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【本紹介】不動産の世界を理解する

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は、KSグループホールディングス株式会社 代表取締役 近藤良一さんの著書、『問題だらけの日本の不動産』をご紹介します。

1.感想

本書を読んで、今まで普通だと思っていた日本の住宅に関することが世界では常識ではないことに驚かされました。

日本と世界でここまで異なる点があるのか、なぜここまで異なっていて、良い点や悪い点は何になるのか、読みながら不動産に関する興味関心が深まるばかりの1冊でした。

私にとって、特に驚かされた世界との違いをご紹介します。

住宅の寿命を比較してみると、日本は32.1年です。これに対して、アメリカは66.6年、イギリスは80.6年です。
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日本の住宅が平均30年で建て替えられてしまうのは、とにかく新しいものがどんどん建っているからでしょう。欧米では古いものに価値があると考えられていますが、日本では新しい方が価値があると考えられてきたわけです。

住宅を購入する際には消費税がフルでかかっています。しかし、アメリカやイギリス、ドイツでは、住宅を買う時に消費税は実実的にかかりません。リフォームも同様です。

これらは本書を読むまで当たり前だと思っていた日本に住む私にとっての常識でした。

日本では誰もが新築の購入を夢見るにもかかわらず、圧倒的に高価な買い物になります。贅沢品ではなく、全ての人が生きていくために必要な「住」なのにです。

このよく考えてみれば不条理とも取れる現実を、本書を読んでより詳しく知りたいと思うことができました。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、日本で今後大きな問題になっていくと考えられる空き家問題に対して、筆者の考えを具体的な解決策として紹介している点です。

私は本書を読んでいて、日本の空き家問題の深刻さを感じました。

第4章には、空き家をどのように生かしていくべきなのか、筆者がこれまで不動産ビジネスとして実践してきたことも踏まえて、解説されています。

コロナ禍によって、住宅が持つ意味、人々の生活も大きく変わった部分があります。それも踏まえて、今後どのように空き家を生かして、うまく活用していくことができるのか、筆者なりの考えと共に、具体的な実例が紹介されているので、とても理解しやすいです。

少子高齢化、人口減少とともに、土地の活かし方は今後さまざまな展開がされてくことが想像できる内容でした。

3.概要

目次
第1章 ニッポンは不動産もガラパゴスだった!
第2章 「つくる」から「使いこなす」時代へ
第3章 不動産の「6時産業化」に挑む
第4章 空き家・空き店舗を「REBORN」というマジックで生まれ変わらせる
第5章 地方不動産の活性化が日本を救う
第6章 不動産は未来を想像するビジネス

本書では、著者が経験してきた不動産ビジネスを通じて感じた日本の不動産の問題をいくつも取り上げて説明し、今後日本の不動産ビジネスはどうなっていくべきなのか、日本で生活する人々がどのような考えで日本の土地を生かしていくべきなのかが紹介されています。

第1章では、世界と比べた時に日本が変わっている点、空き家率や戸建の寿命、さらには法律や土地管理の歴史など、さまざまな観点から日本の不動産の問題点が紹介されています。

第2章から第5章までは、第1章で挙げた問題点は本来どうあるべきなのかを紹介し、本来あるべき姿に日本がなっていくために、具体的にどのような取り組みを行なっていけば良いのか、日本の法律はどのように移り変わっていっているのかが紹介されています。

最後に第6章では、筆者の生い立ちと不動産ビジネスと関わってきた経歴が紹介されています。さまざまな経験を経て、不動産ビジネスにたどり着いた筆者の興味深い生い立ちを知ることができます。

日本では誰もが夢見る新築一軒家の購入ですが、世界に目を向けるとそれは珍しいことのようです。調べてみようと思わなければ知ることができない不動産の裏側、世界との常識の違いを本書では知ることができます。

新築一軒家を夢見ている社会人になりたての方や、学生の方に読んでいただきたい一冊になっています。

ぜひご一読ください!

それでは。


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