[#6] 結婚記念パーティの謎解き公演をほぼ１人で作り上げた話 【シナリオ執筆 婚姻届】
帰宅直後に「暑い！」と言いながらシャワーに直行しなくてもよくなった今日此の頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。カナンです。
この記事は前回の記事の続きです。下記のマガジンにこれまでの記事が載っているので、ぜひ最初の記事から読んでみてください。
前回は、肥大化したシナリオに対して参加者目線でわかりやすくなるようにいくつかのリバイズをしていきました。
リバイズ後のシナリオについては、ぜひ前回の記事を読んでください。
世界観の説明タイミングなどはある程度整ったので、これからはゲーム中のシナリオを仕上げていきます。
どこに何があって、参加者は何をすればよいのか、を詰めていきます。
婚姻届/戸籍謄本の入手方法
まずはこのシナリオで大切な要素でもある、婚姻届について考えないといけません。
ゲーム開始時には婚姻届を紛失しているため、謎を解いて、婚姻届を手に入れる必要があります。
別に「謎を解いて、」じゃなくても良いのですが。
こういうゲームの鉄板…じゃないかもしれないですけど「ゲーム開始時はみんなで分担して小謎を解く」というのをやりたかったのです。
いくつか入手ルートを想定してみました。
・舞台は新居なので、会場内のどこかに新品の婚姻届がある。
謎をとけば手に入る
→ 若干無理がありそう
→ 小謎に分割させる理由付けがちょっと大変
・婚姻届は役所で手に入るものなので、役所にもらいにいく
→ なぜ謎を解かなければいけない？
→ そもそも会場は新居なのですが
→ 戸籍謄本も役所から手に入れられることにすれば、ラス謎の回収にはかなり好都合
じっくり考えた結果、後者の
・婚姻届は役所で手に入るものなので、役所にもらいにいく
に決定しました。
そして、謎を解かなければいけない理由については
その役所はNAZO役所といい、
欲しい書類を申請するには謎を解かなければいけない
という案で解決し、
そもそも会場が新居であることについては
NAZO役所がなぜか新居内に出張所を展開している
というパワープレイ二連発で解決しました。
……いや、無理があるのはわかっているんです。
でもこれくらいは現実に沿いすぎず、
「なんで謎を解いて申請するんだｗｗ」
「なんで出張所があるんだｗｗ」
ってツッコまれるくらいのほうがなんだかんだ面白いんですよね。
そしてメモでも触れましたが、戸籍謄本をゲットするラス謎の回収にもかなり都合が良いんです。
具体的にどう実装するかはさておいて。
NAZO役所に提出する解答用紙を書類を申請する用紙としておき、
・「こんいんとどけ」と書いてあれば婚姻届を渡す
・「こせきとうほん」と書いてあれば戸籍謄本を渡す
というシステムにしておけば良いですね。ちょうど両方とも７文字だし。
いや〜〜〜だんだん謎解き公演っぽくなってきましたよ？
ノリでロゴも作りました。
デザインもやっているとこういうのが自給自足できて便利ですね。
シナリオ 登場人物
ということで、NAZO役所も組み込んだシナリオに書き換えちゃいましょう。
前回とほとんど変わっていないところはカットします。
登場人物（追記）
カナン
NAZO役所の職員。謎が好き。
何故か会場内にNAZO役所の出張所を出しているが、本ストーリーとは無関係。
■ゲーム中のポジション
NAZO役所に常駐。
提出された答えをチェックし、婚姻届や戸籍謄本を渡す。
余裕があれば進行管理。
あれ〜〜？？ 僕がNAZO役所の職員になっちゃったよ〜〜？？
まあ、いわゆる登場人物感を出すのは慣れていますし、進行がドタバタするゲーム中盤に仕事が減って全体を俯瞰できるのでわりと適任でしょう。
シナリオ 前説・導入
続いてゲーム開始前のシナリオです。
Intro（前説・導入）（追記）
タカタ「でも、彼ら(プレイヤー)に代わりに婚姻届を書いてもらうようにお願いしたんです！それで許してもらえませんか…？」
ゆみタロ「よくこの短時間でこんなに人数集めましたね……わかりました。でも、電車の時間が本当にギリギリなんです。45分以内に書類を揃えてもらうことってできますか？」
タカタ「わかりました。なんとかして書類を揃えましょう。」
ここからゲームの説明
タカタ「ということで、みなさんのミッションは45分以内に必要な書類を完成させて太郎さんと裕美さんの2人に渡すことです。」
「といっても、肝心の婚姻届がありませんよね…役所に行かなければ手に入らないんですが、そんな都合のいい場所が…あっ！」
会場後方（または小部屋）に「NAZO役所 出張所」という看板がある
「みなさん！あそこに行けば婚姻届が手に入るそうです！」
「でもどうやらあのNAZO役所はちょっと変わった役所でして…欲しい物を伝えるには、謎を解いて申請する必要があるようです。」
「みなさんはまず封筒に入った謎を解いて、NAZO役所から婚姻届を手に入れましょう。」
「それではみなさん、心の準備はよろしいですか？」→ゲームスタート
謎解き公演では、まず最初に何をするべきかという説明がかなり大切です。
特に初心者の人が多い公演ではなおさらです。
ゲーム開始直前にこの部分を聞くだけで参加者は
・自分たちの目標は二人に書類を提出することだ
・婚姻届はNAZO役所で手に入るようだ
・婚姻届を手に入れるには、この謎を解かなければいけないようだ
・だから、まず自分たちは謎を解いて婚姻届を手に入れる必要があるんだ
ということを理解できます。
この説明があるとないとでは、ゲームスタート時の参加者の勢いが変わってくるように思います。
シナリオ ゲーム中
ゲーム中のシナリオもじわじわと追記していきましょう。
婚姻届が関連してくる、序盤と終盤が埋まってきました。
Phase 1【婚姻届を手に入れる】
・謎7つ
・解答欄
解答欄には「7つの答えで書類の名前を作ること」と書いてある
7つの答えで「こんいんとどけ」の横読みができるように解答欄を埋め、NAZO役所に提出すると婚姻届が手に入る。
（解答欄は確認したら返却される）
Phase 2【2人の情報を集めて婚姻届を完成させる】
Phase 3【証人の署名を手に入れる】
Phase 4【戸籍謄本を手に入れる】
最初の謎の答えを解答欄に当てはめ直し、「こせきとうほん」と作る。
その解答欄をNAZO役所に持っていく。
カナン「かしこまりました。どなたの戸籍謄本が必要ですか？」
プレイヤー「太郎さんと裕美さんです！！」
カナン「はい、こちらですね。」
→2人の戸籍謄本を手に入れる。
婚姻届、戸籍謄本、身分証明書
の3点を揃えた状態でゆみタロのもとへ持っていく
「ありがとう！それじゃあ、もうすぐ出発するから、席に戻って静かに待っていてね」
ここまできたチームはゲームクリア
シナリオを執筆しながら「そんな都合のいい解答用紙や解答群ってあるのかなあ……」なんてぼんやり考えていました。
しかし、そこは未来の自分がなんとかしてくれると期待して執筆に集中。
名乗るだけで第三者の戸籍謄本が手に入ってしまうとんでもない役所ではありますが、だんだんと中身が出来上がってきましたね。
まとめ
今回は、シナリオの中でも婚姻届や戸籍謄本の入手ルートについて考え、シナリオに組み込みました。
NAZO役所という役所を登場させることで、若干強引になりつつも、参加者にとってはツッコミどころがあって面白い設定になったのではないかと思います。
また、導入のトーク内容もNAZO役所に関する説明を追加し、参加者がまず何をすれば良いのかがわかるようになりました。
次回はシナリオ執筆…かと思いきや、ラス謎の制作について書きたいなと思います。
Photo by 角田大樹
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