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やっぱり京都が好きだ|うどん編

誰になんと言われても、私は京都が好きだ。
世の中嘘ばかりだけど、これだけは真実と言える。それくらい京都が好きである。しかし、どうしてこんなに京都が好きなんだろう?と、鴨川を歩きながら考えてみた。
まず、歩いていて楽しい。ちょっと歩けば、気になる面構えの建物があったり、ふと神聖な気持ちになるような大木、味のある古本屋に出会えたりする。京都民の憩いの場、鴨川があるのもポイント。視覚的に飽きがなく、かといって情報過多な訳でもない。(繁華街を除く)歩くものを飽きさせない街である。
次に、食べ物が美味しい。それは言わずもがな。自慢じゃないが、京都に来ると必ず胃腸を壊す。これは京都のグルメを楽しむためにはトレードオフだと思っている。胃薬が手放せない。
そして、自分が歴史の一部であることを実感できることも京都の最高ポイントだといえよう。前述した通り、歩けばなにかしらの文化史跡・遺跡に巡り会える。そういったスポットで、「新撰組も同じ景色見てたんだなー」とか考えていると、お手軽に脳内でタイムスリップができる。
書けばキリがないほどに、京都という存在は私の心を掴んで離さないのだが、今回の京都テーマは、ずばり「うどん」である。
当方、あまりうどんを好んで食べてこなかった人間なのだが、うどんに「お」をつけて少し高尚に呼んでしまいたくなるほどに、京都のおうどんの奥深さに気がついてしまった。
コシがなく、やわやわの麺に、濃すぎない上品な出汁。底冷えする京都では、あっつあつの餡が乗っているあんかけうどんが好まれているそうな。それは胃痛持ち、末端冷え性の私には渡りに船な逸品ではないか。という経緯で、今回はおうどんにフォーカスを当て、京都の街をさんぽしてみた。自分用の覚書として、はたまた同様に胃痛持ちだが京都のグルメを楽しみたい方に向けて、美味しかった京都のおうどんを列挙していこうと思う。

京都のおうどん、ここが美味しい5選

1.自家製麺 天狗
京うどんの美味しさに気づかせてくれたお店。この日も案の定お腹を壊していて、とにかく体を温めたいなあ。と探していたら辿り着いた。頼んだのは冬季メニューの「霜ふりうどん」。簡単にいうと、粕汁の煮込みうどん。ぐっつぐつに煮えたぎった状態で提供されたので、逆猫舌の私は大歓喜。最後まで熱々のままでとっても美味しかった。

霜ふりうどん

2.天狗食堂
同じ天狗だが、全然違う天狗。この日もお腹の調子が悪すぎて、絶対にうどんを食べると決めていた。かつ、ちょうどランチタイムを逃してしまったので、通しでやってるとこないかなーと探していたら発見。いただいたのは「たぬき」。京都では、刻んだお揚げ、ネギの上に、あっつあつのあんかけをかけて、すりおろし生姜をトッピングしたおうどんのことを、たぬきと呼ぶらしい。このたぬき、あまりにも美味しすぎて、きつねからたぬき派になってしまった。

たぬきうどん

3.京うどん 生蕎麦 岡北
この日は比較的胃の調子が良かったのだが、「京都のおうどんといえばここ」とも言われる有名店が気になり、足を運んだ。「海老天ぷらのけいらんうどん」が気になりつつ、「たぬき」の美味しさを知ってしまったため、後ろ髪を引かれる思いで「たぬき」召喚。これが、本当に美味しかった。上品な出汁の香り、麺はもっちりしていて歯切れが良くお箸が止まらない。45分並んだけど15分くらいで完食。また京都に行ったら絶対に行くと決めている。

たぬきうどん

4.だいりき
夕飯には早い時間帯だが、少し小腹が減っていて、かつそこそこ胃も弱っていたので、優しいおうどんが食べたいなあ。と思い、検索して見つけたお店。ザ・食堂という内装と、優しい店主のおじさんに癒されながらいただいたのは、「のっぺい」。かまぼこ、椎茸がトッピングされたうどんの上に、琥珀色の綺麗なあんかけとおぼろ昆布、すりおろし生姜がトッピングされていた。見た目通りの名前で愛らしい、そして美味しい。うどんを頬張りながら、時々かまぼこや椎茸を少しずつかじる。こういうささやかな幸せを堪能するために生まれてきたんじゃないかと思う。

のっぺい

4.日の出うどん
この日は「のっぺい」を食べるぞ。と前日から意気込んで日の出うどんへ。が、目の前に運ばれてきたのは「特カレーうどん」と「かやくご飯」。おいおい、私はカレーは好きだが、カレーうどんに関してはさして興味がないし、なんならあまり選ばないメニューではないか。ともう一人の自分が驚きを隠せずにいた。実は行列に並んでいる最中、前の人が次々と「カレーうどん」と頼んでいたため、なんとなく「ここはカレーうどんのお店なのか?」と察し、流れに逆らえずカレーうどんを注文してしまったのだ。しかも調子にのって、海老天トッピング、かやくごはん付き。胃は完全に「のっぺい」モードになっていたため、さぞかし驚いたことだろう。うどん屋さんらしく、出汁の香り100%の美味しいカレーうどんで完食したが、胃痛に拍車をかけてしまった。(お店のせいではなく、私の胃の弱さが原因である)次回は胃の調子を整えて、「のっぺい」に挑戦したい。

特カレー・かやくごはん

5.冨美家
今日は絶対に「のっぺい」だ。のっぺい以外頼まないぞ。と前回の日の出うどんでのイレギュラーな行動を反省し、無事のっぺいを注文。湯葉、生麩、ほうれん草、椎茸、かまぼこに、あつあつのあんかけ、三つ葉がトッピングされており、実に贅沢な逸品だった。食べ進めるごとに出会う豪華な具材の影響で、自分は贅沢し過ぎているんじゃないか。と錯覚する。この豪華さをのっぺいのスタンダードだと思ってはいけないぞ、と自分に言い聞かせて完食。上記に挙げたお店の中で一番薄味で、美味しいお出汁でした。

のっぺいうどん・かやくごはん

以上です。
まさか自分がパンとカレー以外のことで、ここまで書けるとは思わなかった。それほどに、京都のおうどんは楽しい。同じメニューでもお店によってまったく違う味わいを楽しめるんだろうな、と想像すると、京うどんの奥深さが窺える。そして、私はもっと自分の胃を労って生活していかないとな、と思った。

番外編:山元麺蔵
京都のおうどん、というより讃岐うどんのカテゴリーに分けられるであろうお店。美味しかったので2回行ってた。

みぞれ揚げ餅うどん・ごぼ天
ざるうどん

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