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昭和大学リカレントカレッジリポート  岐阜県で行う私のCancer Agenda 19.

この記事は、2023年10月から2024年2月まで昭和大学リカレントカレッジで開講した講座「CancerX」の受講生の皆さんの、最終リポートをご紹介します。


岐阜県で行う私のCancer Agenda 19.がん領域以外の多様な立場の人とも学び合う
                           馬場雅子

私が行っているコレクティブインパクトは2つあります。2023年2月より活動を始めました。行政に協力を得て多職種メンバーで行う活動です。

1つめは岐阜市立中央図書館での「がんについて語り合おう」を図書館司書さん2人に担当していただきながら、私とがん教育を行っている医師、がん経験者のフリーライター、がん経験者の社労士、看護師の5人で運営しています。がん・トーク会岐阜県チームを結成させての活動です。

2023年は計3回、行いました。テーマを決めて専門家よりミニレクチャーをしていただいた後にフリートークを行いました。対象者はどなたでも良く様々な立場の方が参加され、ざっくばらんに、がんについてフラットな関係で語り合う会です。

2つめは各務原市長期生涯学習で大人のがん教育「がんマニュアル」を2023年10月~12月まで5回、行ったことです。各回、テーマに沿った専門家を講師として、大人のがん教育を行いました。がん経験者の方もいれば家族、がんに関わりのない方も多くいらっしゃいました。がんについて正しい情報を流すことができ、参加者の評価は抜群の物でした。

この2つの課外活動はどちらも終了後、爽やかな表情で参加者は帰って行かれました。その人達を見て私が考えた課外活動は皆さんが求めていることだったと明確になりました。

岐阜県は超保守的と言われる県民性で新しい人、事を受け入れにくい土地柄であります。(最近では移住者の受け入れも進んでいますが。)このような土地柄で「がん」というネガティブな話題を取り扱うことは私が考えている以上に大変でした。私がこのような企画を行いたいという強い志を持って行政に働きかけたこと、賛同者を得て協力を得るためには多くの苦労を積み重ねました。しかし、強い思いを持って岐阜県でがんに苦しむ人を減らしたいという一心で挑みました。

医療従事者、がん経験者という両者の立場である私。But Newsを告知されて3年半。治療終了して2年半。全人的苦痛を経験した私は、岐阜県において「がん」についての社会課題を少しでも解決していこうと行動してきました。

がん経験者に対する社会の厳しさも味わいました。
「自分がやろうとしていることを最初は笑われるかもしれない。馬鹿にされるかもしれない。だけど、何度も立ち向かっていくうちに誰も笑わなくなる。新しいことをやるということはそういうことだ。」と教えてくれた人の言葉を忘れないように今日まで来ました。

日本のへそ・ど真ん中で注目されてもよさそうな場所でありながら愛知県の植民地と呼ばれ、超保守的な岐阜県。国の法律なども全国を先駆けずに追いかける地域。私の活動は全国に先駆けるコレクテイブアクションであり、自身やがん経験者・がんになっていない人も生活者として誰もが生きやすい岐阜県にしていく活動です。そのためにはレジリエンス(しなやかさ)を身につけて周囲の人の協力を得ていこうと考えます。

2024年1月から新たな活動がスタートします。日本がんサポーテイブケア学会の患者・市民参画ワーキンググループ設立委員に選出されたことです。日本・岐阜県のがん対策に寄与できる1人になっていきます。


オンラインで発表する馬場さん

昭和大学リカレントカレッジ
CancerX(オンライン講座) ~がんと言われても動揺しない社会へ~

2022年秋より昭和大学にて開講している社会人のための講座です

講座内容
毎年新たに100万人が、がんになる時代。その数は、生まれてくる子どもより多い。「がん」経験者、がん患者の家族や友人、職場の同僚。立場は違えども、すべての人が、「がん」の当事者と言えるでしょう。
本講座では、Collaborate/Change/Cross Out(かけあわせる/かえられる/かこにする)を軸に、情報や経験を共有し、アイデアをぶつけ合い、イノベーションの糧にするとともに、がんと言われても動揺しない、より良い社会をめざすための基本的なスキルを提供し、新しい社会活動の糧にしていきます。

リポート監修
CancerX 糟谷明範、鈴木美慧、鎌田真寿

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