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医療従事者が患者の場合

自分の勤務先の職員が体調不良の際に、
気楽に相談されることは多いが、

他施設の医療従事者が患者として来る場合は、通常の先生ならちょっと
かまえると思う。

自分も、多分、全体の患者数から考えると、医療従事者、特に看護師さんが患者さんとしてくるケースが多い気がする。
他施設のドクターにもカテしたこともある。

そんな中で、今、僕がカテをしている中で、
奇跡の著効を示してくれている九州地方の患者さんの話。

なお、僕は、たった1例の著効例をみつけて
他の人にも効くだろうと同じ治療を勧めたりすることはない。
確率の問題であって、奇跡的に著効する人は、一定数出現する。
だから、ちゃんと全体の患者さんをみて、奏功率を、生存率を出し、
当院のベストの治療をお勧めしている。
特別なにかしているわけではなく、奇跡というものは、科学の中で
時折気まぐれで生じるものだ。

脱線したが、この患者さん、初診の時から非常に明るい女性です。

まだ今回で3回目のカテなのに、随分と病棟にも僕にも慣れていると思います。
比較的、僕は患者さんとなんでも話す方なので、人間関係は皆さんと良好な方だと自負しますが、この患者さんはご自身から入ってこられるので、さらに話しやすいですね。

さて、この奇跡の患者さんも医療従事者です。
そして、僕の性格上、結構はっきりとした説明をしています。
ぼかした説明は誤解を招く、それが後半戦のがん治療をぶれぶれにするから。

明日カテをするのですが、
今朝、回診に訪室した際、ふいに医療従事者なんだけど
同時に鍼灸師であることの話になりました。
以前も伺っていたので、そうやそうやと言いながら、
自分に施術しないのかとか、がんに効く施術はどうなのとか
僕も素人みたいな質問をしてました。

そしたら、先生、ちょっと時間ありますかと、
なんといきなり、僕の身体をチェックし始めてくれたんです。

実は、このカテーテル治療をやっている医者あるあるなんですが、
鉛のエプロンをずっとしょってカテしてます。
医者25年目くらいの自分は、蓄積されたこの重さのせいで、
腰椎が3つ、変形していて、その間の2つの空間にある椎間板が
圧迫され消滅しています。
病名は変形性脊椎症、それに伴う左坐骨神経痛です。
(僕が、婦人科の最初の患者さんで、坐骨神経痛になっている人にいろいろと詳しい症状確認ができるのは、自分も同じ症状だからです)

あれよあれよと診察が病室ではじまり、背中だけでなく、両足や背中、脇の下付近、目の周辺や頭頂部あたりもぐいぐいとチェックされました。

おお、これはほんまもんや〜!
気持ちいいやん

今日は、朝、病棟の患者さんが急変して、7時には病院について働いてたので、
外来開始まで時間的余裕があり、
ついつい甘えて、色々とされはじめてもらっちゃいました。

ちょうど特室に入院されてて、畳があったので、
先生、そこにちょっと寝てみて
と言われ、これも色々としてもらい
毎日のセルフケアまで教えてもらいました。

どうやら、海外で超活躍している某有名プロ野球選手も施術している鍼灸師のお弟子さんらしいです。

西洋医学一辺倒の自分(大体の医者がそうだと思いますが)。
こういう東洋医学って、やっぱり大切なんだなあと
自分の身体で感じました。

ある程度施術してもらって、先生どう?って言われたとき
いつも朝特に痛い、左坐骨神経痛が無くなってる!
上半身が軽い!
目がよく見える!

この人は、ゴッドハンドや〜 
すごいぞ、っと朝、急変患者対応で早朝慌てて起きてきて寝不足の頭がすっきりとして、感心しました。

そして、これからあと何回、カテをやるかわからないのですが、
入院するたびに僕に施術してくれるそうです。

なんといい人だろう。
のがしたくない(笑)
でも、この人に限って、カテしてるところが著効して
逆にもうあとあまりやらなくても病気が消滅しそうな状態。

うーん、九州だし、俺自身が通えない。
これは、だれか関係者を教わって、鍼灸を受け続けたい。
そう、真面目に思いました。

そして、そろそろ外来に行かないと、という時間になり
彼女が僕に言ったこと

「先生、これ、賄賂ですからね(笑) 明日のカテよろしくお願いしますよ〜」

吹きましたww


もう体調良くしてもらいましたんで、明日もまた、しっかりと頑張らせてもらいますよ。でもなあ、こんなに効いてるとなあ、もうそんなに大阪に来る必要がないかもなあ、と、ちょっと寂しくなりました(笑)


僕は、本当に困って、僕しか治療できないような難しい患者さんばかり診ているせいか、気づけば患者さんととてもフランクに話せる関係になることが多いです。

こういうのは、 僕のポリシーであり、医療スタイルですね。



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