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日めくり俳句

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季節に感謝する気持ちを忘れないように、できれば毎日、自分の句と先輩方の句をアップしようと思っています。仮に途切れることがあっても、季節は絶え間なく進みますので、私も気を取り直して…
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2020年8月の記事一覧

梨でなく敢へて幸水と呼びたし

幸水は、酸味がないので、安心してシャキシャキ噛めます。大きさも、二人で半分ずつ食べるのに…

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痣あるも熟れたればこそ桃は桃

アザアルモ・ウレタレバコソ・モモハモモ 「わけあり、お値引き」上等じゃないですか。それが…

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葡萄食む仕草にのぞくお人柄

爪を立てて上手に皮をむく人、丸ごと頬張って種まで食べてしまう人、葡萄の食べ方は人それぞれ…

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残暑にはカルメンマキとしゃがみこむ

「残暑」は8月の季語です。でも、だからって、こんな独りよがりな呟きは「俳句じゃありません…

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誰が植えしカンナは見るに堪えぬ赤

ダガウエシ・カンナハミルニ・タエヌアカ 花に罪はありませんが、こう暑いと、カンナは直視で…

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一歩ごと何か飛び出す花野かな

トンボだったり、コオロギだったり、あわてふためいて逃げていく様が面白い。怪獣になったよう…

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青を待つ人のリュックに猫じゃらし

信号待ちをしている時、前の人のリュックから猫じゃらしが顔を出していて、猫を飼っているんだなぁと思いました。散歩の土産かしら。きっと優しい飼い主さんなのでしょう。 (今日は、他の方の句を探す余裕がありませんでした。実はかなり忙しくて。note の皆さんの記事も追えていません。あしからず。)

新涼の風来て空の後ずさる

シンリヤウノ・カゼキテ・ソラノ・トホザカル 朝夕に涼しい風を感じることがあって、「これが…

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今日も又あさがほ昨日とは別の

ケフモ・マタ・アサガホ・キノフトハ・ベツノ 朝顔は、基本的には一日花だそうです。通りすが…

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朝顔のエールに応へ仕事場へ

アサガホノ・エールニコタヘ・シゴトバへ 朝顔を見ると元気になります。メガホンで「ガンバレ…

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朝顔の添木をつかむ愛らしさ

アサガホノ・ソエギヲツカム・アイラシサ この句とは関係のないことを書きます。朝顔繋がりで…

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鬼灯や夕陽と赤を競ひあふ

ホオズキヤ・ユウヒト・アカヲ・キソヒアフ 一昨日に引き続き「ほおずき」を観察しています。…

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墓参り我より若き父と会ふ

一緒に行ってくれる人がいて幸せです。 「墓参り」は八月の季語。 姉と呼び通せし母の墓洗ふ…

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仏壇の鬼灯むく子甘き香

ブツダンノ・ホオズキ・ムクコ・アマキコウ ほおずきを見ると剥きたくなります。そして爪を立てて引っ張る時、若干の罪悪感に襲われます。見た目よりも固くて生きている感じがするから。でもそんなのはほんの一瞬で、溢れてくるあの香りに感心が移ります。 あの香りを17文字で表現したかったのですが、難しい。今日のところはこんな感じで。 鬼灯を鳴らして深きゑくぼかな 城谷文城