見出し画像

World Cancer Week2024リポート 【CancerX Open Talk with Stupid Cancer】〜海外のAYA世代患者支援団体から学ぶ〜

2024年1月28日〜2月4日まで行われた、World Cancer Week 2024
このリポートは【CancerX Open Talk with Stupid Cancer】についての報告です。


■開催概要

【日時】2024年2月3日(土)13:15〜14:15
【形式】オンライン
【登壇者】
Alison Silberman 氏(Stupid Cancer, Inc. CEO )
Toru Kishida [岸田 徹] 氏( Representative Director, NPO Cancer Notes )[NPO法人がんノート 代表理事]
moderator:Steve Sugino 氏( Bristol-Myers Squibb K.K., President ) [ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社 代表取締役社長]
同時通訳者:田尻 忠邦 氏( 社会福祉法人 聖ヨハネ学園 理事長 )

■セッション概要

Do you know the term AYA generation?
It primarily refers to individuals from adolescence (starting at 15 years old) to their 30s. Being diagnosed with cancer during this period presents various problems due to the individual’s young age.

In the U.S., a unique organization called Stupid Cancer supports cancer patients in the AYA generation.

In this session, through the initiatives of this organization, we will learn and reflect upon the unique issues and challenges specific to the AYA generation.
#CancerX #WorldCancerWeek #WCW2024 #CloseTheCareGap

AYA世代という言葉を知っていますか?
主に、思春期(15歳~)から30歳代までの世代のことを指しています。
この時期にがんに罹患すると若さゆえに起こるさまざまな問題があります。
アメリカには Stupid Cancer という AYA世代のがん患者を支援するユニークな名前の有名な団体があります。

このセッションではこの団体の取り組みを通して、AYA世代特有の問題や課題について学び考えます。

■セッションサマリー

今回のセッションは、日本とアメリカをオンラインで繋ぎ、お互いに同時通訳を行いながら進めました。今回のセッションリーダーを務めたCancerXメンバーの ゆうたん(三嶋 雄太氏)に、セッションについて話を聞きました。

セッションの狙いについて

日本の患者会の話を伺うと、いつも資金不足、仲間不足の話が出てきます。
特に日本の患者会は、規模の小さいものも多く、資金やネットワーク、言語が壁となり、グローバル情報にアクセスしたり、海外の団体と協同することが難しくなっています。
一方、海外で活動している患者会の中には、グローバルな製薬企業とのネットワークを持ち、積極的にキャンペーンを行い、多くの資金を集めている団体があります。
そこで、このセッションではアメリカの有名な患者支援団体であるStupid Cancerの活動を取り上げながら、これらの課題の解決の糸口を探したいと考えました。

セッションの内容は

それそれの団体の活動を紹介した後、患者中心の医療に向けた課題やグローバルネットワークの重要性について、話してもらいました。
特に、AYA世代特有の課題に関して登壇者同士が日米の課題について、積極的な情報交換を行いました。

Stupid Cancerの活動も、はじめは「Stupid」という言葉が批判を受けるなどしていましたが、それも彼らにとってはあらかじめ織り込み済の話で、人々の興味を惹きつけて、ちゃんとした活動の中で次をきちんと知ってもらう。本当にそこにストーリーがあって、ナラティブがあればもう全く問題ないということが分かりました。

患者会同士のつながりが大きくなり、多くの人たちが参加すると多様性が担保される。その上で、グローバルネットワークを活用することで、治療や薬、政策へのアプローチなどの情報共有や、アドボカシー活動の強化が可能であることがわかりました。

患者中心の医療を実現するためには、患者同士の連携が不可欠であることが改めてわかりました。

今後の展望

毎年、海外の患者団体と繋がるオープントークセッションを開催するなどして、患者会同士のグローバルネットワークを構築していくことも進めていければと考えています。

また、今回は日英双方向の同時通訳という、最も難しいであろう方式でコミュニケーションを実現することができました。お互いに気持ちと課題意識の共有があれば、オンラインツールや、テクノロジー、通訳の力を活用することで、言語の障壁は恐れるものではない。ということが示せたと感じています。

今回のセッションを通じて、日本の患者支援団体の方々が、自分たちでも国の壁を越えて活動を広げられることができるかもしれない!と感じてくださったら嬉しいです。

CancerXでは今後も言語の壁を超えた情報共有とコミュニケーション促進を進めていきたいと考えています。

◾️セッション動画を公開

今回のセッションは、動画にて日本語版が無料公開されています。
ぜひご覧ください

全てのセッション内容はこちらへ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?