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子育てはみんなで

私には2人の子供がいます。今は中学生になる上の子は幼児期に2回の引っ越しをして保育園、自主保育、幼稚園と転園転園して、新しい地で新しい人間関係を親子ともども育みながら暮らしてきました。どこの場所でも子育て仲間に恵まれて、ワンオペ育児を免れなんとか子どもは大きくなってくれました。親子だけの関係性では活発で人が大好きな息子にとっては物足りなく、私にとっても思い通りにならない息子との時間はイライラの種になってしまい、いつも遊び相手を探して公園めぐりをしていた記憶があります。社交的な息子はどこでも誰とでもすぐに遊び相手になって勝手に遊んでくれたので、親としてはただただ子どもが子ども同士遊ぶ様子を眺めるだけで、とっても助かりました。マンションに越した時には、同年代の家族がたくさん住んでいて、まるで長屋状態。あちこちの家に子どもがシャッフルして、どこの子もうちの子、というような環境でストレスレスな子育てができていました。たくさんのお友達家族に恵まれて私たちは親子としても育っていったように思えます。

さて、上の子はそんな風に過ごしてきたものですから、小学校に上がっても、近所のお友達とつるむようになり、放課後は勝手に遊び惚けて勝手に育っていきました。5つ下の娘もそんな風に地域の子供社会で勝手に育っていくのだろうと思っていたら、小学校にあがったとたん、遊び友達がいなくなってしまい、母子での放課後に戸惑いました。幼児期は保育園、自主保育と一緒に育つ仲間がいたのですが、小学校ではシャイな娘は放課後あそぼうと誘うこともできず、家でひとりで過ごすばかり。公園に行っても、同年代の子たちがさっぱりいなくて、息子の時と違っておかしいなおかしいなと感じていました。学校にはあんなに子どもがわんさかいるのに、なんで外には子どもがいないのだろう。ほんの5年前、息子が一年生だったときには、公園に行けば幼稚園時代のお仲間がいて、その兄弟がいて、みんなでごっちゃになって暗くなるまで鬼ごっこ。母たちは「今日の夕飯どうしよう?」とか他愛ない話をして時が過ぎていった、同じ公園なのに、なぜ?習い事かな?それとも家の中で遊んでいるのかな?そんなこんなで一年間は放課後二人で過ごすことが多くなり、親子でおやつを作ったり、自転車で土手を走り回ったりと、それはそれで良かったのだけど、放課後つるんでくれる娘のお仲間が欲しいなと感じていました。

2年生に上がっても放課後はお友達と過ごすことなく、クラスが変わっての環境の変化や学校の勉強もドリルの宿題が増えたりと、娘のストレスは増えていくように感じていました。なんとか環境変えてあげたいな、という想いと同時に、私自身も息子が中学受験が終わって無事進学して一段落したところで、自身のキャリアについても考えることがあって、長野行を年明けぐらいから本気で考えるようになっていました。決断するまで3か月くらいかかったかな。保育士として森のようちえんの野外保育をやっていきたいという想いから、野外保育のメッカである長野の森のようちえんでの研修を受けることを決め、同時に私が研修に通っている間、娘を山村留学させるというプランを決行しました。半分は私のため、半分は娘のため。期間は2か月間。私と娘は長野に飛びました。

長野に来てすぐは、お友達家族の家に半居候な感じで、一緒にご飯をたべ風呂を借り、私が研修中の間は娘の面倒を見てもらい、代わりにお友達の子どもを一緒に研修に連れて行ったりと、共同生活をさせてもらいながら過ごしました。本当にお友達家族には頭が上がりません。母子2人の不安を解消してくれたのは、一時的な大家族での生活でした。放課後はもちろん、休みの日もお友達と過ごす毎日がやってきました。学校では少人数で密な関係で過ごしていますが、そのまま放課後も一緒に遊んで、まるで地域が家族みたいに一緒にいます。誰の家も私の家という感じで行ったり来たり。娘がお友達の家に遊びに行っちゃって不在でも、他の家の子が我が家で遊んでいるなんて風景も珍しくなく、どこの子ももうちの子!的な環境になりました。上の子が育ってきた、みんなで子育て環境が、ようやく下の娘も長野に来て得ることが出来ました。娘はすっかりこの環境が気に入ってしまい、こっちに来て1か月を過ぎたころには、茨城には帰らない。ここの学校に通うと言いました。子ども自身も子どもの中で育ちあいたいのでした。

この3連休は男の子のお友達2人がお泊りに来てくれて、それはそれは賑やかでした。晩御飯も子どもたちでカレーを作り、お風呂も入って、子どもたちでお布団を敷いて、電気を消して、朝は勝手に起きて遊んで、朝ごはんは残りのカレーを食べてと、私はあんまりお世話もせずに、子どもたちだけでやってくれて私はラクしてばかり。ほんとうにお友達の存在はありがたい。子育ては親だけができるものじゃない。いや、できる人もいるのかもしれないけれど、母親ひとり、娘ひとりの今の環境では、私たちには難しいと感じている。一緒に過ごしてくれる仲間の存在がわたしたち親子にとってはとってもありがたいのだ。お昼はママさんたちで持ち寄ってランチ女子会♪他愛ない話で盛り上がって時間がゆるりと過ぎていく。子どもたちは子どもたちで勝手に遊んで盛り上がり、母たちは母たちできゃいきゃい言いながらお茶会。母も子も、一緒に過ごす仲間が得られたことが、この山村留学に来ての大きな財産だ。こうしてみんなでまるっと子どもも大人もごっちゃになって育ちあえる環境があれば、忙しい毎日もイライラをため込まずにやり過ごせるんだと思う。

私は本当に恵まれていて、上の子のときも、下の子のときも、子育て仲間に巡り会えた。私にとってはワンオペ育児ほど辛いことはない。子どもは子どもの中で勝手に育ってもらい、母たちは母たちで支えあう。そんな環境でないと、ポンコツな私はきっと子どもたちを育てられなかったと思う。どこにいても、最善のタイミングで最高の仲間に出会えたことに感謝している。そして、その環境を求めて勇気を出して山村留学を決めたあのときの私にも最大の感謝を贈りたい。今、私は心からラクに子育てを楽しめています!

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