

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こちらは本陣石井家住宅。江戸初期に建てられた大庄屋の屋敷であり、重要文化財です。矢掛には立派な本陣が今でもその姿をとどめています。

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これだけ立派な宿場町の街並みを遺しながら、なぜか今一つ知名度がなかった矢掛。それはここに宿泊施設がなかったのもひとつの理由でした。

矢掛屋 INN & SUITESをご紹介

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そんな宿のない宿場町に誕生したのが「矢掛屋 INN & SUITES」。2015年3月に古民家を再生させたホテルです。

こちらの本館はもとは脇本陣を務めた建物をリノベーションしています。

このホテルの特徴は、宿場町の中の複数の建物で1つの「矢掛屋」を構成するということ。居室、レストラン、共同スペースなどがいくつかの建物に分散して存在し、宿泊客が建物間を行き交うことで街の活性化にもつながる。アルベルゴ・ディフーゾの理念の一つである「地域と一体化した経営」を実現しています。

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位置関係はこのような感じになります。

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こちらも矢掛屋 INN & SUITESを構成する施設のひとつ、あかつきの蔵。この奥には古民家があって食事会場に使われているほか、土産物の販売もしています。私の泊まる棟のチェックインはここで行います。

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中はこんな感じ。フロントの方は先客をホテル棟に案内するため留守でした。これも複数の棟を擁するアルベルゴ・ディフーゾならではといえます。

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アルベルゴ・ディフーゾ協会から送られた認定書が飾られていました。

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こちらも矢掛屋 INN & SUITESを構成するホテル「蔵INN KAMON」。

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門を潜れると宿泊施設のある建物が。各部屋には毛利、浅野などかつて矢掛宿を利用した各藩の大名の名になっています。

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1Fギャラリーには各部屋の家紋が。家紋好き&歴史好きにはたまわないのではないでしょうか。


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そして、こちらが私が今日泊まる「蔵INN」。もとは米蔵だったものをリノベーションしたそうです。

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1階はギャラリーになっていて宿泊客以外も利用できます。こういう施設を設けることで街をそぞろ歩くひとが増えて活性化につながるんですね。

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私の部屋は202。米蔵の2階です。お世辞にも広くはありませんが米蔵だった名残を遺しつつ、木のぬくもりを生かした内装に内装になっていてなかなかこじゃれています。

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私の部屋はシャワーしかなく、お風呂に入りたいときはこの温浴別館に来ます。

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こちらの棟にも宿泊施設が併設されています。長屋の向こうが温泉。矢掛屋 INN & SUITES宿泊者は100円引きの700円で利用可能です。矢掛の街を歩き回って汗をかいたのでひとっ風呂浴びてきます。

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…ふぅ、いいお湯でした♨ 湯上りにおやつを頂きます。

「侍が恋するパン屋」の赤みがかった果肉たっぷりのメロンパン 330円。ふわっふわですぐに食べちゃいました。食パンはもちろんパイもあるみたいですよ。

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散策をしているうちに日が落ちてきました。通り沿いに置かれている行燈に温かみのある明かりが灯りだします。

矢掛屋INN&SUITESができて以来、矢掛を訪れる観光客は大きく伸びたそうです。古民家や蔵をうまく活用して宿泊施設にすることで空き家を有効利用し、それが観光客を呼び込み街の活性化につながっていった。これこそアルベルゴ・ディフーゾのあるべき姿であり、日本の認定第1号となったことも納得だと感じました。おととしには伝統的建造物群保存地区にも認定された矢掛宿。今後も岡山の新たな観光地として成長していくに違いないと確信しました。


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