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祝開幕!2024年各球団の戦力、選手層と注目選手 〜四国アイランドリーグplusデータレポート(3月25日週号)


2024年四国アイランドリーグplusのシーズンが開幕!

2024年3月30日(土)に20年目となる四国アイランドリーグのシーズンが開幕しました!

今年もスポナビでの試合速報のほか、各球団のYouTubeでの試合映像配信も行っています。昨年リーグを制した徳島インディゴソックスの開幕戦では糸井嘉男さんをゲストに迎えて配信していましたので、是非チェックしてみてください。

スポナビでは「独立リーグ」のタブが新設され、今年は四国アイランドリーグplusに加えて4月6日に開幕するルートインBCリーグも速報する予定になっています。

独立リーグの各球団は毎年多くの選手が入れ替わっており、昨シーズンとは大きくラインナップが変わっている球団もあります。そこで、リーグ開幕週の今回は各球団の選手を紹介したいと思います。

なお、公式選手名鑑は下記サイトで販売されていますので、よろしければどうぞ。

※記事執筆前提となるリーグでの自分の役割は、次の記事をご覧ください。

各球団の戦力、選手層をチェック

それでは、チームごとに選手一覧を見てみましょう。

チームの戦力、選手層がひと目で分かる表を「デプスチャート」と言いますが、今回はデプスチャートを意識してポジション別、年齢順に選手を並べています

開幕戦での選手起用状況も記載しており、現時点でのと野手の主力が分かる形になっています。

なお、年齢はすべて2025年4月1日時点でのものに統一しているので、いまの実年齢よりは全体的に1歳加えて表現しています。

徳島インディゴソックス

徳島ISの2024年の年齢、ポジション別デプスチャート

まずは昨年のリーグ覇者でNPBのドラフト会議でも6名の指名選手を輩出した徳島インディゴソックス(徳島IS)から。

昨年主将を務めていた増田将馬もくふうハヤテに移籍するなど、昨年から大きくメンバー入れ替わった徳島ISですが、今年も充実したメンバーが揃っています。

開幕戦では昨年主にクリーンアップを打っていた寺岡丈翔角井亮太を下位に置き、クリーンアップは新戦力の加藤響ムーディー塩崎栄多が務めました。早速ムーディーが1号ソロを放ち、開幕戦勝利に貢献しています。

投手陣では5年目を迎える白川恵翔、昨年の最優秀防御率に輝いた池戸昇太、クローザーの山崎正義らが残留。開幕戦でも登板した彼らが投手陣の軸となりそうです。

リーグ最多の38人の選手を抱える大所帯でもあり、平安山陽は2024年3月から台湾の社会人チームに期限付きで移籍しています。

愛媛マンダリンパイレーツ

愛媛MPの2024年の年齢、ポジション別デプスチャート

昨年は2位でCSに進出するも、徳島ISに敗退した愛媛マンダリンパイレーツ(愛媛MP)。リベンジを果たすべく、年間総合優勝を狙える充実した戦力が整ってきました。

開幕戦では新戦力の高橋駿介が2本塁打を放つ大活躍。高卒4年目のシーズンを迎える漆原幻汰も6打数5安打と大当たりで、香川オリーブガイナーズ(香川OG)を相手に17-1と好発進しています。

投手陣では今季副キャプテンとなったピダーソン和紀が開幕戦で先発し5回無失点に抑えました。玉置隼翔山田空暉羽野紀希ら昨年もNPBのドラフト候補として注目されていた投手も残っており、投手陣の厚みは増しています。

高知ファイティングドッグス

高知FDの2024年の年齢、ポジション別デプスチャート

高知ファイティングドッグス(高知FD)は長年チームに携わっていた吉田豊彦監督と勝呂壽統コーチが退任し、スタッフの陣容が大きく変わりました。昨年ヘッドコーチだった定岡智秋氏が監督に就任しています。

新加入選手では高校時代からNPBのドラフト候補だった落合秀市が注目で、開幕戦でも8回に登板し球速の出にくいむつみスタジアムで140キロ台半ばを複数回マーク。映像からはスライダーの軌道も独特でリーグにあまりいないタイプに見えるので、今後が楽しみです。

打線は山保健太郎坂口大輔嶋村麟士朗の中軸が残っており、彼らを中心にいかに効率よく得点を積み重ねられるかが優勝に向けた鍵となりそうです。

選手は29人と4球団で最も少なく、現状では選手層に不安が残ります。

香川オリーブガイナーズ

香川OGの2024年の年齢、ポジション別デプスチャート

近藤智勝監督が昨シーズンで退任し、新たに岡本克道監督が就任。さらに慶應義塾高校前監督の上田誠さんがヘッドコーチとなるなど、香川OGも体制が大きく変わって迎えるシーズンとなります。

選手一覧を見ても高卒1年目の選手はおらず、2年目の年齢も1人だけ。元日本ハムファイターズで昨年は北海道フロンティアリーグの士別サムライブレイズにも在籍した白村明弘が加入するなど、まずは中堅からベテランの選手を中心にチームを再構成しています。

投手陣では昨年リーグで最も投球回数の多かった河合幸輝が残り、今年も軸としての活躍が期待されます。新戦力では地元の高松商出身で甲子園でも活躍した香川卓摩が先発の一角として活躍できるか注目です。

野手も大西龍聖梶木翔馬森本大輔長嶺孝宣ら昨年からのメンバーを中心に、開幕戦で2安打を放った新戦力の山下馨矢、昨年は高知FDに所属していた山田倫がチームを引っ張ります。

NPBのドラフト会議で注目される選手は誰だ?

次に、今秋のNPBドラフト会議で注目される選手を探るべく、選手ごとに身長、体重を配置した図を紹介します。

もちろん身長、体重だけで野球の能力が測れるわけではないのですが、一般的に公開されることの多いこの2つの情報からでも様々な考察ができます。詳しくは下記の過去の記事をご覧いただければと思います。

投手の身長、体重一覧

今年の全選手の身長、体重はどのようになっているでしょうか。まずは投手です。縦軸が身長、横軸が体重を表しています。

2024年四国アイランドリーグplus、投手の身長、体重

基本的には右上であるほど体格の良い選手、と捉えてよいです。開幕2戦目に先発している愛媛MPの廣澤優は日大三時代から注目されており、体格面は頭一つ抜けています。

特に注目したいのは高卒1年目の投手で、昨年のNPBドラフト会議でも指名候補に上がっていた徳島ISの篠崎国忠はほぼ廣澤と同じサイズとなっており、ある程度早い段階での実戦登板が期待できます。

一方で、同じ高卒1年目でも宇和島東で遊撃手としても注目されていた善家朗は身長184cm、体重75kgと左上に位置しており、トレーニングによって筋肉量を大幅に上げる余白が大きく残っていると思われます。まずは身体づくりを重点的に行う方針になるでしょう。

野手の身長、体重一覧

2024年四国アイランドリーグplus、野手の身長、体重

野手の一覧はこちらです。

昨年から高知FDで活躍している山保健太郎が頭一つ抜けています。昨年は遊撃手でしたが、今年は三塁手として開幕戦に出場しており、ドラフト指名を目指す上では打撃面で圧倒的な成績を残したいところです。

大柄な選手としては徳島ISの高卒1年目、辻井佑弥はリーグ内での身長も山保に次ぐ2番目と注目しておきたい存在です。

新戦力では香川OGの山下馨矢、徳島ISの岸本大希が開幕から上位打線を打っていますが、この2人はほぼサイズが同じ左打ちの選手。学年は山下がひとつ上ですが、どちらがより目立つ活躍をできるか注目です。

遊撃手として期待が大きいのは徳島ISの加藤響で、体格的にもリーグ内ではやや大きめの位置。スカウトからもNPBでも遊撃手として活躍できると評価されればドラフト指名は近そうです。

20年目のシーズンのその先に向けて

以上、今年のリーグを戦う選手の一覧と、その特徴を一部紹介しました。

チームが年間優勝を目指して戦うことはもちろんですが。以前書いた通り、リーグでは選手個々を育て、より上位のカテゴリに人材を輩出するリーグとしての意義を強く打ち出しています。

昨年、DeNAに支配下で指名された井上絢登や、一昨年にオリックスに指名され一軍で活躍した茶野篤政らの野手は170cm台であり、特に大柄な選手がNPBに行きやすいということではないですが、NPBのスピード、パワーについていくためにはある程度の高いレベルの出力は必要でしょう。

今回は身長、体重という一般的なプロフィールとして公開されているデータから注目選手をピックアップしましたが、リーグとしても今後はより詳細な体組成や身体能力のデータを蓄積、フィードバックし、より高いレベルで活躍できる選手の特性を明らかにしていく必要があると考えています。

20年目のシーズンのその先へ、今年もデータの蓄積と分析を進めていきたいと思います。


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