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母が亡くなって1ヵ月 その2

母は8年も老人ホームにいて徐々に病が進行していったので、家族もある程度覚悟はできていたし、身辺整理もされていたので、亡くなった後の手続きは少ない方だったと思う。携帯もないしクレジットカードもない。現役世代で社会と深く関わっているような人が突然亡くなったら、その痕跡を一つ一つ消していくのは容易ではないだろう。
ほぼ終わってみれば「少ない方」などと言えるが、亡くなってすぐは手続きの多さにパニックだった。救いとなったのは、自治体が配布している「おくやみハンドブック」だ。わかりやすく手続きが一覧になっていて、これを見れば完全無欠という安心感。

おくやみハンドブック

我が家の場合一番面倒なことは、親の本籍地が遠く離れた他県にあることだ。戸籍謄本を取り寄せるには、
・先方役所のホームページから「郵送による戸籍証明書等の請求書」を印刷
・郵便局で手数料分の小為替を購入
・返信用封筒作成
・それらを先方役所に送る
という手間がかかり、送られてくるまで時間もかかる。これが地味に辛い。
もし本籍地が遠いところにあるけど何となくそのまま、という人がいたら、是非とも現住所に転籍することをお勧めする。父も、落ち着いたら転籍すると、やっとその気になった。今まで多少本籍地に思い入れがあって移さなかったらしい。
手続きのラスボスが遺産相続だ。母の遺産はシンプルに銀行預金のみだったので、ナンタラ事務所に頼まなくても自力でできるかも?とやってみることにした。手元にパソコンがないので、遺産分割協議書の文例検索も作成もiPhoneひとつでやりコンビニで印刷。
我が家の場合面倒なことその2、私の姉が海外にいるのだ。
相続人が海外在住で印鑑証明もない場合、大使館に行ってサイン証明書と在留証明書を取ってきてもらわなければならない。
そんなわけでこれは時間がかかること仕方なし。手続き継続中である。

さて、母が亡くなったというのにまるで事務的な話しかしないのもなんなので思い出も少し。
母は和裁も洋裁もできて手芸全般得意だった。私はよくスカートやワンピースを作ってもらったし浴衣も作ってもらった。そして母によく助けられたのが家庭科の宿題だ。
昔の家庭科は今のように制作キットでせいぜいエプロン程度作るような簡単なものではなく、自分で手芸屋さんで布を買ってきて自分で決めたデザインで型紙を切りスカートやらワンピースやらを作るという本格的なものだった。
そして提出日前日は必ず徹夜になった。徹夜で作ったのはいつも母だった。
ありがとうお母さん。

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