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山村留学を決めた本当の理由

最初の記事で山村留学に来たのは圧倒的な自然の中で過ごしたい、川遊びを思う存分させてあげたいからと書きました。
実は山村留学を決めた決定的な理由はそれだけではありません。
自然の中で過ごすことは実は茨城の自宅周辺でも十分に可能でした。
(川遊びは遠出しないと無理ですが)
山村留学を決心する本当の理由は2年生に進級した娘の変化にありました。

顔の生気がなくなっていく娘

娘の5つ上にはお兄ちゃんがいます。娘が一年生のときには兄が六年生。
娘はお兄ちゃんと一緒に学校に通えることが嬉しくてたまらない様子で一年生のときは張り切って学校に通っていました。
担任の先生もやさしいおばあちゃん先生。毎日が目新しく学校大好きでした。

ところが2年生に進級し、兄が中学に上がったこと、そしてクラス替えに担任の先生も変わってしまい、1年生の担任は別の学校へ。
同時に新しく赴任した校長先生は中学校から来た先生で、新年度の学校のスローガンは「我慢する子、仲良くする子、頑張る子」という、ちょっと厳しい印象。
全国的な学力向上の動きもあり、毎日のドリルの宿題、宿題のチェックの仕方に娘が不安を覚え始めました。
2年生は学校にも慣れ始めて、課題も増える頃。
ドリルが遅れると泣きながらこなしてみんなに追いつこうと頑張る。
周りを気にする娘は周りの子(特に男子)が怒られないようによくお世話を焼く。
先生の顔色を伺い無意識にビクビクしながら過ごしていたのでしょう。
金曜日に下校すると「やった〜学校おやすみだ〜♪」とニコニコスキップして帰ってくる。
月曜日には「あぁ、今日から学校かぁ」と肩を落として投稿する。
そんな日が続いて、だんだん娘の顔から生気がなくなっていく様子に、なんだか私は胸が痛くなり、見ていられなくなってしまいました。

環境を変えてあげたほうがいいんじゃないか。
本人は「学校が大好き」と言葉では言うのですが、言葉と態度がどうしても結びつかないのです。
そこはクラスの人数は30人弱、1学年4クラス。
地域では大きい部類に入る学校です。
大人数なので個人よりも集団を優先しなくてはならない場面も多くあったのでしょう。
誰かが指示に従わず怒られるとまるで自分のことのように感じて萎縮してしまう娘です。
ちゃんとしなきゃ、がんばらなきゃ、先生のいうこときかなきゃ、いつしか自分よりも周りを優先するようになっていたのではないかと思います。

補足すると、先生はそれほど厳しいわけでもなくお兄ちゃんの担任をしていたこともあって気さくに感じていたよい先生でした。
先生のせいということよりも、進級して1年生が入ってきたこともあり、上級生としてちゃんとしなきゃという自覚が芽生えていたのかもしれません。
繊細な娘には学校はしんどいところになっていたということだと思います。

公園にお友達がいない

さて、2年生に進級してから娘が学校で元気がなくなったことが一番の理由ですが、まだありました。
それは放課後のことです。
うちの近所には子どもの足で歩いて10分くらいのところに大きな公園があり、お兄ちゃんが低学年の頃には放課後はいつもそこまで一緒に行き、公園に来ていたお友達と暗くなるまで遊んでいました。
その頃の気分で娘と一緒に放課後公園に向かうのですが、子どもがいないのです。
あれ?お兄ちゃんの頃(ほんの5年前)にはあれだけわんさかいた子どもがどこへ行っちゃったんだろう?
子どもたちはどこで遊んでいるんだろう。習い事?
お兄ちゃんも習い事してたけど、公園に行ったら誰かに会えた。
でも娘の友達にはほとんど会えない。
「学校でお約束しておいでよ」と言っても、仲がいい友達は学童だったり、公園からはちょっと遠いから行けないなど、うまく見つからない。
他の学年の子はちらほらいるけど、それも数えるほど。
どうしちゃったんだろう??

日中は学校のコンクリの校舎の中で椅子に座ってじっとしているから、有り余ったパワーを放課後外で発散するのが子どもだと思っていた。
実際、お兄ちゃんは暑かろうが寒かろうが外へ飛び出し、幸いなことに公園に行けば仲間に会えて、思う存分遊びきった。
娘にも外で思い切り遊んでもらいたいな。山へ行けば顔なじみのお友達が近所にいる。
こっちにいるよりも、山に行けば暗くなるまで放課後をお友達と過ごせるんじゃないかな。

この子にはもっと他にいい環境があるんじゃないか。
そんな思いがあって、娘を山村留学に連れ出したというのがことの真相かもしれません。
娘には自分の状態が元気がないように見える自覚もなかったし、学校に不満をもらすこともなかったし、お友達とは遊びたいけどママと一緒ならいいなんて言って、そんなに環境の変化を望んでいませんでした。
娘にしてみれば、山村留学は2ヶ月という期間限定だからしぶしぶ承知したという感じです。
もう、親の一方的な思いです。
でも私には確信がありました。
山に行ったら、きっとこの子は元気になるって。
そしてその期待はそのとおりになりました。

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