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年賀状あるある

1/5に元旦と書かれた年賀状が届いた。
元旦にきちんと届いた私宛の年賀状はSixTONESだけだった。

その人から年賀状が来ること自体が久しぶりで、どうしたんだろうと思った。
年賀状あるあるの、久しぶりです。今年はご飯でも行きましょうと書いてあった。

その人とは小中時代によく遊んだ。親友だとお互い思っていただろう。過去形だ。
その人は読書が好きで、ハリー・ポッターと賢者の石を貸してくれた。
わたしはこの世で一番面白い本だ!と感動したのを覚えている。

当時、2人でよくポケモンピンボールの話をしていた。
わたしがその人を思い出す時、ポケモンピンボールを思い出す。

久しぶりです、の文字があの頃と変わっていなかったから、熱心に2人で回していた交換日記を思い出した。
わたしはハガキではなく、封書で返事を書いた。おかしなことは一切書いていないが、たった1人に宛てる手紙を誰にも読まれたくなかったからだ。

近所の中華屋と、最近ハマっているチキンの店を候補に上げて、土日ならいつでも、平日の夜も曜日次第ならと前のめりな姿勢を伝えた。
これでLINEがこなくても、別に気にしない。
寂しくは思うけれど、もう期待していないんだ。

我が家には表札が二つあった。
母親の旧姓と、結婚してからの姓。
父はいわゆるマスオさんだったが、ある日突然帰ってこなくなった。

そして、表札は一つになった。

それから何年も経った時、その人から連絡が来て食事をした。
その時に、表札がなくなってるけどどうしたの?と聞かれた。
両親が離婚したことと、今も実家に住み続けていることを伝えた。

「家の前通ったなら、LINEしてくれたら良かったのに」
「その時、忙しくて」

たったその一言で、大親友だと思っていたものが揺らいでしまった。
表札がなくなって何かあったんじゃないか、と思った時に一言でもLINEをくれるかどうか。
自分の生活でいっぱいいっぱいだよね。

その人を嫌いになったわけじゃない。
一緒に美味しいものを食べて、今はどんな本を読んでいるか知りたい。
キノの旅、面白かったよねと思い出話をしたい。

忙しいあの人が、手紙の封を開けてくれていますように。

お年玉付き年賀はがきの当選番号が出たから、妹に「確認しておいて」と渡した年賀状の束が去年のものだったらしい。
去年の年賀状の束を食卓に置かないで!

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