GIFT

 今までのどんな野球漫画をも超えた投打の才や、歴史上にみても稀な将棋の頭脳、歌って踊れる少年たちの端整な容姿など天に与えられたギフトを持つ者たちがいる。
 最近私が憧れるのは、お茶請け選びがセンス抜群なギフト保持者だ。
 袋内にパウチで幾つか入っているパーティータイプのものが世の中に無数と存在する中、甘いとしょっぱいのバランス感覚。そろそろ食べたくなってきた頃の大手製菓の定番商品はもちろん、新商品や期間限定物など攻めの姿勢をも決して忘れない。物価高騰とはいえ、どこのスーパーでも大抵見ることができるので3~4袋分の値段もわかり、貰う側もそう気兼ねをしない。賞味期限やお土産なんかの特別感もなく、何より押しつけがましくない。
 
時代が時代なら、懐で雪駄を温めたり、飲む人の加減でお茶の温度を調整した偉人たちを凌駕するものがあるだろう。

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