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「食道がん」で胃が無くなった(3)

「食道がん」手術で「胃」が無くなったことのまとめです。今回は、切り取った臓器の写真(かなりグロいですので、閲覧にはご注意下さい)も載せています。前の記事は、こちらです。

「食道がん(胸部食道がん)」手術は、食道を上部の5㎝くらい残して全摘出するので食べた物の通り道がなくなります。そのため、代わりの通り道を作りのに、一般的に「胃」が使われます。主治医から説明された時の図です。

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左上の図のように胃を1/3位切り離して右の図のように管状に再建して残った食道の下端に吻合します。胃液は分泌されますが、食物を貯めて消化を助ける機能は失われます。食物を一時的に溜められないため、量を取ることができません。食事は一回の量を減らして一日6食の生活になります。

説明された時は、デフォルメされた図だろうと勝手に解釈していて、この図のように胃を1/3も切り細長くなって胃の機能が失われるとは思っていませんでした。ある程度、胃の形は残ったまま上に引き上げられるのだろうと言う理解だったので、本当に「胃」が無くなるとは思っていませんでした。

これから、手術をされる方の参考に、どのくらい摘出されるのか僕の場合の写真を載せておきます。生々しくてグロいのでご注意下さい。

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!CAUTION!

※臓器の写真があります※

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術後に病理検査を行う摘出臓器を妻が撮った写真です。写真では短く見えますが、食道は伸ばされて25㎝くらいの長さになっているそうで、切ると縮むそうです。写真は切り開いた内側で丸で囲った白く見えるところが原発巣で、矢印のところから「胃」になります。周りについているのがリンパ節です。

再建された「胃」は、元々食道があった位置を通すとは限りません。何通りか経路はあるのですが、僕の場合は左下の図のように胸骨の裏側を通しています。残された食道は気管の裏側にありますから、表側へと回すことで吻合部が捻じれることがあり、胃液や食物が洩れて炎症を起こしたり、食べた物が詰まりやすくなり飲み込みにくくなります。

元々「食道」があった位置を通すと、今度は食べた物が通りやすくなる半面、胃液が逆流しやすく「逆流性食道炎」になることがあるそうです。

「食道がん」手術は術後の食事が難しく、ある程度食べられるようになるまで3カ月くらい掛かるのが普通のようです。食べられない期間は「腸ろう」を設置して栄養補給します。食べられないことを見越して、手術の際に「腸ろう」を設置することも多々あるようですが、僕は設置しませんでした。

現在、術後1カ月半ほど経っていますが、未だに満足に食べることは出来ません。呑み込み難く咽喉の辺りで詰まることもあり、時々逆流してきます。以前のように好きなものを好きなだけ食べるという事ができません。

また、1カ月後くらいに吻合部が「狭窄」を起こすことがあるようです。そうなったらバルーンを入れて広げるそうですが、何度も狭窄を繰り返す人もいるようなので、呑み込みが悪い時は不安になります。

3カ月くらいを目途に徐々に以前のように食べられるようになると言う事ですが、「本当かなぁ?」というのが正直なところです。今は食べやすいものを選んで食べていますが、それでも呑み込みが悪いことがあります。

手術は不可逆な治療ですから、この体で残りの人生を生きて行かなくてはなりません。食べられないというのは、辛いものです。

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