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WCW2023【CancerX Global】~Close the gap in the access to clinical trials for patients with cancer〜


登壇者の皆さん

■セッション概要

新しい治療の開発に必須の臨床試験。大規模な臨床試験は欧米主導であることが多く、臨床試験の参加者は自ずと欧米の患者が中心となります。

こうした臨床試験で効果が確認された場合でも、人種の違いによる生物学的多様性を踏まえると、確認された効果がその他の地域の患者でも同様の効果が出るとは限りません。

臨床試験終了後に多様な国ですぐに導入できるようにするには、多様な国から臨床試験に参加する必要がありますが、そういった環境を整えるには何が必要なのか。

臨床試験を主導している米国の視点からPazdur先生、日本でアジア諸国からの臨床試験参画を促している中村先生、臨床試験においてマイノリティや社会的弱者に公平な機会を与えるために活動しているFolakemi先生、ハワイを含む太平洋島しょ地域で臨床試験を主導している上野先生を招き議論を深めました。

セッションから

■セッションサマリー

セッションでは各登壇者から、世界のどの地域でも治験へのアクセスにおける格差があるという問題提起から始まりました。その格差が生まれるのは、国や人種だけでなく、その地域の風土・風習や医療への信頼度など、様々な要因が絡んでいると指摘がありました。

そうした格差を乗り越えるためには、各国政府の臨床試験に関する規制の国際調和、分散型臨床試験で地理的なアクセスの改善、経験の少ない国でのキャパシティビルディング、臨床試験への参加が少ないグループの参加促進、臨床試験の説明文書をより分かりやすくする等の、対応策が挙げらました。

こうした対応策に加え、国同士、国と製薬企業、製薬企業と参加者の間の信頼関係が重要であり、常にWin-Winとなる関係構築に注力する必要があり、製薬業界に参加者の多様性が必要であることを認識してもらうことが特に重要とのメッセージがありました。

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