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手が好き

いわゆるフェチとはちょっと違う意味で、手が好きです。

こうしてキーボードを叩いているのも
料理をするのも
鞄を持つのも
ごはんを食べるのも
好きな人に触れるのも
ギターを弾くのも
服を作るのも
子供を育てるのも
文字を書くのも
絵を描くのも

全部この手。

繊細に動いていろんなものをつくり出している手って思うと
なんだかとても尊い気持ちになります。


手ってなんだかその人のことも語るような気がするんです。

大きかったり
小さかったり
つめたかったり
あったかかったり
ごつごつしてたり
荒れてたり
爪の長さが揃ってたり
昔の傷があったり

その人の今の暮らしとか性格とかあらわれてるんじゃないかなって。
あ、手相とかそういう類のことじゃないですよ?(笑)

荒れた手の母親は家事をこなす家族を思う愛の手
ごつごつした父親の手は仕事を頑張る家族を思う手
なめらかな女性の手は自分を労ってる証の手

94歳の祖父の手は何十年も重いブロック塀を積みあげてきたから
掌がすごく分厚くて、指が太くて頼もしい手。
「出会ったときは細くて長い指だったのに」と祖母。

手はその人の生き方で形がどんどん変わるもの。

わたしの手は苦労を知らない傷のない手だけど
右手の中指にはペンだこがあって
字とか絵をかくために鉛筆やペンを握ってきた手


これからこの手は何に触れて
なにをつくりだしていくんだろうって考えると
ちょっとわくわく、どきどき。


わたしは手が好きです。
手と手を繋ぐと言葉が少なくても暖かいのが伝わるから。

ちゃんと触れて確かめて
身近なもののの愛しさに気付ける手でありますように。

今日は久しぶりにハンドクリームでも塗って寝ようかな
なんて珍しく思うことができたりするのです。

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